OITAサイクルフェス!!!2023 おおいたアーバンクラシックはライアン・カバナが優勝
10月1日(日)、OITAサイクルフェス!!!2023の2日目は、UCI1.2クラスのロードレース「おおいたアーバンクラシック」が行われた。レースは終盤に抜け出したライアン・カバナ(キナンレーシングチーム/オーストラリア)とケイン・リチャード(ARAスキップ・キャピタル/オーストラリア)の2人の勝負となり、カバナが優勝した。
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表彰式 左から2位・ケイン・リチャード(ARAスキップ・キャピタル)、優勝・ライアン・カバナ(キナンレーシングチーム)、3位・ドリュー・モレ(キナンレーシングチーム)
大分県大分市を舞台に開催された「OITAサイクルフェス!!!2023」。2日目は、大分市中心街の東に位置する大分スポーツ公園にメイン会場を移し、UCI1.2クラスのロードレース「おおいたアーバンクラシック」が行われた。
コースは、2019年ラグビーワールドカップの会場にもなった「レゾナックドーム大分」前をスタート・フィニッシュとし、大分スポーツ公園周辺の住宅地の中を駆け抜ける1周11.6kmの公道コース。山岳こそ無いものの、コース全体が丘陵地帯にあるため、こまかなアップダウンが連続する。加えてコーナーの数も多いため減速と加速を繰り返すことになり、周回が進むごとに集団の人数が絞られていく見た目以上にハードなコースだ。
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スパークルおおいたレーシングチームを最前列にスタートラインに着く
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ホストチームのスパークルおおいたレーシングチームを先頭にスタート
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リアルスタートが切られ、集団のペースが上がる
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上り区間でペースが上がり、集団が長く伸びていく
13周150.8kmのレースがスタートした午前9時頃は雲が広がり、前夜の雨でコースの一部が濡れた状態だったものの、レースの進行に合わせて徐々に青空が広がり、気温が上昇していった。
5周目まで続いたアタック合戦ののち、21人の集団が先行。後続との差は30秒から40秒まで開く。6周目には11人の追走集団が形成され、9周目までに5人が合流。遅れた選手と入れ替わり、24人の先頭集団に再構成された。後続の集団との差は4分まで広がり、優勝の権利は先頭集団に絞られた。
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大分市の丘陵地帯を走るコース
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アタックが繰り返されて集団は蛇行
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抜け出たメンバーで回すようにサインを出す風間翔眞(シマノレーシング)
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盤は阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)が集団前方で積極的に飛び出しを見せた
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2019年ラグビーワールドカップの会場となった レゾナックドーム大分
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5周目、21人の集団が先行
10周目、先頭集団に最多の4人を送り込んだキナンレーシングチームから、ライアン・カバナがアタック。ケイン・リチャード(ARAスキップ・キャピタル)が追いかけてカバナに合流するが、残りの先頭集団は追走の意思がまとまらず、一気に30秒以上まで差が開く。
残り3周となる11周目、先行した2人との差が1分まで差が開いたところで、フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)、ベンジャミン・ダイボール、カーター・ベトルス(以上ヴィクトワール広島)、ドリュー・モレ(キナンレーシングチーム)の4人が追走集団を形成する。しかしカバナとリチャードを捕まえるには差が広がりすぎ、モレがチェックに入ったこともあってペースは上がらない。
同じ頃、先行する2人の間では、カバナがリチャードを切り離そうと毎周回仕掛ける。しかし決定打を繰り出せないまま最終周回へ。残り2kmを切るとお互いの勝利へ向けての牽制が始まり、勝負はフィニッシュまで500m続く上りに持ち込まれた。
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分裂するように先行した集団が後続との差を一気に広げる
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最終的に勝ち逃げ集団となった21人の先頭集団
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住宅街の中にあるアーチ橋をくぐっていく集団
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トマ・ルバ(キナンレーシングチーム)が後続集団の先頭を引く
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レース中盤、留目夕陽(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム)が先頭集団から抜け出しを図る
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レース中盤に形成された11人の追走集団
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レース中盤、先頭集団から留目夕陽(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム)が飛び出すものの、勝負は決まらない
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人数が多いこともあり、先頭集団の動きがまとまらない場面も
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10周目、ライアン・カバナ(キナンレーシングチーム)がアタック
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ケイン・リチャード(ARAスキップ・キャピタル)が追走
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残った先頭集団メンバーは追走の動きがまとまらない
先頭で現れたのはカバナ。残り100mでリチャードを引き離し、ガッツポーズと共にフィニッシュラインを越えた。モレが3位に入ってキナンレーシングチームが1-3フィニッシュ。上位7人のうち5人をオーストラリア人選手が占める結果となった。
石原悠希(シマノレーシング)が日本人最高位となる8位に入り、アジア最優秀選手賞を獲得。10位の留目夕陽(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム)がU23最優秀選手賞を獲得した。
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ケイン・リチャード(ARAスキップ・キャピタル)を切り離そうとするライアン・カバナ(キナンレーシングチーム)
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ケイン・リチャード(ARAスキップ・キャピタル)とライアン・カバナ(キナンレーシングチーム)は最終周回まで逃げ切る
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恐竜達の応援
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フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)らが追走するも追いきれず。
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ライアン・カバナ(キナンレーシングチーム)がケイン・リチャード(ARAスキップ・キャピタル)を引き離してフィニッシュ
・優勝したライアン・カバナのコメント:
「とても良いレースになった。海外UCIチームをはじめ強いチームと選手が多数いたので、ハードなレースになることは予想していた。でも我々のチームは強く、スタート直後から集団の前に位置取るようにして最初のアタックを見逃さないようにした。残り50kmを切ったあたりで先頭集団のペースが落ちたので、脚が残っていたのでペースアップしようと考えてアタックした。リチャードがついて来たので一緒に逃げることにして、最後はスプリントでリチャードを下すことが出来た。2019年に優勝しているチームメイトのドリュー・モレも今日は調子が良くて、先頭集団内で重要な役割をこなしてくれ、チームとしてもうまく機能していたと思う。
次はツール・ド・九州、その次はジャパンカップを走る。良いシーズンの締めくくりにしたい」
・アジア最優秀選手賞・石原悠希のコメント:
「終盤に先頭集団から2人が行ってしまったが、踏んではやめての繰り返しになるコースに自分も含め皆が消耗してしまって追うことが出来なかった。それまでも複数名を送り込んでいるチームが多かったこともあって、先頭集団は思ったよりうまく回らない感じだった。優勝するには力が足りなかったが、UCIポイントとアジア最優秀選手賞を獲得出来て良かったと思う」
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表彰式 優勝・ライアン・カバナ(キナンレーシングチーム、中央)、2位・ケイン・リチャード(ARAスキップ・キャピタル、左)、3位・ドリュー・モレ(キナンレーシングチーム、右)
おおいたアーバンクラシック結果(150.8km)
アジア最優秀選手賞
石原悠希(シマノレーシング、日本)
U23最優秀選手賞
留目夕陽(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム、日本)
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U23最優秀選手賞は留目夕陽(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム)
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オーストラリア人選手3人によるシャンパンファイト
J:COM presents OITAサイクルフェス!!! 2023
おおいたいこいの道クリテリウム
開催日:2023年9月30日(土)14:00~15:20
開催地:大分いこいの道周辺特設コース(1.0㎞ × 40Laps = 40.0㎞)
おおいたアーバンクラシック
開催日:2023年1日(日)9:00~13:20
開催地:大分スポーツ公園周辺特設コース(11.6㎞ × 13Laps = 150.8㎞)