ブエルタ・ア・エスパーニャ2023 頂上ゴールの第6ステージはクースが区間優勝し、マルティネスが総合首位
スペインで開催中の第78回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、8月31日にラ・バル・ドゥイショからハバランブレ天文台があるカテゴリー1のピコ・デル・ブイトレ頂上までの183.1kmで第6ステージを競い、今季全てのグランツールに参加している米国のセップ・クース(ユンボ・ヴィスマ)が独走で逃げ切り、2019年に続いて2度目の区間優勝を果たした。
区間2位には26秒遅れでフランスのレニー・マルティネス(グルパマ・FDJ)が入り、クースに8秒差で総合首位に立って、グランツール初参加で総合リーダージャージのラ・ロハを獲得した。
70km地点でメイン集団から逃げ出した42人の大きなグループには、総合成績でトップ25位内の選手が11人加わり、総合リーダーのレムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ)に17秒差の総合3位で、新人賞総合2位で白いリーダージャージを着ていたマルティネスが最上位だった。
逃げ集団はラ・ロハの集団に最大7分差を付け、最後のピコ・デル・ブイトレのふもとでもまだ3分50秒差を保っていた。ゴールまで残り4kmで先頭集団から最初に仕掛けたのはエイネル・ルビオ(モビスターチーム)で、ロマン・バルデ(チームDSM・フィルメニッヒ)とマルティネスが追走したが、後方からクスが追い上げて単独で先頭に立った。彼はそのまま逃げ切って区間優勝したが、ラ・ロハを獲得するにはわずかにタイムが足りなかった。
3分以上後方のラ・ロハ集団では、残り4kmでプリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ)がアタックしたが、エヴェネプールは応戦できなかった。ログリッチにはチームメイトのヨーナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ)とエンリク・マス(モビスターチーム)が合流し、ゴールを目指した。
エヴェネプールはこのステージでラ・ロハを失っただけでなく、最大のライバルであるヴィンゲゴーには5秒差、ログリッチには11秒差まで追いつかれてしまった。
総合首位になったマルティネスは今大会最年少の20歳で、有名なMTB選手ミゲル・マルティネスの息子だ。祖父のマリアーノ・マルティネスも1970年代に活躍したロード選手で、彼はフランスに帰化したスペイン人だ。
■区間優勝した28歳のクースのコメント
「信じられないほど過酷なステージだった。我々はクイックステップをテストするためだけに、逃げにトライしたかった。コントロールするのが難しい厳しい1日になるだろうと分かっていたんだ。それが第1の目的だった。ファンバールレ、トラットニック、ヴァルテルと一緒に逃げに入り、彼らは素晴らしい走りをした。彼らがした仕事には大いに感謝しなければならない。
(ログリッチはあなたが総合優勝できると言っている?)ノー、ノー。ボクはブエルタで勝つためにここに居るんじゃない。ボクにとっては区間1勝で素晴らしいよ」
■今大会最年少で総合首位になったマルティネスのコメント
「本当に信じられない。このレースが始まった時、このジャージを取れたら素晴らしいなあと思っていたが、それが今日実現した。ボクのために逃げでとても力強い走りをしてくれたチームに感謝する。とても嬉しいよ。最後の上りのふもとで大きなタイム差を持っていたから、我々は計画を変更したんだ。自分に何が起きているのかまだ理解できない。これは素晴らしいレースだ。自分のスペインの家族の事も考えているよ」
■第6ステージ結果
[8月31日/ラ・バル・ドゥイショ~ピコ・デル・ブイトレ(ハバランブレ天文台)/183.1km]
1. SEPP KUSS (JUMBO-VISMA / USA) 04h 27′ 29”
2. LENNY MARTINEZ (GROUPAMA – FDJ / FRA) + 00′ 26”
3. ROMAIN BARDET (TEAM DSM-FIRMENICH / FRA) + 00′ 31”
4. MIKEL LANDA (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP) + 00′ 46”
5. MARC SOLER (UAE TEAM EMIRATES / ESP) + 00′ 46”
6. WOUT POELS (BAHRAIN VICTORIOUS / NED) + 01′ 03”
7. EINER AUGUSTO RUBIO REYES (MOVISTAR TEAM / COL) + 01′ 05”
8. CRISTIAN RODRIGUEZ MARTIN (TEAM ARKEA – SAMSIC / ESP) + 01′ 12”
9. STEFF CRAS (TOTALENERGIES / BEL) + 01′ 12”
10. JEFFERSON CEPEDA (CAJA RURAL-SEGUROSRGA / ECU) + 01′ 26”
18. PRIMOŽ ROGLIČ (JUMBO-VISMA / SLO) + 02′ 52”
19. JONAS VINGEGAARD (JUMBO-VISMA / DEN) + 02′ 52”
20. JUAN AYUSO (UAE TEAM EMIRATES / ESP) + 02′ 59”
21. JOAO ALMEIDA (UAE TEAM EMIRATES / POR) + 03′ 06”
22. CIAN UIJTDEBROEKS (BORA – HANSGROHE / BEL) + 03′ 06”
23. ENRIC MAS (MOVISTAR TEAM / ESP) + 03′ 16”
24. REMCO EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) + 03′ 24”
■第6ステージ後の総合成績(ラ・ロハ)
1. LENNY MARTINEZ (GROUPAMA – FDJ / FRA) 21h 40′ 35”
2. SEPP KUSS (JUMBO-VISMA / USA) + 00′ 08”
3. MARC SOLER (UAE TEAM EMIRATES / ESP) + 00′ 51”
4. WOUT POELS (BAHRAIN VICTORIOUS / NED) + 01′ 41”
5. STEFF CRAS (TOTALENERGIES / BEL) + 01′ 48”
6. MIKEL LANDA (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP) + 01′ 58”
7. JEFFERSON CEPEDA (CAJA RURAL-SEGUROSRGA / ECU) + 02′ 06”
8. DAVID DE LA CRUZ (ASTANA QAZAQSTAN TEAM / ESP) + 02′ 23”
9. REMCO EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) + 02′ 47”
10. ENRIC MAS (MOVISTAR TEAM / ESP) + 02′ 50”
11. JONAS VINGEGAARD (JUMBO-VISMA / DEN) + 02′ 52”
12. PRIMOŽ ROGLIČ (JUMBO-VISMA / SLO) + 02′ 58”
13. HUGH JOHN CARTHY (EF EDUCATION – EASYPOST / GBR) + 03′ 03”
14. JUAN AYUSO (UAE TEAM EMIRATES / ESP)
15. CIAN UIJTDEBROEKS (BORA – HANSGROHE / BEL) + 03′ 08”
16. JOAO ALMEIDA (UAE TEAM EMIRATES / POR) + 03′ 17”
23. GERAINT THOMAS (INEOS GRENADIERS / GBR) + 04′ 57”
[各賞]
■ポイント賞 : KADEN GROVES (ALPECIN-DECEUNINCK / AUS)
■山岳賞 : EDUARDO SEPULVEDA (LOTTO DSTNY / ARG)
■新人賞:LENNY MARTINEZ (GROUPAMA – FDJ / FRA)
(※第7ステージは JUAN AYUSO (UAE TEAM EMIRATES / ESP) が着用)
■チーム成績:BAHRAIN VICTORIOUS (BHR)
■敢闘賞 : MIKEL LANDA (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP)
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