3位争いのスプリントまで粘った新城は7位でフィニッシュ アジア競技大会2023・男子ロードレース
新城幸也は10月5日、アジア競技大会2023 自転車ロードレースに日本代表として出場した。
新城にとって初出場となるアジア大会の舞台は、中国・杭州の淳安県にある大きな湖、千鳥湖。湖に沿ってぐるりと周回する207km。コースは平坦基調ではあるものの、細かなアップダウンから途中132km地点には2kmの上りが含まれている。強豪カザフスタンをはじめ、多くの国が4人出走するなか、日本は小石祐馬(JCL TEAM UKYO)と新城の2人で立ち向かうことになった。
序盤のアタック合戦に2人で交互に反応するなど数的に不利な展開ではあったが、新城が7人の逃げに入り、レースを進める。
勝負どころの坂に迫ると7人の逃げグループは崩壊し、カザフスタンのアレクセイ・ルツェンコがアタック、それを追う同じくカザフスタンのエフゲニー・フェドロフと新城。もちろんチームメイトが独走しているフェドロフは積極的に追うことをせず、実質、新城が一人でルツェンコを追う展開になる。
新城の後ろで脚を貯めていたフェドロフは新城を置き去りにし、単独でルツェンコに合流。一人で前を行くカザフスタン2選手を追いかける厳しい展開になってしまった新城に後続から15人ほどの集団が合流し、追走グループが形成される。
しかし、カザフスタン勢が強さで逃げ切りワンツーフィニッシュ、新城は3位争いのスプリントまで粘ったが7位でレースを終えた。
新城幸也のコメント:
「カザフスタンが強いのは明確で、出走人数でも数的不利のなか小石選手とうまく連係してカザフスタンのアタックに対処した。カザフスタンは逃げを作ろうとスタートからアタックを繰り返し、小石選手と2人で全てをフォローするのは大変だが、そうしないと次にマークされるのは我々、日本チームなので、脚を使わざるを得ない展開となった。
20km程走ったころだったか7人で抜け出す事となり、それから長い長い追いかけっこが始まった。最初の1時間の平均アベレージは50km/hを超えていたと思う。自分を含む先頭7人は皆でローテーションを繰り返して、順調だった。25秒~40秒差で60kmぐらい走ったところで、後続集団を牽引していた韓国チームに疲れが見え始め、80km地点ぐらいで差は1分となり、その差は徐々に差が広がり、120km地点で2分となった時点でこの先頭集団での優勝争いだと思っていた。
そこからはアップダウンの区間になるのだが、132km地点に2km程の上りが待っている。そこで7人の逃げに2人入っているカザフスタンが攻撃を仕掛けて来るだろうと予想していたのだが、その手前の1km程の上りで早めに仕掛けてきた。不意をつかれて反応が遅れてしまい、カザフスタンのアレクセイ・ルツェンコの先行を許してしまったのが、レースの失敗。もう1人のカザフスタン選手、エフゲニー・フェドロフにマークされ、2対1と不利な展開になってしまった。
次の上りでマークされていたフェドロフにも置いて行かれ、1人で追走することになった。しかし、向かい風というのもあり、どんどん離されて後ろには追走集団が迫ってきたので、残り距離もあるし、ここは脚を温存して追走集団で勝負する事を選んだ。この集団は20人程いたが、全然前を追いかけるつもりはなく、皆が3位狙いになっていて、残り20kmから激しいアタック合戦が始まった。
序盤から逃げていた自分にとってはキツイ展開となった。しかし、そこは経験でカバーして、1度抜け出すことにもなったが、最終的にはスプリントになった。 3番手で最終コーナーを抜けたが、スプリントする脚はもう残っておらず、メダルには届かなかった。 これ以上の事は今日は出来なかったと思うが、自分が逃げに乗り、メダルの届く位置にいながら、力で千切られたのは悔しさしかない。
今回のレースでタイ、モンゴル、韓国、インドネシアなど、アジア各国がどんどん強くなってきていて、嬉しさもあるが、その分アジアでのレースも簡単ではなくなってきているということを実感した。
応援ありがとうございました。ジャパンカップでお会いしましょう~」
新城は中国から一度ヨーロッパに戻り、10月14日から栃木県宇都宮で開催されるジャパンカップに合わせて、10月12日に帰国する。
第19回アジア競技大会
開催地:中国・杭州
日程:2023年9月23日〜10月8日
https://www.hangzhou2022.cn/En/