ツール・ド・九州2023開幕! 小倉城クリテリウムは兒島直樹が嬉しい地元勝利
2位 窪木一茂でブリヂストンが1-2フィニッシュ
10月6日(金)、九州初のUCIステージレース「マイナビ ツール・ド・九州2023」が、福岡県北九州市で開幕した。
初日は「ステージ0」と位置付けられる「小倉城クリテリウム」が行われ、兒島直樹が優勝。窪木一茂が2位となって、チームブリヂストンサイクリングが1-2フィニッシュを決めた。
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兒島直樹が小倉城クリテリウム優勝、2位に窪木一茂でチームブリヂストンサイクリング1-2フィニッシュ
「マイナビ ツール・ド・九州2023」は、今年初めて開催されるUCI2.1クラスのステージレース。1クラスのステージレースは、ツアー・オブ・ジャパンに続く国内2例目となる。
九州北部の福岡県、熊本県、大分県の3県を舞台に、3日間3ステージのレースが行われ、海外からはワールドチームのアスタナ・カザクスタンを筆頭に8チーム、国内からはVC福岡、スパークルおおいたレーシングチームなど九州を拠点とするチームをはじめとするUCIコンチネンタル登録の10チーム、計18チーム104人が出場する。
その前座、「ステージ0(ゼロ)」として、北九州市の小倉城周辺でクリテリウムが開催された。小倉の中心街にも近い公道に設定された1周1.79kmのコースはほぼフラット。4つのコーナーとひとつの折り返しで構成され、25周45kmで争われる。
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福岡大学の「鼓舞猿」による和太鼓演奏が会場を盛り上げる
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大会アンバサダーのTikToker「ばりやわとんこつ」の2人がツール・ド・九州の優勝トロフィーを紹介
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今大会唯一のワールドチーム、アスタナ・カザクスタンチーム
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九州を拠点とする2チームを先頭に小倉城の下からスタート
10月としては暑さを感じる陽差しの下スタートしたレースは、地元チームVC福岡の2人の飛び出しから始まる。序盤は各チーム入り乱れてのアタック合戦が続き、集団は縦長に伸びた状態で周回を重ねていく。
途中、5周回ごとに設定された特別周回賞を狙っての飛び出しが発生するが、周回賞獲得後は集団に戻り、長く続く逃げが発生しないままレースは後半へ向かう。
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ファーストアタックはVC福岡
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コーナーの連続で蛇行していく集団
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小学生の声援に逃げるベンジャミ・プラデス(JCLチーム右京)も笑顔?
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前半は各チーム入り乱れてのアタック合戦が続く
残り10周を切ると、チームブリヂストンサイクリングのメンバーが集団前方に集まり始め、残り5周に入ると集団先頭を固めてコントロールを開始。ニュージーランドのプロチーム、ボルトンエクイティース・ブラックスポークが前に入る場面もあったものの、最終周回後半は再びチームブリヂストンサイクリングが主導権を取り戻す。
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レース中盤、増田成幸(JCLチーム右京)と横塚浩平(VC福岡)の2人が先行
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チームブリヂストンサイクリングが集団先頭を固めて残り5周へ
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ボルトンエクイティース・ブラックスポークも集団牽引に加わって最終周回へ
フィニッシュまでコーナー2つを残したところから、松田祥位が加速。最終コーナーを立ち上がると兒島直樹が前に出てスプリントに入る。
「後ろに続いていた窪木(一茂)さんが少し遅れて加速して差を広げてくれた」と兒島が振り返るように、後続を引き離した兒島が先頭でフィニッシュ。それよりも前に、勝利を確信した窪木と松田が後方でガッツポーズを繰り出した。
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フィニッシュに向けて突進する兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)後方で松田祥位と窪木一茂がガッツポーズ
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兒島直樹が小倉城クリテリウム優勝 2位に窪木一茂でチームブリヂストンサイクリング1-2フィニッシュ
1位兒島、2位窪木となり、チームブリヂストンサイクリングは1-2フィニッシュ。福岡県出身の兒島は「地元で勝てて本当に嬉しい」と話す。
「残り10周を切ったあたりで集団が落ち着いてきたので、みんなでまとまってうまく展開できた。橋本(英也)選手がずっと前を引いて厳しそうになっていたが、ニュージーランドのチーム(ボルトンエクイティース・ブラックスポーク)が前に入ってくれたおかげで力を出し切らずに済んだのも良かった。
松田(祥位)選手の最後のダッシュが強烈で引き離されそうになったけれど、離れたらダメだと思って食らいついた。本当は窪木さんをエースとして僕がリードアウトする作戦だったが、最後に僕が余るようなら行っても良いと言われていたので、最終コーナーまで松田選手が引いてくれて、あとは全力でモガいた。
福岡はブリヂストンの創業地でもあるので、ここで勝てて良かった。明日から本格的にレースが始まるので、ひとつでも多く勝利を挙げたい。特に明日は僕の地元のみやま市や、ブリヂストンの工場のある久留米市を通るので、チーム一丸となって頑張りたい」と、第2のホームレースへの意気込みを語った。
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表彰式 優勝 兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)
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表彰式 2位 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)
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表彰式 3位 エフゲニー・ギディッチ (アスタナ・カザクスタン/カザフスタン)
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アジア最優秀選手賞と優勝の2つのメダルをさげた兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)
ツール・ド・九州2023 小倉城クリテリウム結果
1位 兒島直樹 (チームブリヂストンサイクリング/日本) 59分0秒
2位 窪木一茂 (チームブリヂストンサイクリング/日本) +0秒
3位 エフゲニー・ギディッチ (アスタナ・カザクスタン/カザフスタン) +0秒
4位 デクラン・トレザイス (ARAスキップ・キャピタル/オーストラリア) +0秒
5位 岡本 隼 (愛三工業レーシングチーム/日本) +0秒
6位 ベンジャミ・プラデス・レヴェルテ (JCLチーム右京/スペイン) +0秒
7位 小野寺 玲 (宇都宮ブリッツェン/日本) +0秒
8位 草場啓吾 (愛三工業レーシングチーム/日本) +0秒
9位 織田 聖 (EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム/日本) +3秒
10位 沢田 時 (宇都宮ブリッツェン/日本) +3秒
特別周回賞
5周回完了時 ベンジャミ・プラデス・レヴェルテ (JCLチーム右京/スペイン)
10周回完了時 孫崎大樹(キナンレーシングチーム/日本)
15周回完了時 岡 篤志(JCLチーム右京/日本)
20周回完了時 岡 篤志(JCLチーム右京/日本)
マイナビ ツール・ド・九州2023
UCIアジアツアー2.1(ステージレース クラス1)
開催期間:2023年10月6日(金)~10月9日(月・祝)
小倉城クリテリウム(約45km)
2023年10月6日(金)福岡県北九州市
第1ステージ:福岡ステージ(約144km)
2023年10月7日(土)北九州 〜 大牟田
第2ステージ:熊本阿蘇ステージ(約108km)
2023年10月8日(日)南小国 〜 南阿蘇
第3ステージ:大分ステージ(約129km)
2023年10月9日(月)日田 〜 日田
参加チーム:国内外18チーム
主催:ツール・ド・九州2023実行委員会(一般社団法人ツール・ド・九州)
https://www.tourdekyushu.asia
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photo:ツール・ド・九州2023実行委員会