ブエルタ・ア・エスパーニャ2023 第1ステージのチームTTはチームＤＳＭ・フィルメニッヒが優勝

2023.08.27
レース

photo UNIPUBLIC/SPRINT CYCLING AGENCY

2023年シーズン最後のグランツールとなる第78回ブエルタ・ア・エスパーニャ（ＵＣＩワールドツアー）が、8月26日にスペイン北東部カタルーニャ州の州都バルセロナで開幕した。

■初日のチームＴＴでサプライズな勝利を収めたチームＤＳＭ・フィルメニッヒ (photo : UNIPUBLIC/SPRINT CYCLING AGENCY)

初日はバルセロナの市街地で14.8kmのチームタイムトライアルが競われ、オランダのチームＤＳＭ・フィルメニッヒが予想外な区間優勝を果たした。真紅のリーダージャージ『ラ・ロハ』を着る栄誉を得たのは、イタリアのロレンツォ・ミレージ（チームＤＳＭ・フィルメニッヒ）だった。

区間2位は0.55秒差で地元スペインのモビスターチーム、3位は6秒差で米国のＥＦエデュケーション・イージーポストだった。

■最初のラ・ロハはネオプロのミレージが獲得した (photo : UNIPUBLIC/SPRINT CYCLING AGENCY)

土砂降りのチームＴＴ

第78回大会には、22チームの176選手が参加。初日のチームタイムトライアルは土砂降りの雨の中で行われ、最後に出走したチームのゴールが日没後という競技時間帯がレースの結果に大きく影響した。区間優勝したチームＤＳＭ・フィルメニッヒは２番目のスタートで、雨はもう降り出していたが、まだ明るかった。

レースはスタート時間が遅くなるほど不利なコンディションになり、迫りくる夕闇の中、コーナーの多い市街地のコースを雨で滑りやすくなった路面に注意しながら走らなければならず、落車が続発。イネオス・グレナディアズはレース序盤にベルギーのローレンス・デプルスが落車し、今年のリタイア１号になってしまった。

■まだ明るい時間帯に走ったチームＤＳＭ・フィルメニッヒがチームＴＴを制した (photo : UNIPUBLIC/SPRINT CYCLING AGENCY)

不利な状況下で目覚ましい走りを見せたのは地元スペインのモビスターチームだった。彼らは最後から２番目のスタートだったが、9.6kmの中間計測ポイントでチームＤＳＭ・フィルメニッヒよりも7秒早かった。しかし、タイムが計測される5番目ゴールの選手がわずかに遅れ、たった0.55秒差で区間優勝を逃してしまった。

総合首位になってラ・ロハを獲得したイタリアのミレージは21歳のネオプロで、グランツールは初参加だった。彼は2週間前に英国のグラスゴー・スコットランドで開催されたUCIサイクリング世界選手権の男子アンダー23個人タイムトライアルで優勝したばかりだった。

■初参加のブエルタでラ・ロハを獲得したミレージのコメント
「もちろん、こんな１カ月になるとは思ってもいなかった。素晴らしい気分だ。チームと一緒に勝つのは本当に素晴らしいし、感動的だ。我々はある程度のリスクを負い、良い計画を持っていた。チームから指示されたパワーを忠実に守り、それがうまく機能した。チームタイムトライアルではあるけれど、ボクにとってこれはワールドツアーで初めての勝利だ。とても嬉しいよ」

■優勝候補だったユンボ・ヴィスマは19番目のスタートで、32秒遅れの区間11位でレースを終えた (photo : UNIPUBLIC/SPRINT CYCLING AGENCY)

■第1ステージ結果［8月26日／バルセロナ〜バルセロナ／14.8km］
1. TEAM DSM-FIRMENICH (NED) 17′ 30”
2. MOVISTAR TEAM (ESP)
3. EF EDUCATION – EASYPOST (USA) + 00′ 06”
4. SOUDAL QUICK-STEP (BEL) + 00′ 06”
5. GROUPAMA – FDJ (FRA) + 00′ 06”
6. BAHRAIN VICTORIOUS (BHR) + 00′ 10”
7. ASTANA QAZAQSTAN TEAM (KAZ) + 00′ 17”
8. INEOS GRENADIERS (GBR) + 00′ 20”
9. COFIDIS (FRA) + 00′ 22” –
10. BORA – HANSGROHE (GER) + 00′ 28”

11. JUMBO-VISMA (NED) + 00′ 32”
12. INTERMARCHÉ – CIRCUS – WANTY (BEL) + 00′ 33”
13. LOTTO DSTNY (BEL) + 00′ 34”
14. UAE TEAM EMIRATES (UAE) + 00′ 37”
15. ALPECIN-DECEUNINCK (BEL) + 00′ 41”
16. CAJA RURAL-SEGUROSRGA (ESP) + 00′ 42”
17. AG2R CITROEN TEAM (FRA) + 00′ 48”
18. TOTALENERGIES (FRA) + 00′ 50”
19. TEAM JAYCO ALULA (AUS) + 00′ 51”
20. LIDL-TREK (USA) + 00′ 56”
21. BURGOS-BH (ESP) + 01′ 13”
22. TEAM ARKEA – SAMSIC (FRA) + 01′ 18”

■第1ステージの総合成績（ラ・ロハ）
1. LORENZO MILESI (TEAM DSM-FIRMENICH / ITA) 17′ 30”
2. DAVID MAX POOLE (TEAM DSM-FIRMENICH / GBR)
3. ROMAIN BARDET (TEAM DSM-FIRMENICH / FRA)
4. SEAN FLYNN (TEAM DSM-FIRMENICH / GBR)
5. EDGAR OSCAR ONLEY (TEAM DSM-FIRMENICH / GBR)
6. CHRISTOPHER HAMILTON (TEAM DSM-FIRMENICH / AUS)
7. ENRIC MAS (MOVISTAR TEAM / ESP)
8. EINER AUGUSTO RUBIO REYES (MOVISTAR TEAM / COL)
9. NELSON OLIVEIRA (MOVISTAR TEAM / POR)
10. IVAN GARCIA CORTINA (MOVISTAR TEAM / ESP)

18. REMCO EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) + 00′ 06”
45. GERAINT THOMAS (INEOS GRENADIERS / GBR) + 00′ 20”
48. EGAN BERNAL (INEOS GRENADIERS / COL) + 00′ 20”
65. JONAS VINGEGAARD (JUMBO-VISMA / DEN) + 00′ 32”
66. PRIMOŽ ROGLIČ (JUMBO-VISMA / SLO) + 00′ 32”
79. JUAN AYUSO (UAE TEAM EMIRATES / ESP) + 00′ 37”
83. JOAO ALMEIDA (UAE TEAM EMIRATES / POR) + 00′ 37”

［各賞］
■新人賞：LORENZO MILESI (TEAM DSM-FIRMENICH / ITA)
(※第2ステージは DAVID MAX POOLE (TEAM DSM-FIRMENICH / GBR) が着用)
■チーム成績：TEAM DSM-FIRMENICH (NED)