2023さいたまクリテリウム クースとの一騎打ちでポガチャルが勝利!
目次
暖かい気候下でのツールの祭り
11月5日、埼玉県さいたま市にて9回目となるさいたまクリテリウムが行われた。雨という予報もあったが当日は曇りのち晴れで、気温も11月らしからぬ23度と、暖かい気候となった。
さいたまスーパーアリーナにて、12時25分からはオープニングセレモニーや選手紹介が行われた。
14時25分からは女子選手、男子ジュニア選手、パラサイクリング選手による個人タイムトライアルが行われた後、クリテリウムメインレース出場チームによるチームタイムトライアルが行われ、バーレーン ヴィクトリアスが3.1㎞の距離を3分42秒42で走り切り優勝を飾った。
スターぞろいのクリテリウム
クリテリウムメインレースは、14時55分にコクーン前をスタート。2、6、10、14周目のスタート/フィニッシュラインではスプリントポイントが、4、8、12、16周目のアンダーパスを上った先には山岳ポイントが設定された。
1周目に早速、ツール・ド・フランス クリテリウム レジェンズとして参戦したクリストファー・フルーム含む4人の逃げグループが行ったが、次の周のスプリントポイントでは集団が追いつき、同チームのマーク・カヴェンディッシュが先着。
その後、山岳賞ジャージを着るジューリオ・チッコーネ(リドル・トレック)含む数名の逃げが飛び出し、チッコーネが山岳ポイントを追加していく。
その後も何度か逃げグループはシャッフル。2回目、3回目のポイント賞を共に先頭通過したカヴェンディッシュが残り1回のスプリントポイントを残しながら今回のポイント賞を確定させた。
終盤に入る頃、アンダーパスを抜けたところで、フルームを先頭にして後ろから横山航太(シマノレーシング)、エガン・ベルナル(イネオス・グレナディアズ)がつく。
そのまま3人で進めるが、残り4周の半分ほどで横山が遅れると、後ろからペテル・サガン(ツール・ド・フランス クリテリウム レジェンズ)が単独で先頭のフルームとベルナルに追いつくとさらに追い越した。
残り2周に入ってもサガンは単独先頭のまま。UAEチームエミレーツが牽引していた集団からは、新人賞ジャージを着用するタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)とブエルタを勝ったセップ・クース(ユンボ・ヴィスマ)が抜け出し、サガンに合流。先頭は3人となった。集団はバーレーン ヴィクトリアスやリドル・トレックが牽引を開始。
残り1周に入ったアンダーパスの山岳賞の上りでクースがアタック。ついていったのは、ポガチャルのみで、サガンは離れた。
2人のまま最後のアンダーパスをくぐり、ポガチャルが前に出る。そのままフィニッシュラインを先頭で切ったポガチャルが高々と両手を掲げた。2位はクース、3位は集団から逃げ切ったサガンとなった。
タデイ・ポガチャル コメント
▪️レースを終えての感想?
とても気分がいいです。さいたまで勝つことができてうれしいです。
▪️当初のレースプラン?
最後の方で仕掛けようと思っていました。1回だけアタックを仕掛けようと思っていたので、決まってよかったです。
とても楽しいコースだと思いました。アリーナを通るし、上りもあって良かったです。
▪️今年たくさんのレースがあって、来年も同じような形?
今のところたくさんは埋まっていないですが、来年もたくさん参加して、最初から最後まで頑張りたいです。
▪️今後のグランツールの取り組み方について?
毎年グランツールには参加したいと思っています。ツールは第一優先で、チームのみんなと話し合いながら決めていきたいです。それが僕たちの仕事でもありますし、頑張っていきたいです。
▪️今回初めてさいたまクリテリウムに参加してどんな思い?
ファンのみなさんも全体の雰囲気も良かったし、非常に良かったです。
▪️今日は新人賞ジャージで走ったがどうだった?
この5年間このジャージを着て走ることができて、とても誇りに思っています。
ペテル・サガン コメント
▪️サガンの引退コメント
ここで泣いてほしいなんて言わないでね。これでロードレースのキャリアは区切りをつけるけれど、今後はMTBの方で会いましょう。
マーク・カヴェンディッシュ コメント
▪️今大会非常に笑顔が多かったですが、どれくらい楽しかった?
とにかく楽しかったです。さいたまでは、皆さんに歓迎されているのがわかるので、この経験はいいものだし、この経験が最後になるとは思いません。
▪️来年以降、今後狙うもの?
僕はスプリンターなので、これからも勝つことに集中して、楽しみながらやっていきたいです。これは変わらずこれからも一緒です。アスタナ・カザクスタンのチームと一緒に頑張っていきたいですね。
▪️ポガチャルの今日のパフォーマンスについてどう思った?
彼はとてもエキサイティングで、走ることに対する喜びを感じられたと思います。それがいい結果をもたらしたんじゃないかと思います。
新城幸也 コメント
▪️チームタイムトライアルを優勝した感想?
今回、久しぶりにチームとしての参加でしたので、チームメイトも気合十分で、シンガポールの方は3位だったので、今日は絶対に勝つぞと意気込んでいました。ちゃんと作戦も立てていて、交代する位置とかも厳密に決めていました。
シーズン最後にまた勝てたというのは気持ちがいいですし、チームメイトとさいたまを走れてすごく良かったです。
▪️シンガポールクリテリウムとの違い?
僕はさいたまの方が観客が多く感じますし、周回ほぼ全部埋まっている状態で、ファンの方達の待っている期待感が大きかったです。いろんな選手のグッズだったり国旗だったり自分でグッズを作ってきてくれたり、うちのチームだとペリョ・ビルバオのバスクの旗を持っていたりとか、ファンの皆さんが準備して持ってきているのは日本ならではかなと思います。
▪️来年、パリオリンピックに向けての意気込み
いろんな競技でパリオリンピックの代表選考が行われていて、日本も1枠あるということで、僕が選手できる期間もカウントダウンに入っているんでしょうけど、自分からやめることはないんですが、来年はパリということで、フランスは僕の第二の故郷ですので、東京オリンピック同様気合が入っています。これがたぶん最後のオリンピックのチャンスだと思うというのもあるので、個人的にはパリオリンピックですけど、チームの期待に答えられるというのが一番なので、この何年やってきたプロ生活の総結集というか、チームのためにチームの期待以上のことをして、また選手が続けられるように思ってますし。終わるつもりはないので、来年は僕にとって大事な一年になることはたしかなので、気を引き締めて頑張りたいです。
2023さいたまクリテリウム リザルト
1位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)1時間23分3秒
2位 セップ・クース(ユンボ・ヴィスマ)+1秒
3位 ペテル・サガン(ツール・ド・フランス クリテリウム レジェンズ)+16秒
スプリント賞
マーク・カヴェンディッシュ(ツール・ド・フランス クリテリウム レジェンズ)
山岳賞
ジューリオ・チッコーネ(リドル・トレック)
新人賞
タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)
敢闘賞
クリストファー・フルーム(ツール・ド・フランス クリテリウム レジェンズ)
最優秀チーム賞
ユンボ・ヴィスマ
最優秀日本人チーム賞
愛三工業レーシングチーム
J:COM presents 2023 ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム
(J:COM presents 2023 Tour de France SAITAMA Criterium)
開催日:2023年11月5日(日)
会場:埼玉県・さいたま新都心駅周辺