福岡県の絶景サイクリングコース10【前編】
目次
福岡県は街と自然との距離が近く、少し足を延ばせばすぐにすてきな景観に出会えます。青く美しい海岸線に、緑あふれる山々。沿道の田畑は実り、輝き、小さな路地には昔ながらの町並みも。そんな“フクオカ”の魅力を体感できる10のサイクリングコースを2回にわたってご紹介。ロードバイクやクロスバイクを走らせて、さぁ絶景の「福10(ふくてん)ルート」へ。
【ルート1】福岡・糸島ルート

福岡-糸島ルート。コースデータはこちら(Ride With GPS) ©️Google
【走行距離】約78km
【獲得標高】約253m
福岡市の都心部から人気の糸島エリアへ、玄海国定公園に選ばれた美しい海岸線が見どころのルートです。糸島半島を周る途中で海へ抜ける小道や、緑が美しい田畑へ向かう農道などの寄り道もおすすめ。ライド中のあちらこちらでお洒落なカフェや、歴史に想いをはせるスポットも発見できます。人気の海岸線はもちろん、糸島のもう一つの魅力である豊かな田園風景、糸島富士(可也山/かやさん)の姿も眺めながら、心地良いライドを楽しんで。

③桜井二見ヶ浦(さくらいふたみがうら) 櫻井神社の白い鳥居と御神体岩である夫婦岩の先に夕陽が沈む、糸島を代表する景勝地。美しい海岸線には多くのカフェやレストランも並び、四季を問わず多くの観光客が訪れます。

⑤深江漁港そば 二丈深江(にじょうふかえ)の海岸を、岬に向かって進めばドームテントと並ぶヤシの木が印象的なグランピング施設の横に出ます。透明な海の美しさが際立つ深江エリアの海岸線は、さらに先へと進みたくなります。
【ルート2-1】 宗像・志賀島ルート

宗像(むなかた)-志賀島(しかのしま)ルート。コースデータはこちら(Ride With GPS) ©️Google
【走行距離】約51km
【獲得標高】約146m
玄海国定公園の美しい海岸線を走る、こちらも福岡県自慢の海沿いルートです。松林へ抜けて海に近づけるスポットや、寄り道して見つける絶景はまさにおすすめ。また古代から続く歴史を目の当たりにする世界遺産の古墳群、志賀島へ続く陸繋砂州の一本道、全国に知られる「光の道」も、このルートでぜひ確かめて。福岡県はこんなにスケールの大きな海がある、その新たな感動があちらこちらに。もう走らずにはいられません。

①新原・奴山(しんばる・ぬやま)古墳群 「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群の中で、内陸にポコポコと丘が並ぶような古墳群は歴史ロマンをかき立てます。草覆う古墳の隣をさっそうとライドする、時を超えた感動です。

②福間海岸(「光の道」入口) 1年に2度、宮地嶽神社からまっすぐ伸びる参道に沿って夕陽が沈む、その神々しいさまは「光の道」と呼ばれます。海岸線に一番近い参道には第一の鳥居が。まさに光を迎える入口です。

⑤奈多海岸(なたかいがん) 大都市福岡近郊と思えない砂丘が連なる圧巻の風景。外海で削られた断崖の砂丘は海の中道まで続き、パラグライダーが気持ちよさそうに空を舞います。のどかで雄大な風景をぜひ確かめて。
【ルート2-2】 宗像-直方ルート

宗像-直方(のおがた)ルート。コースデータはこちら(Ride With GPS) ©️Google
【走行距離】約39km
【獲得標高】約54m
響灘(ひびきなだ)を見ながら走る県道300号は、松林を抜けながら波津(はつ)海岸へ。ここから芦屋町へは、遥かな海岸線を駆け抜ける快適ライドを約束。広がる絶景と波の音を独り占めできるサイクリングロードは全国に誇れる感動ルートです。また芦屋基地から飛び立つ戦闘機の姿も間近に見ることができるかも。続く遠賀川(おんががわ)河川敷にもサイクリングロードが整備され、川沿いに姿を見せる世界遺産や風情ある宿場町・木屋瀬宿(こやのせじゅく)に立ち寄りたいところです。

①さつき松原 「道の駅むなかた」をスタートし、潮風を感じながら松林を快走。かつて黒田藩が防風林として植えた松原は、長さ約5.5kmにわたって美しい緑を描きます。日本の白砂青松(はくしゃせいしょう)100選です。
【ルート3】北九州・芦屋ルート

北九州-芦屋ルート。コースデータはこちら(Ride With GPS) ©️Google
【走行距離】約44km
【獲得標高】約118m
工業地帯を走ると思われがちなルートですが、実は北九州の海がバツグンに美しいという発見に心躍るルートです。透明度の高い澄み切った海と夏のハマユウ、荒々しい岩の上に立つ白い灯台など海の絶景に加えて、ルート沿いには次世代エネルギーを生み出す風車が並ぶ未来的な光景が。また国指定重要文化財の若戸大橋を眺めながら渡船で移動する楽しみもプラス。人の営みと自然の対比が興味深い、北九州の現在を走ります。

②遠見ヶ鼻(とおみがはな) こんな絶景が北九州に! と驚かされる遠見ヶ鼻。空と海の二つのブルーが交わる遥かな水平線を背景に真っ白な妙見埼(みょうけんざき)灯台が建つという、鮮やかすぎるインパクト。夕日も美しい!

⑥大里宿跡 かつての長崎街道の大里宿跡。関門海峡を渡る渡船場に町が栄えた碑が点々と残っています。巨大な赤レンガの建物は、旧帝国麦酒(後のサッポロビール門司【もじ】工場)の醸造棟跡で近代化遺産の一つです。

⑦ニッカウヰスキー門司工場(旧大里製粉所倉庫) 1910年に旧大里製粉所として建てられた赤レンガ倉庫は近代化を支えた日本遺産の一つ。国道199号に沿って切妻屋根(きりづまやね)が連続してかわいらしく、撮影ポイントにおすすめです。
【ルート4】那珂川・大牟田ルート

那珂川(なかがわ)-大牟田(おおむた)ルート。コースデータはこちら(Ride With GPS) ©️Google
【走行距離】約86 km
【獲得標高】約893 m
東脊振(ひがしせふり)トンネルを使って福岡県を北から縦断するルートです。那珂川市から筑紫耶馬溪(ちくしやばけい)沿いに南畑ダムまでヒルクライム。さらに五ケ山(ごかやま)ダムを経て佐賀県へ抜ける峠越え。美しい景色が待っているとはいえ、前半でかなり体力も必要です。佐賀県側から筑後川昇開橋(ちくごがわしょうかいきょう)を使って再び福岡県に入り、水郷・柳川(やながわ)では風情豊かな川下りを眺めて一休み。大牟田に着く間に実り豊かな田畑と漁村の風景が入り混じる、ユニークな筑後の姿をご覧ください。
【ルート5】筑後周遊ルート

筑後周遊ルート。コースデータはこちら(Ride With GPS) ©️Google
【走行距離】約55km
【獲得標高】約90m
筑後平野を潤す筑後川や矢部川の恵み、そこで暮らす人々の営みを身近に感じられるルートです。ここは日本有数の酒どころ、そして600年の長い歴史を持つ「福岡の八女茶(やめちゃ)」の里でもあります。三潴(みづま)・城島(じょうじま)・大川などに点在する酒蔵の風情や、八女中央大茶園に代表される清々しい茶畑の緑は必見。また矢部川に沿うように田園地帯を回ると力強いクスノキの姿に圧倒され、秋深まれば美しい黄色に染まる太原のイチョウもお見逃しなく。

④太原(たいばる)のイチョウ 見頃は11月中旬くらい。広川町の一画に突然、鮮やかなイチョウ並木が現れます。木漏れ日を浴びてキラキラと輝く姿も、落ち葉でできた黄色のじゅうたんも。すてきすぎる絶景を、ぜひ。
【後編】の記事はこちら
※各ルートの距離と獲得標高は、コースデータ(Ride with GPS)で表示されている数値と多少異なっている場合があります。