中根英登がJFAこころのプロジェクト「夢の教室」の夢先生として登壇
JFA(日本サッカー協会)によるJFAこころのプロジェクト「夢の教室」が2023年7月上旬に開催され、愛三工業レーシングチーム上級アドバイザーの中根英登さんが“夢先生”として愛知県豊田市立東広瀬小学校の5年生を対象に授業を行った。
「夢の教室」では、過去にはサッカー元日本代表の澤穂希さんや、現サッカー日本代表監督の森保一さん、元メジャーリーガーで現在は広島東洋カープでプレーする秋山翔吾さん、元F1ドライバーの中嶋一貴さんら様々な種目で実績を残す現役・OG/OBのアスリートらが夢先生として、小学5年生や中学2年生を対象に「夢を持つことの素晴らしさ、それに向かって努力することの大切さ」などを、自身の経験をもとに子どもたちに伝えています。
当日は、前半ではレクリエーションを通じて「協力すること」「思いやりの心」「全力で取り組むこと」「ルールを守ること」などの大切さを伝え、後半では中根本人がサッカーから自転車競技への転向した際の経験やヨーロッパへの挑戦時の経験を交えながら、その時々で抱いていた「夢」や「夢を叶えるために取った手段」「困難が立ちはだかった時にどう対処したのか」といった内容で、これから夢を叶えていくであろう子供たちへ授業を行った。
中根英登氏のコメント:
「自分が子供の頃に憧れていたのは海外で活躍するサッカー選手。当時の中村俊輔氏や中田英寿氏に強烈な憧れを持っていました。
あるキッカケで自転車ロードレースへ競技転向をし、大学卒業時に将来についていくつか考えていた選択肢の中で選んだのが自転車ロード選手でした。自転車ロードレースに挑戦した事でたくさんの国へ行き、世界のトップレベルで走ることができ、海外に住んだりと、挑戦し頑張り続ける事で新たな夢が生まれ、次の道へ進んで行くことが出来ました。
夢はいくつあっても良いし、途中で夢が変わっても良いし、もし今は夢がみえないなら無理に描かなくても良くて、好きな事が自然と将来の夢になるかもしれない。
自分も最初の夢とは違う事に挑戦することで人生も夢も変化していったこと、より極めたい・強くなりたいという一心で日本を飛び出してからも諦めることなく頑張り続けられたこと、家族の支えや応援してくれる人たちがいてくれたことも大きな原動力となったこと、そんなことを思い出しながら子供達とコミュニケーションを取りながら貴重な時間を共有できました。子供達の純粋な言葉や授業中に聞いた将来の夢の内容にいつのまにか自分が心を奪われていました。
今回の授業で夢について考える他に自転車ロードレースを知ってもらうキッカケとなってくれれば嬉しいですし、今回授業を行った小学校は地元・愛三工業レーシングチームのトレーニングコース近くにあるので、トレーニングをする選手たちと遭遇した時には応援してもらえるようになれば嬉しいです。」
・中根英登プロフィール
2012年より大学在学中にTeam Nippoにてヨーロッパでの活動を開始。大学を卒業した2013年より同チームや愛三工業レーシングチームに所属し、アジアやヨーロッパのUCIレースを中心に活動。2017年からはUCIプロコンチネンタルチーム(現UCIプロチーム)に所属、2021年にはEFエデュケーション・NIPPO(現EFエデュケーション・イージーポスト)に移籍し、日本人選手として6人目となるUCIワールドチーム所属選手となる。また、日本代表としてアジア大会や世界選手権に出場し、特にアジア大会ではチームメイトの銀メダル獲得をアシストしながら自身も5位入賞を果たす。2022年末に選手を引退し、現在は愛三工業レーシングチームで上級アドバイザーを務めながら、ライドイベントやレース解説活動、また地元愛知で若手選手へのトレーニングサポートや競技普及活動に取り組む。
「JFAこころのプロジェクト」概要
(JFAこころのプロジェクト公式サイトより引用)
いま、子どもたちのために、サッカーは何ができるだろう。
日本の子どもたちのために、日本のサッカーは、わたしたち大人は、何ができるだろう。
仲間と力を合わせてたたかう。相手と激しくカラダでぶつかる。
だからこそ、相手を思いやる心やフェアプレーの精神を重んじる。
そんなサッカーだからこそ、子どもたちに伝えることがあるはずです。
“DREAM ~夢があるから強くなる~”このスローガンをかかげるわたしたちだからこそ、
子どもたちのためにやるべきことがあるはすです。
そんな想いからうまれた「JFAこころのプロジェクト」。
サッカー界がひとつになり、学校教育の現場と力を合わせて子どもの心の教育に貢献していくプロジェクトです。
核家族化や少子化、偏差値重視の教育が進んだ現代社会。
子どもが社会性を育む場である外遊びが減ったこともあり、子ども達の体力低下や運動不足を危惧する声が高まっています。
また、いじめや不登校、自殺願望といった問題を抱える子ども少なくなく、この状況を一日も早く食い止めることが求められています。
「JFAこころのプロジェクト」は、子どもの心身の健全な成長に寄与することを目的に取り組んでいる活動で、Jリーガーやなでしこジャパン、日本代表として活躍している新旧選手が「夢先生」として小学校の教壇に立ち、「フェアプレー精神」や「夢を持つことの素晴らしさ」、「それに向かって努力することの大切さ」、「失敗や挫折に負けない心の強さ」を子どもたちに伝えています。
このプロジェクトがスタートして、これまで数多くの子どもたちが夢先生とともに「夢」について考え、スポーツの素晴らしさや夢を持つことの素晴らしさ、それに向かって努力することの大切さを学んできました。“夢先生”もサッカーの枠を超え、野球、バレーボール、陸上、水泳、モータースポーツなど、多くのアスリートの皆さんがこのプロジェクトに参加しています。
また、企業、自治体、団体からもご支援をいただき、本プロジェクトは海外を含め、全国47の自治体で開催するに至りました。
「Dream~夢があるから強くなる」。私たちはこの言葉を多く子どもたちと共有し、このプロジェクトを通じて子どもたちの健全な成長を後押ししていきたいと考えています。
「夢の教室」の概要
(JFAこころのプロジェクト公式サイトより引用)
JFAこころのプロジェクトでは、様々な競技の現役選手/OB/OGなどを「夢先生」として学校へ派遣し、「夢を持つことや、その夢に向かって努力することの大切さ」「仲間と協力することの大切さ」などを「夢の教室」で伝えていきます。
夢の教室は、【ゲームの時間】、【トークの時間】と、夢先生と子どもたちがメッセージのやり取りをする【夢シート】で構成されています。
・対象
小学校5年生、中学校2年生
将来について考えるきっかけとなればという考え方から小学校5年生。また、より具体的に将来をイメージする機会にしてもらいたいという考え方から中学2年生を対象としています。
・ゲームの時間(35分)
体育館で、夢先生と子どもたちが、協力して様々なゲームを行う時間です。
みんなで体を動かすことにより緊張をほぐしながら、クラス全体に「協力すること」、「思いやりの心」、「全力で取り組むこと」「ルールを守ること」などの大切さを伝えます。
・トークの時間(55分)
教室で、夢先生が「夢曲線」を黒板に描きながら、自身が困難を乗り越えて夢に挑戦した体験を話し「夢を持つことの素晴らしさ、それに向かって努力することの大切さ」などを子どもたちに伝えます。
・夢シート
トークの時間では、夢先生の話を聞くだけでなく「夢シート」を使って、子どもたちの「いま好きなことや得意なこと」、「将来の夢(〇〇になって、〇〇したい)」や、「そのためにできること、やってみようと思うこと」を記入し発表する時間を設けています。
自分の「将来の夢」を文字で書くこと、言葉にすることで夢に向かう子どもたちを後押しします。
夢の教室終了後には、夢先生が一人ひとりへ思いを込めて夢シートに返事を書きます。メッセージを受け取った子どもたちは、改めて夢について考える時間を持つことができます。
JFAこころのプロジェクトHP:
https://www.jfa.jp/social_action_programme/yumesen/
Text&Photo:三井至