おおやようこと磯田美咲が鳥取サイクリングの魅力をレポート
目次
鳥取県をロードバイクなどのスポーツ自転車で走ったことがあるだろうか? 走ってびっくり! そこは歴史と食、絶景の宝庫。おおやようこさんと磯田美咲さんの2人(おおやといそだ)が、「鳥取うみなみロード」で見つけた地元グルメやおすすめスポットを紹介する。
今回のゲストライダー
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Youtuberなどのさまざまな活動をしている“おおやようこ”(写真左)と日本のサイクルアパレルブランド・カペルミュールのスタッフ磯田美咲(写真右)が結成した女性サイクリストコンビ。ヒルクライム大会にチャレンジすることもあるが基本はロングライドやゆるポタが好きで、おいしいものを食べるために寄り道することが多い。2人の活動はSNSやYoutubeにて公開中
今回のコース「鳥取うみなみロード」
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「鳥取うみなみロード」のコースマップ。距離:152km、獲得標高:1086m。コースデータや鳥取県のサイクリング情報は「とっとり自転車旅」をチェック!
鳥取県推奨の「鳥取うみなみロード」が今回のコース。この 旅では西からスタートするが、 東から西へと向かうのもOK。鳥取県沿岸部を中心に走り、県全域を走破できる内容となって いる。これで鳥取制覇だ!
“おおやといそだ”初めての鳥取ふたり旅へ

【START】JR境港駅 漫画家・水木しげる氏の出身地で「妖怪の町」として名高い境港。 駅前にはあの有名キャラクターの モニュメントが並んでいる。磯田 さんは「可愛い!」と大喜び。2人は鳥取の頭文字である“T”の ポーズを決めて気合十分だ
「おはようございます!」早朝の羽田空港に輪行袋を担いだ磯田さんがやってきた。これから二人で鳥取へ飛び立つ。実は鳥取は東京からのアクセスがいい。東部には鳥取砂丘コナン空港、西部には米子鬼太郎空港がありどちらも羽田空港から直行便が出ている。朝に羽田から米子へ飛んで鳥取をゆっくり横断し、翌日夕方の便で鳥取空港から羽田へ戻るという気軽な旅も可能なのだ。
今回走破する「鳥取うみなみロード」は、日本海沿いに鳥取県を横断するルートだ。メインで走る国道9号は、鳥取県内に山陰自動車道が開通したことにより、車の通行量が減少したことに加え、車幅が広い道が多いためサイクリストが快適に走行することができる。またルート上には弓ヶ浜や白兎海岸、鳥取砂丘に浦富(うらどめ)海岸など、県内屈指の景勝地が多数ある。
鳥取に到着したら早速サイクリングスタートだ。県西端の境港駅を出発し、白砂青松の弓ヶ浜サイクリングコースへと進む。米子市を通過し、中国地方最大級の山、大山(だいせん)を擁する大山町から琴浦町へと進んでいく。北栄町の南部にある倉吉の「鳥取県サイクリストに優しい宿」に一泊して2日に分けて完走を目指すのも良い。湯梨浜町を越えれば県庁所在地である鳥取市が見えてくる。ゴールは岩美町にある県最東端の駅、東浜駅だ。
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スポット① 堺水道 ここは鳥取県の弓ヶ浜半島と島根県の島根半島との間を流れる水域だ。ここに面する境港は、生黒まぐろとかにの水揚げ量日本一を誇る国内有数の港として発達した。停泊する船に思いをはせつつ脚を回していく
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スポット② 白砂青松の弓ヶ浜サイクリングコース 境港市と米子市を結ぶ約16kmの自転車道。 白い砂浜と青々と茂る松林の中を進む。走行中は海越しに鳥取県西部のシンボル、大山を眺めることができる。道幅が広くて舗装もきれい。こんなに良質な自転車道はなかなかない
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スポット③ ラーメン悟空 鳥取名物の牛骨ラーメンが食べられるお店。県内産の牛骨ガラを使用したスープがうまい。牛レアチャーシューメンは 上のローストビーフをスープに浸して食べるのがおすすめ。米子市淀江町西原1096-3 ☎0859-56-4266 定休日/水曜
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スポット④ 真名井ばあちゃんのせせらぎレストラン 季節のフルーツを使ったパフェがSNSで話題の蕎麦屋。「今日は沢山走ったけん」と地元サイクリストがごほうびに立ち寄る。コースから少し外れるが、おすすめのスポットだ。米子市淀江町稲吉285- 2 ☎0859-56-2755 定休日/火曜
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スポット⑧ あぶい蒲鉾 日本海の新鮮な魚を使った練りものを製造販売している。買ったものを食べる席もある。お魚コロッケは補給に最適。サイクリストにはちくわを1本おまけしてくれる。東伯郡琴浦町八橋363-2 ☎0858-52-2750 定休日/水・日曜
鳥取横断で見えた景色
コースを走りだすと頭がすっきりとしていくのを感じた。見晴らしが良く、海が見えれば視界は水平線まで広がり内陸へ進むと濃緑の山々が存在感を増す。平坦基調で道幅が広く車に追い抜かれてもストレスを感じない。西からスタートする場合は上りが終盤に集中するため体力の温存と日没までの時間配分が重要だ。
「何度も海を見ながら走れたのが新鮮でした。さらさらとした砂浜だったり、ごつごつとした磯だったり。同じ鳥取の海でも景色が変わっていくんですね」と、磯田さん。海の深浅や海岸の形状、石や砂の色や大きさ、それらが織りなす景色の変化と美しさがある。
国道9号のそばにはJR山陰本線が敷かれ、時折オレンジ色のディーゼル車が私達を追い抜いていった。そのたびにいつでも輪行旅に切り替えることができる安心感があったし、改めて自分の脚で自転車を進ませながら景色を楽しみたいと思い直すきっかけにもなった。
鳥取県には「ダイジョウブシステム」というサイクリスト支援体制があり、協力施設や飲食店は専用の看板とバイクラック、空気入れ、修理工具を置いている。それらを見かける頻度が高く、沿道から応援してもらっているようで心強かった。
そんな魅力いっぱいのコース「鳥取うみなみロード」へぜひ繰り出してみてほしい。サイクリストを満足させてくれること間違いなしだ。
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スポット⑫ 鳥取砂丘 10万年以上の歳月をかけてできた広大な砂の丘。国の天然記念物に指定されている。絶対に外せない定番スポットだ。「馬の背」を駆け上がった先の景色は圧巻。細かくサラサラとした砂を味わおう。長靴やサンダルを貸してくれる土産店あり