ツール・ド・九州2023 第1ステージは兒島直樹が前日に続き優勝
10月7日(土)、ツール・ド・九州2023 第1ステージが福岡県の北九州市をスタートして大牟田市にフィニッシュする145kmで行われ、スプリント勝負を制した兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)が優勝した。
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前日の小倉城クリテリウムに続き兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)が優勝
九州初のUCIステージレース「マイナビ ツール・ド・九州2023」がいよいよスタート。第1ステージは北九州市にある北九州メディアドームをスタートし、福岡県内を南下して大牟田市の九州新幹線新大牟田駅前にフィニッシュする145km。途中、3つのスプリントポイントと2級-1級-2級の順に3つの山岳賞が設定される。初日にして今大会最長距離のステージだ。
北九州メディアドームの中、競輪場バンクの内側に設営されたスタートゲートから、午前8時に18チーム104人がスタート。小倉の市街地をパレード走行し、郊外に出たところでリアルスタートが切られた。
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「小倉祇園太鼓」が北九州メディアドームに響き渡る
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北九州メディアドーム内のスタートラインに選手が揃った
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午前8時、18チーム104人がスタート
アタック合戦が続く中、17.9km地点に設定された最初のスプリントポイントに向けてチームブリヂストンサイクリングが隊列を組み、前日のクリテリウムで優勝した兒島直樹が先頭通過。
その直後、横塚浩平(VC福岡)と、モハマド・ヌル・アイマン・モフド・ザリフ(トレンガヌ・ポリゴン・サイクリング・チーム)の2人が抜け出し、追走して合流した寺田吉騎(シマノレーシング)とクレイグ・ウィギンズ (ARA スキップキャピタル)らと共に4人の先頭集団を形成する。
「前日のミーティングで、ポイント賞や山岳賞の直後に緩んだ時は逃げが決まりやすいから、そこでアタックをかけると話をしていた。平地を踏めて上りもある程度上れるメンバーが揃い、ストレスなく回せた」と横塚が言うように、4人は協調してメイン集団との差を2分以上まで広げて先行する。
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photo:ツール・ド・九州2023実行委員会
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photo:ツール・ド・九州2023実行委員会
最初の山岳賞が設定された2級山岳・長谷峠は、モフド・ザリフが先頭でクリア。ここでウィギンスが遅れて3人となる。
82.8km地点の2回目のスプリントポイントは横塚が先頭通過し、90.9km地点の1級山岳・牛鳴峠へ。ここでメイン集団がペースアップし、先行する3人との差を一気に縮めていく。横塚、寺田を吸収し、頂上を先頭通過したモフド・ザリフも吸収して集団はひとつに。この動きで30人ほどまで絞られてコース終盤に向かう。
125.6km地点に設定された最後のスプリントポイントは山本元喜(キナンレーシングチーム)が先頭通過。その後ダン・ガ ードナー(ボルトンエクイティース・ブラックスポーク)と、ケイン・リチャード(ARAスキップ・キャピタル)の2人が抜け出し、30秒ほどの差をつけて先行する。しかし最後の2級山岳・オレンジロードの上りで集団が吸収し、25人の集団でのスプリント勝負に持ち込まれた。
集団先頭でフィニッシュ前に現れたのは、前日の小倉城クリテリウムで優勝した兒島。トレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチームの2人が左右から挟むように迫るも先頭のままフィニッシュ。「地元を通るステージですごく気合が入っていた」と言う兒島は、応援団と共に駆けつけた父の前でステージ優勝を決めた。
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集団先頭で突進する兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)
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前日の小倉城クリテリウムに続き兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)が優勝
「試走した時から、最後のオレンジロードの上りで残ることが出来れば勝機があると思っていた」と言う兒島。小倉城クリテリウムではチームメイトのアシストを受けての勝利だったが、今度は単騎でのスプリントでも勝って見せた。
「オレンジロードを過ぎて残るのは体重の軽い上れる選手の割合が多くなるだろうと予想していた。下りきったあと、2人が先行していたが、誰かが追うまで我慢し、それに飛びついて3番手からスプリントした。昨日クリテリウムで勝っているから、ここで負けるわけにはいかないと思い、最後まで踏み切った。2連勝できるとは思っていなかったけれど、地元で勝てて素直に嬉しい」と、兒島は最後の局面を振り返りつつ連勝を喜ぶ。
チームの目標は、ブリヂストンがジャージスポンサーとなるポイント賞の獲得。総合首位のリーダージャージを獲得した兒島だが、「明日の第2ステージは厳しい上りがあるので難しいレースになると思う。タイムアウトにならないよう完走し、3日目に備えたい」と、ポイント賞の維持に意気込みを見せた。
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兒島直樹の応援団が駆けつけた。左から2人目が兒島の父。
マイナビ ツール・ド・九州2023 第1ステージ結果(145km)
1位 兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング/日本)3時間18分48秒
2位 ジャンバルジャムツ・セインベヤール(トレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチーム/モンゴル)+0秒
3位 ユーセフ・レグイグイ(トレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチーム/アルジェリア)+0秒
4位 レオネル・キンテロ・アルテアガ(ヴィクトワール広島/ベネズエラ)+0秒
5位 ジェームス・オーラム(ボルトンエクイティース・ブラックスポーク/ニュージーランド)+0秒
6位 孫崎大樹(キナンレーシングチーム/日本)+0秒
7位 ダン・ガードナー(ボルトンエクイティース・ブラックスポーク/イギリス)+0秒
8位 ヴィクトール・ヴェルクィイ(ボルトンエクイティース・ブラックスポーク/ベルギー)+0秒
9位 ネイサン・アール(JCLチーム右京/オーストラリア)+0秒
10位 ベンジャミン・ダイボール(ヴィクトワール広島/オーストラリア)
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総合首位のリーダージャージを獲得した兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)
個人総合順位
1位 兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング/日本)3時間18分35秒
2位 ジャンバルジャムツ・セインベヤール(トレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチーム/モンゴル)+7秒
3位 ユーセフ・レグイグイ(トレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチーム/アルジェリア)+9秒
4位 フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ/スペイン)+11秒
5位 ウィリアム・イーブス(ARAスキップ・キャピタル/オーストラリア)+12秒
6位 レオネル・キンテロ・アルテアガ(ヴィクトワール広島/ベネズエラ)+13秒
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赤いポイント賞ジャージの獲得はチームブリヂストンサイクリング最大の目標
ポイント賞
1位 兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング/日本)28p
2位 ジャンバルジャムツ・セインベヤール(トレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチーム/モンゴル)20p
3位 ユーセフ・レグイグイ(トレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチーム/アルジェリア)16p
山岳賞
1位 モハマド・ヌル・アイマン・モフド・ザリフ(トレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチーム、マレーシア)17p
2位 ベンジャミ・プラデス・レヴェルテ(JCLチーム右京)11p
3位 留目夕陽(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム、日本)10p
チーム順位
1位 ボルトンエクイティース・ブラックスポーク 9時間56分24秒
2位 キナンレーシングチーム +0秒
3位 ヴィクトワール広島 +0秒
マイナビ ツール・ド・九州2023
UCIアジアツアー2.1(ステージレース クラス1)
開催期間:2023年10月6日(金)~10月9日(月・祝)
小倉城クリテリウム(約45km)
2023年10月6日(金)福岡県北九州市
第1ステージ:福岡ステージ(約144km)
2023年10月7日(土)北九州 〜 大牟田
第2ステージ:熊本阿蘇ステージ(約108km)
2023年10月8日(日)南小国 〜 南阿蘇
第3ステージ:大分ステージ(約129km)
2023年10月9日(月)日田 〜 日田
参加チーム:国内外18チーム
主催:ツール・ド・九州2023実行委員会(一般社団法人ツール・ド・九州)
https://www.tourdekyushu.asia
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photo:ツール・ド・九州2023実行委員会