東京五輪レガシーコースで、海外勢が本気の勝負を見せた! ジャパン・マウンテンバイク・カップ 2023

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2023年10月21~22日に、日本サイクルスポーツセンター(伊豆市)にて、第2回ジャパン・マンテンバイク・カップが開催された。

国内で行なわれるマウンテンバイク競技としては、やわたはま国際(HCクラス)に次ぐUCIクラス1イベントとして、UCIポイントが獲得できる今大会。

東京オリンピックで使用されたMTBコースは、部分的に開放されていたものの、フルコースイベントは昨年の全日本選手権以来ということで、アトランタ五輪代表の小林可奈子さん率いるMTBクラブ安曇野のメンバーが中心となって整備を行ない、国際大会に相応しい舞台を整えた。

 

女子エリート

昨年に続きレベッカ・ヘンダーソン、フィリピンチャンピオンのシェイン・ヤオヤオが来日。これに全日本チャンピオンの小林あか里を含む日本選手7名がエントリーした女子エリート。

スタート1時間前に周回数が5周から6周に変更されたものの、大きな混乱もなく11時30分にレースは開始。

1周目のショートループこそヘンダーソン、小林、ヤオヤオの3人だったものの、フルコースに入るとすぐにヤオヤオが脱落。ヘンダーソンと小林が順位を入替えながら周回を重ねるが、ヘンダーソンがじわじわと差を広げ、15分20秒台で周回を重ねフィニッシュ。約40秒遅れて小林。3位ヤオヤオまでが同一周回となった。

ジャパン・マウンテンバイク・カップ 2023

やや慎重にレースに入ったヘンダーソンを引き連れ、小林がオープニングラップを制する

ジャパン・マウンテンバイク・カップ 2023

「XCCはまあまあ、XCOはダメね」と今季の反省を口にしたヘンダーソンだがトップ10は維持。

ジャパン・マウンテンバイク・カップ 2023

アジア大会での不調から回復。安定感のあるレース運びを見せた小林

 

男子エリート

昨年の優勝者ユーリ・ザノッティ、2022年U23世界選2位のマティス・アザーロ、東京五輪12位のフィリッポ・コロンボという、ワールドカップでもトップ20に入る実力を持つライダーが来日。

国内勢は翌週にアジア選手権を控える、全日本チャンピオンの北林力、昨年2位の平林安里、同5位の宮津旭ら日本代表が参戦。ディフェンディングチャンピオンのザノッティはバゲージロストに遭い、バイクが出来上がったのは土曜の夕方となったが、特例で約2時間の練習が許可され「バイクは問題ない」とレース当日を迎えた。

7周回のレース、オープニングラップを先頭で通過したのは平林安里。昨年同様、海外勢を引き連れて首位を快走するが、フィードゾーンの折り返しでアザーロとザノッティが前に出る。さらにやや距離を置いて走っていたコロンボと北林が合流。5人で先頭グループを形成する。

先頭に立ったアザーロが、上りセクションでペースをあげると平林が離れる。さらにコロンボが2位に浮上して昨年より20秒ほども早いペースでラップを重ねると、北林が遅れだす。

3周目にしてラップ遅れを生み出しながら走る3人だったが、5周目のタイトな上りでアザーロがコロンボをパス。コロンボも遅れず追走。

決着はゴールスプリントに持ち込まれるが、右に降ったコロンボはわずかに届かず、アザーロが優勝。3位にザノッティ。4位に北林という結果となった。

ジャパン・マウンテンバイク・カップ 2023

竹内遼とアザーロを先頭にスタートループに向かって行く

ジャパン・マウンテンバイク・カップ 2023

2人によるスプリント勝負。ホイール1つ分の差でアザーロが逃げ切る

ジャパン・マウンテンバイク・カップ 2023

「フィリッポを抜くならあそこしかないと思った。あとはオールアウトで耐えたよ」というアザーロ

ジャパン・マウンテンバイク・カップ 2023

パリ=ルーベで負ったケガから復調。UCIポイントを得るために全力を尽くしたというコロンボ

ジャパン・マウンテンバイク・カップ 2023

バイクどころか荷物一式が届かず、土曜に1時間半ほどしか練習できなかったザノッティだが「みんなの応援が嬉しかった」

ジャパン・マウンテンバイク・カップ 2023

序盤は欧州勢にくらいついた北林だが、アザーロとコロンボの加速に遅れを取り4位フィニッシュ。

ジャパン・マウンテンバイク・カップ 2023

男子エリート表彰式は川勝静岡県知事とS-MTBクラブのキッズも登壇

 

女子U23

ジャパン・マウンテンバイク・カップ 2023

2連覇のクワンクワン(香港)は昨年よりラップタイムを2分も更新!

 

男子U23

ジャパン・マウンテンバイク・カップ 2023

長身を活かしたダイナミックな走りを見せた柚木がU23を独走で制した

 

男子ジュニア

ジャパン・マウンテンバイク・カップ 2023

TV取材も入った男子ジュニア。アジアチャンピオンの高橋翔がレースを支配

 

男子ユース

ジャパン・マウンテンバイク・カップ 2023

野崎然新は土曜の練習で負傷しながらも、圧倒的なレース運びで優勝。

 

女子ユース

ジャパン・マウンテンバイク・カップ 2023

唯一の女子ユース参加者だった日吉だが、枯山水などテクニカルセクションでの速さが際立っていた

 

 

大会リザルト

男子エリート

1位 マティス・アザーロ(ROCKRIDER FORD RACING)1:21:47.34

2位 フィリッポ・コロンボ(SCOTT-SRAM MTB RACING)+0.24

3位 ユーリ・ザノッティ(Team BMC)+1:52.10

 

女子エリート

1位 レベッカ・ヘンダーソン(PRIMAFLOR MONDRAKER GENUINS RACING)1:31:57.46

2位 小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)+39.50

3位 シェイン・ヤオヤオ(フィリピン)+15:35.86

 

女子U23

1位 ツィー・クワン・クワン(香港)1:24:89

 

男子U23

1位 柚木伸元(日本大学)1:19:44.33

2位 高本亮太(立命館大学)+6:00.71

3位 岡山優太(MASAYA YOUNG RIDERS)+7:27.18

 

男子ジュニア

1位 高橋翔(TeensMAP)1:06:42.06

2位 内野友太(Q-SHU Union・CJ Unit)+48.27

3位 古江昂太(FUKAYA RACING)+2:51.06

 

男子ユース

1位 野崎然新(弱虫ペダルサイクリングチーム)39:32.42

2位 垣原弘明(RACING TORQUE)+2:49.88

3位 中山道脩毅(DreamSeeker Jr. Racing) +3:37.78

 

女子ユース

1位 日吉彩華(Limited Team 846まるいち)49:10.21

 

 

JAPAN MOUNTAINBIKE CUP 2023
ジャパン・マウンテンバイク・カップ2023

開催日:2023年10月22日(日)

会場:日本サイクルスポーツセンター 伊豆マウンテンバイクコース
〒410-2402 静岡県伊豆市大野1826番地

競技種目:クロスカントリー・オリンピック(XCO)

主催:ジャパン・マウンテンバイク・カップ実行委員会

主管:一般社団法人ふじのくにサイクルスポーツコミッション

競技主管:一般社団法人静岡県自転車競技連盟

共催:静岡県、伊豆市、伊豆の国市、伊東市

協力:公益財団法人日本自転車競技連盟 / 一般社団法人日本サイクルスポーツセンター

http://www.japanmtbcup.com