10月26日(土)に開催の「彩湖復旧ボランティア」に50人以上が参加
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10月12日(土)にかけて日本に上陸、未曾有の被害を与えた「令和元年台風19号(ハキビス)」。普段から埼玉県をはじめとした周辺のサイクリストに、サイクリングスポットとして親しまれている通称「彩湖」こと「荒川第一調整池」は、台風による大雨を受けてその本来の機能である貯水を行い、公園設備などが水面に沈んだ。
そこで10月26日(土)に、重機では除ききれない泥やゴミを回収するべくボランティアが集い、清掃作業を行った。
サイクリストたちにもお馴染みの公園の風景を取り戻せ!
今回のボランティア活動の発起人となったのは、トライアスロンチームの「SaiCo Rafale」のリーダーを務める小林毅信さん。普段の週末には彩湖をホームコースに、多くのチーム員が集って練習を行っている。
そして今回台風によって一変してしまった彩湖の風景を見て、「自分達の力で何かできないか」と考えてチーム員を中心に声かけを行うとともに、さいたま市で自転車関連商品の輸入代理店を営むアクションスポーツの神田秀仁さんへも相談をしたという。
神田さん側よりさいたま市役所などに対して、活動許可などの行政面での交渉を行い、結果として公園の駐車場の一時利用許可を得た。そしてサイクリングウェアの製造販売を行うウエイブワンからは売上の一部が今回の活動の寄付金として提供されるなどと、関係した人々の協力を得て、今回のボランティア活動が行われることとなった。
当日は快晴となり気温が上がる中、朝9時より50人を超えるボランティアスタッフが集結。パワーショベルなどの重機が入ることのできない広場のエリアや、芝生が生い茂る野原のエリアに散乱したさまざまなゴミや泥などを、ボランティアの手作業で撤去、回収するというのが今回の目標だ。
再び自転車で楽しく走るために
参加者それぞれがゴミ袋やスコップなどを持参し、作業にあたる。通常時は小さい子どもからご年配の人々までが行き交う広場エリアを広範囲に埋め尽くす泥は、前夜の雨によって水分を多く含んだ状態だ。
一人ひとりが自発的に、スコップで泥を撤去する人、ゴミを分別しつつ拾っていく人と分かれて、エリアごとに作業を行う。小林さんも「普段からトライアスロンなどスポーツに取り組んでいる皆さんなので、体力も行動力もあり、想像以上にスムーズに作業が進んでいきましたね」と語った。実際、近日に行われていた国体にてトライアスロンの埼玉県代表として出場した山下陽裕さんをはじめとした現役アスリートのみなさんも、普段から慣れ親しんだ彩湖の風景を取り戻すべく力をふるった。
約2時間にわたる作業で、40L相当のゴミ袋にして30袋分を回収、そして広場部分の泥の撤去が行われた。
現在も日本各地で被害からの復興作業が続いている。各地の一刻も早い復旧を心から願うとともに、そのためには途方も無く地道な一人ひとりの力の積み重ねが必要だと、今回筆者自身がボランティアに参加し、実感した。
だからこそ、ささいなことからでも、自身のできることをひとつずつ行っていければ、きっと全てのサイクリストが再び笑顔で自転車を楽しめる日を迎えることができるだろう。