これってどうなの?「弁護士に聞く、自転車のルールの素朴な疑問」
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自転車に限らず道路を走る限りは、事故を完全にゼロにすることは困難です。万が一の事故の際に、相手方が逆走などルール違反をしていた場合の法的責任は一体どうなるのでしょうか? さまざまなケースにおけるルールと現状を、現役弁護士が裁判例もふまえて解説します。
相手のルール違反ならこちらは悪くない?
先日、自転車同士の正面衝突事故が発生しました。状況は不明ですが、逆走自転車が原因の可能性も指摘されています。取り締まりを強化しても残念ながら逆走が後を絶たない現状、こうした事故は他人事ではありません。逆走自転車と衝突したとき、こちらが被害者となるだけでなく、相手が負傷することも考えられます。その場合、法的責任はどう問われるのでしょうか。
自転車協会が運営するサイト「ENJOY SPORTS BICYCLE」では、こうした法律面でのサイクリストの疑問に答えるコラム『弁護士に聞く自転車のルールの素朴な疑問』を連載中です。自らもサイクリストである現役弁護士が、法律に規定されたルールを、さまざまな実際の場面もふまえて解説しています。
「Q 車道で逆走してきた自転車と衝突しました。相手が負傷した場合、こちらに責任はありますか?」の記事は、まさに知りたいケースであるといえるでしょう。実のところ、相手がルールを破っている場合も、自分側の過失割合がゼロになるケースはまれなようです。いささか理不尽な気もするかもしれませんが、実情を把握したうえで、自らを守る行動を心がけることが現実的といえるでしょう。
ベルは人に向けて鳴らさず、どこで鳴らすの?
この4月から自転車利用者全員に対してヘルメット着用が努力義務化されました。市販されている自転車用ヘルメットについて、どの商品がより安全なのか、気になる人も少なくないでしょう。「Q ヘルメットを選ぶ上で、商品の安全性を保証する認定基準などはあるのでしょうか?」の記事では、自転車ヘルメットの各種規格の安全規格の内容を解説しています。
ルール違反の自転車について苦々しく思っている人も、サイクリストの中には少なくないでしょう。「Q スマホを見ながら自転車に乗っている人が許せません。警察は取り締まれないのですか?」の記事では、スマホを見ながら自転車に乗ることが果たしてルール違反になるのか、また取り締まりの現状についても触れています。
自転車のルールについて、昔と認識が変わったものの一つに「ベル」があるでしょう。かつては自転車がチリンチリンとベルを鳴らして歩行者をかき分けて走っていたものですが、近年は歩行者に向けて執拗にベルを鳴らす行為は「煽り運転」として摘発対象となっています。自転車でベルを鳴らす機会は現在ほぼ無い一方で、自転車へのベルの装着は義務となっています。「Q ベルを鳴らしてはいけないのに、なぜ装備が義務付けられているのですか?」の記事では、法律上ベルを使うとされている場面について解説しています。
自転車利用者は、ルールを把握し、安全に走行することが重要です。今一度、ルールについて学び、事故の無い楽しいサイクリングにつなげましょう。