東京サイクルデザイン専門学校の課外授業は、三浦半島サイクリングだ!
キャンパスライフの楽しみといえば、授業の内容の充実度はもちろんだけれど、学校の中だけではない外での活動というほうが、もしかしたら思い出に残っているものではないだろうか。自転車の専門学校として有名な東京サイクルデザイン専門学校の、そんな1日に密着した。
東京サイクルデザイン専門学校と言うとフレームビルダーを養成するというイメージを持っている読者も多いかもしれない。
しかし実際はビルダーになる人よりも、人数としては自転車販売店や自転車用品の輸入代理店に就職する人の方が多いという。そんな彼らは自転車あそびのタイプも様々。その多様さを繋げてくれるのも自転車、サイクリングのいいところだ。
今回、学校では課外活動として三浦半島でのサイクリングを企画したということで、「編集長も参加してください!」というお誘いをいただき、サイクルスポーツの編集長である中島(筆者)も一参加者として三浦半島を走った。企画したのは日体大のトライアスロン部メカニックも務める竹内先生。自身が普段から走っているコースということで、途中にガイド情報も入れつつの先導のもと、冬晴れの三浦半島を走った。
集合は三浦海岸駅。ここから半島の外周をぐるっと走る学生たちは、各々こだわりのバイクでこのライドに集合した。今回集まったのは1年生たち専門学校最初の学年の最後に、みんなでサイクリング。途中半島特有のアップダウンがある道を、ワイワイ楽しく進んで行く。それほどペースが速くないのもあるけれど、休憩ポイントではみんなおしゃべりに興じている。
コロナで思うように活動が出来なかった学校生活の中で、こうして外でなら存分にコミュニケーションが取れる。なんだかすごく普通のことなのに、とてもいい光景に見えたのはやはりこの3年間があったからだろう。
バイクもウエアも個性が光る。チームジャージのレプリカできめて、ハンドル周りのセッティングもプロ選手の真似をしている学生もいれば、クロスバイクにカジュアルな服装という学生もいる。筆者自身が自転車を趣味で始めた年齢と、今の彼らの年齢は、ほぼ同じ。当時の自分の装備を思い返してみれば、アルミとハイテンを素材としたフレームに、変速はダブルレバー、タイヤはチューブラーという、当時でも時代遅れの、しかし金のない若者にとっては大事な一台に乗っていたことを思い出した。
自分に比べれば、みんないい自転車に乗っている。しかし、サイクリストにとっての愛車の価値を決めるのは金額だけではない。愛情を注いでメンテナンスしている。こだわりがあることを感じさせられた。
ちょっとした上り坂が現れると、誰とはなくアタックがかかるあたりが、若さがあふれる。ライドのハイライトは、城ヶ島公園からの絶景だ。本当に晴れてよかった。海へダイブするような城ヶ島大橋で島へとアクセス。こうした景色を仲間と堪能できるのは、さぞいい思い出になっただろう。自分の足で到達する達成感はひとしおだ。
ランチ休憩は、東京サイクルデザイン専門学校の姉妹校である「日本さかな学校」で。海が見える教室で、地元で有名な海鮮丼屋「くろば亭」の弁当。実に美味! いい授業だ。
終点は和田長浜。竹内先生自慢の焚き火で、マシュマロやホットドッグを作ってみんなでワイワイやった。西向きの浜辺から夕陽が相模湾に沈む。同好の志である学生同士は、授業を通して仲良くなっていると思うが、一緒に走るとさらにその結束は強まる。自転車にはそういう力があるのだ。