JCL2023 高知県宿毛市ロードレースはライアン・カバナが優勝
2023年9月24日(日)、JCL(ジャパン サイクルリーグ )のランキング対象となる「 高知県宿毛市ロードレース」が開催された。
1周12.5kmのコースを10周回、125kmで行われるレースは、農道・県道、そして高速道路を封鎖して行われる起伏に富んだダイナミックなスケール。今年はJCL加盟7チームに、かつてフランスエリートナショナルで大活躍した竹ノ内悠が率いる宿毛選抜チームが加わった。
スタート前には先日のツール・ド・北海道で亡くなった五十嵐洸太選手への30秒間の黙祷を捧げ、安全を胸に誓いスタートラインに並んだ。
レースは宿毛市長 中平氏による号砲の後、1周回のパレード走行を行いレースは本格的にスタート。
序盤からブラインドコーナーや狭いスロープの先のUターンなどを利用して選手たちはアタックを繰り返し抜け出しのチャンスを図る。最初に大きな動きとなったのは2周目の高速道路区間、宿毛選抜の選手のアタックを皮切りに数人の飛び出しが発生し、ひとつになる。
ポイントリーダーのキナン山本元喜を含む10人のリードアウトは20秒のタイムギャップで進行するが、後方も追撃の体制を緩めず3周目には吸収されてカウンターアタックも発生。しかし、スプリント周回を前に後半にはプロトンは振出しに戻ると、宿毛選抜の松井丈治が単独で抜け出し1回目のスプリント賞を獲得する。
3周目のスプリント賞のスピードアップを利用し、再びキナン山本、昨年度このレースで活躍したVC FUKUOKA 渡邊諒馬を含む日本人選手6人が先行しレースが動ぐ。
きれいなローテーションでリードを続けるが、再び追走をかけるプロトンとは30秒程しか開かない。そして、縦に伸びたプロトンにキャッチされると、分裂と復帰が繰り返された追走の選手たちに疲労の色が見え始める。
しかし、この日のレースは動きが止まらず、ここをチャンスと果敢に3人の選手がアタック、これが今大会の勝ち逃げとなる。
抜け出したのはキナンのライアン・カバナとドリュー・モレ、ヴィクトワール広島のカーター・ベトルスという強力な面々。ロングエスケープを得意とする選手たちの強力な攻撃に、さいたま那須サンブレイブ、VC FUKUOKAを中心に追走を掛けるが、差はみるみる広がり1分半となる。
3人で迎えた6周目のスプリントポイントはカバナが先着。逃げ切りを図る彼らはそのまま安定したハイペースを維持し続ける。
残り2周、2分開いたタイムギャップを確認するとベトルスがこの均衡を崩し、スピードアップで勝負に出る。1度はモレを引き離すことに成功するが、ベトルスの番手につくカバナは先頭交代を拒否し、モレの復帰を待つ。
レースは残り1周、単独で引き続けたことでややペースが落ちたベトルスに再びモレが復帰すると、キナンが優位となる。ラスト500mの丘を越えてホームストレートに現れたのは3人。多くの観客が勝負の行方を見守るなか、渾身の力で先行したのはベトルス、ロングスプリントを狙う。
しかし、左手からカバナが鋭い捲りで車輪を奪い、ゴール30m前にはそのスピード差から勝利を確信、ガッツポーズでゴールを切った。
この戦いから2分30秒後、ホームに現れた4位争いは小集団のスプリント、ここではヴィクトワール広島の阿曽圭佑が先着、日本人トップの成績を収めた。各チームの選手の積極的な展開が目立った高知県宿毛市ロードレース、昨年を上回る平均時速44㎞のハイスピードレースとなった。
三菱地所JCLプロロードレースツアー2023
高知県宿毛市ロードレース
1. ライアン・カバナ(キナンレーシングチーム)2:50’09”
2. カーター・ベトルス(ヴィクトワール広島)+0
3. ドリュー・モレ(キナンレーシングチーム)+0
期日:2023年9月24日(日)
開催地:高知県宿毛市 公道特設コース
距離:12.5km × 10周=125km
出場チーム:8チーム 41人出走 完走21人
Avg Speed of Winner:44.07km/h