ブエルタ・ア・エスパーニャ2023 で米国のクースが総合初優勝

  • photo UNIPUBLIC/SPRINT CYCLING AGENCY

スペインで開催されていた、今シーズン最後のグランツールである第78回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、9月17日にサルスエラ競馬場から首都マドリードまでの101.1kmで最終日の第21ステージを競い、米国のセップ・クース(ユンボ・ヴィスマ)が、29歳でサプライズな総合初優勝を果たした。
 

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■米国のクースがグランツール総合初優勝を果たした (©SprintCycling)

 
米国の選手がグランツールで総合優勝したのは、2013年に41歳でブエルタ総合初優勝を果たしたクリス・ホーナー以来だった。

総合2位は17秒差で今年7月にツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)で総合優勝したデンマークのヨーナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ)、総合3位は1分8秒差で今年5月にジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)で総合優勝したスロベニアのプリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ)だった。ブエルタで同じチームの選手たちが個人総合成績の表彰台を独占したのは、1966年以来の出来事だった。
 

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■ブエルタ2023の表彰台。左から総合2位のヴィンゲゴー、総合初優勝したクース、総合3位のログリッチ (photo : UNIPUBLIC/SPRINT CYCLING AGENCY)

 
これでオランダのユンボ・ヴィスマは、2023年シーズンの全てのグランツールを制する歴史的な快挙を成し遂げた。長い自転車競技の歴史の中で、同じチームが1シーズンで全てのグランツールを優勝したのは初めての出来事だった。それが達成されたブエルタの最終ステージで、ユンボ・ヴィスマはそれぞれのレースを象徴するピンク(ジロ)、黄色(ツール)、赤(ブエルタ)のラインが入った特別なチームジャージを着ていた。
 

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■ユンボ・ヴィスマはグランツール全制覇を祝った特別ジャージで最終ステージを走った (photo : UNIPUBLIC/SPRINT CYCLING AGENCY)

 
ブエルタで総合初優勝したクースは、普段は山岳アシストとして働くクライマーで、今年はジロでログリッチのために、ツールはヴィンゲゴーのために働き、3つのグランツール全てで完走した。

今大会もクースはアシストとして参加し、ディフェンディングチャンピオンのレムコ・エヴェネプールを擁するベルギーのスーダル・クイックステップをテストする目的で、頂上ゴールの第6ステージでチームメイトたちと一緒に逃げに加わり、メイン集団に2分52秒差を付けて区間優勝した。その後、彼は第8ステージで総合首位になってラ・ロハを獲得し、それをマドリードまで持ち帰った。
 

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■最終ステージのスタート前に記念撮影を行った2023年シーズンのグランツール優勝者たち (photo : UNIPUBLIC/SPRINT CYCLING AGENCY)

 
マドリードの市街地サーキットを9周する最終ステージは、ポイント賞のグリーンジャージを着たオーストラリアのケイデン・グローヴズ(アルペシン・ドゥクーニンク)がゴールスプリントを制し、今大会3勝目を上げた。

グローヴズは集団ゴールスプリントを制した訳ではなく、ゴールまで残り38kmでアタックしたエヴェネプールを追い、6人の逃げに加わった。この逃げは最後のホームストレートで集団に追いつかれたが、先頭でスプリントを開始していたエヴェネプールをうまく利用したグローヴズが、フィニッシュラインを最初に通過した。
 

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■最終ステージはポイント賞ジャージを着たグローヴズが今大会3勝目を上げた (photo : UNIPUBLIC/SPRINT CYCLING AGENCY)

 
■アシストとして参加したブエルタで総合初優勝を果たしたクースのコメント
「信じられないよ。今日はこのレース全体で最も苦しんだステージだったと思う。今は終わってただ嬉しい。選手たちがアタックの準備をしているのを見た時、高速ステージになるだろうと感じていた。今日はアングリルよりも苦しんだよ。素晴らしい終わり方だった。

ブエルタで勝った今もボクは変わらない。ボクはボクのままさ。確かに人生は変わるね。この経験は沢山の楽しかった思い出と共に振り返る事になると思う。まだ身に染みている所で、それはとても時間がかかると思う。今は大きなお祝いだ。家族や友達がここに来ていて、選手やスタッフと一緒にこの3週間の話をするのは本当に特別だ。本当に沢山の思い出があり、良い時間を過ごした」
 

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■最終ステージは山岳賞ジャージのエヴェネプールとポイント賞ジャージのグローヴズが逃げる稀な展開となった (photo : UNIPUBLIC/SPRINT CYCLING AGENCY)


■第21ステージ結果

[9月17日/サルスエラ競馬場~マドリード(パイサヘ・デ・ラ・ルス)/101.1km]
1. KADEN GROVES (ALPECIN-DECEUNINCK / AUS) 02h 24′ 13”
2. FILIPPO GANNA (INEOS GRENADIERS / BEL)
3. NICO DENZ (BORA – HANSGROHE / GER)
4. HUGO PAGE (INTERMARCHÉ – CIRCUS – WANTY / FRA)
5. IVAN GARCIA CORTINA (MOVISTAR TEAM / ESP)
6. RUI COSTA (INTERMARCHÉ – CIRCUS – WANTY / POR)
7. MARIJN VAN DEN BERG (EF EDUCATION – EASYPOST / NED)
8. REMCO EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL)
9. DRIES VAN GESTEL (TOTALENERGIES / BEL)
10. LENNARD KÄMNA (BORA – HANSGROHE / GER)

第78回ブエルタ・ア・エスパーニャ 個人総合最終成績(ラ・ロハ)
1. SEPP KUSS (JUMBO-VISMA / USA) 76h 48′ 21”
2. JONAS VINGEGAARD (JUMBO-VISMA / DEN) + 00′ 17”
3. PRIMOŽ ROGLIČ (JUMBO-VISMA / SLO) + 01′ 08”
4. JUAN AYUSO (UAE TEAM EMIRATES / ESP) + 03′ 18”
5. MIKEL LANDA (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP) + 03′ 37”
6. ENRIC MAS (MOVISTAR TEAM / ESP) + 04′ 14”
7. ALEKSANDR VLASOV (BORA – HANSGROHE / RUS) +07′ 53”
8. CIAN UIJTDEBROEKS (BORA – HANSGROHE / BEL) + 08′ 00”
9. JOAO ALMEIDA (UAE TEAM EMIRATES / POR) + 10′ 08”
10. SANTIAGO BUITRAGO SANCHEZ (BAHRAIN VICTORIOUS / COL) + 11′ 38”

[各賞]
■ポイント賞 : KADEN GROVES (ALPECIN-DECEUNINCK / AUS)
■山岳賞 : REMCO EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL)
■新人賞:JUAN AYUSO (UAE TEAM EMIRATES / ESP)
■チーム成績:JUMBO-VISMA (NED)
■スーパー敢闘賞 : REMCO EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL)
 

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■2023ブエルタの4賞ジャージ。左からポイント賞のグローヴズ、新人賞のアユソ、個人総合優勝のクース、山岳賞のエヴェネプール (photo : UNIPUBLIC/SPRINT CYCLING AGENCY)

 

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■オランダのユンボ・ヴィスマはチーム成績も受賞した(photo : UNIPUBLIC/SPRINT CYCLING AGENCY)

 

ブエルタ・ア・エスパーニャ公式サイト

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