イル・ロンバルディア2023はポガチャルが3連覇
今年最後のモニュメント・クラシックとなる第117回イル・ロンバルディア(UCIワールドツアー)が、10月7日に北イタリアのロンバルディア州で開催され、スロベニアチャンピオンのタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ)が独走で優勝し、3連覇を果たした。
ロンバルディア3連覇は、イタリアのファウスト・コッピ以来の快挙だったが、コッピは1946年から1949年までに4連覇を達成しているため、ポガチャルは来年その記録に挑む事になる。
6人の追走グループは52秒遅れでゴールスプリントを競い、3日前にグランピエモンテ(UCIプロシリーズ)を制した地元イタリアのアンドレーア・バジョーリ(スーダル・クイックステップ)が2位、スロベニアのプリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ)が3位に入った。
エヴェネプールが落車
第117回大会はコモをスタートしてベルガモにゴールする238kmで競われた。スタート前にはポガチャル、ログリッチと共にベルギーのレムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ)が優勝候補とみなされていたが、彼は最初のギザッロの上りが始まる前に落車して負傷し、今大会では優勝争いに加わる事ができなかった。
ゴールまで残り38kmの、この日最後の上り坂だったパッソ・ディ・ガンダでレースは動いた。集団からアダム・イェーツ(UAEチーム・エミレーツ)がアタックし、最後まで逃げていたベン・ヒーリー(EFエデューケーション・イージーポスト)が吸収され、10人の先頭グループが形成された。
そこから残り33kmでポガチャルがアタックし、アレクサンドル・ヴラソフ(ボーラ・ハンスグローエ)と共に先行したが、後続とのタイム差はあまり開かなかった。残り31.4kmのパッソ・ディ・ガンダの頂上手前で追走グループからログリッチがアタックして先頭の2人に追いついた後、追走グループは先頭グループに追いついた。
しかし、ポガチャルは攻撃の脚を緩めなかった。彼は下りが始まってすぐに再びアタックし、10数秒差を付ける事に成功した。残り15kmのパッソ・ディ・ガンダのふもとで、ポガチャルは6人の追走グループに34秒差を付けていた。
ベルガモのゴールを目指すポガチャルは右脚の痙攣に見舞われたが、それは3連覇の障害にはならなかった。彼は30kmを独走し、追走グループに52秒の大差を付け、スロベニアチャンピオンジャージの胸についた国旗を指差しながらフィニッシュラインを通過した。ポガチャルにとって過去2回の優勝は最後に他の選手とゴールスプリントを競って得た勝利だったが、今回は初めての独走優勝だった。
今年9月で25歳になったポガチャルは、4月にベルギーのロンド・バン・ブラーンデレン(ツール・デ・フランドル/UCIワールドツアー)でも初優勝していて、今シーズンは2つのモニュメント・クラシックを制した。
■3連覇を果たしたポガチャルのコメント
「3回目の参加で3回目の勝利、そしてここベルガモで2回目の勝利だ。独走になるのが夢で、今日は素晴らしく、最後の数kmは楽しんだ。とても痛みを伴ったが、ロンバルディアで3回目の勝利は信じられない事だ。単独で勝ちたかったが、ヴラソフは今日とても強い選手の1人だったから、ずっと長くボクと一緒にいるだろうと思った。(下りで)ちょっと差が開いた瞬間は、2年前よりもずっとうまく下っていた。右脚が攣ってもう終わったと思ったが、それでもプッシュした。素晴らしいよ」
■第117回イル・ロンバルディア 結果
[10月7日/UCIワールドツアー/イタリア(コモ~ベルガモ)/238km]
1. POGAČAR Tadej (UAE TEAM EMIRATES / SLO) 5:55:33
2. BAGIOLI Andrea (SOUDAL QUICK-STEP / ITA) 0:52
3. ROGLIC Primoz (JUMBO-VISMA / SLO) 0:52
4. VLASOV Aleksandr (BORA – HANSGROHE / RUS) 0:52
5. YATES Simon Philip (TEAM JAYCO ALULA / GBR) 0:52
6. YATES Adam Richard (UAE TEAM EMIRATES / GBR) 0:52
7. RODRIGUEZ CANO Carlos (INEOS GRENADIERS / ESP) 0:52
8. CARAPAZ Richard (EF EDUCATION – EASYPOST / ECU) 1:06
9. EVENEPOEL Remco (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) 1:26
10. KRON Andreas Lorentz (LOTTO DSTNY / DEN) 1:26