女子Qリーグ、中学生Nリーグ2023-2024第12戦ウインターサイクルマラソンinそでがうら・レポート

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11月18日(土)、千葉県袖ケ浦市・袖ケ浦フォレストレースウェイにおいてサイクルロードレースの女子リーグ「クイーン・リーグ(Qリーグ)」、中学生リーグ「ニュー・エイジ・リーグ(Nリーグ)」2023-2024シーズン第12戦「ウインターサイクルマラソン inそでがうら2023」が、そして翌日の19日(日)に神奈川県大磯プリンスホテル内特設会場において第13戦「大磯クリテリウム第2戦」が連日開催された。

このうち「ウインターサイクルマラソン inそでがうら 2023」の模様をお届けする。

QNリーグ2023-2024第12戦ウインターサイクルマラソン

中学生クラス、現ポイントリーダー落合(写真中央)をマークしながら積極的にレースは展開された photo: Yosuke SUGA

 

連戦初日となった今大会は夏と冬の年2回、千葉県は袖ヶ浦フォレストレースウェイで開催される恒例のロードレースとなっており、特に冬の大会ではエンデューロだけでなくサイクルマラソンも開催されている。

リーグでは初のシリーズ戦組み入れとなり、Nリーグ中学生男子Nは中学生クラス、中学生女子NWはレディースクラス、そしてQリーグは長い距離のレースに挑戦してもらえるように2時間エンデューロを対象の設定とした。

朝から風が非常に強く寒い中、普段は自動車のサーキットとして利用されている1周回=2.4kmのコースで朝7時半から安全講習も兼ねたサイクルクリニックでスケジュールは開始した。

 

Nリーグ中学生男子Nはバトルマリンジャージの落合が勝利

レースはNリーグ中学生男子Nの対象となる「中学生クラス」から開始。朝8時15分という早い時間のスタートに合わせて、寒い中ではあるが11人の選手たちがコースに並ぶ。バトルマリンジャージを着る、現在Nリーグ男子Nポイントリーダーの落合隼を中心に、Nリーグランキング上位選手や有望選手たちの顔もそろい、今レースでも熱い走りが予想された。

QNリーグ2023-2024第12戦ウインターサイクルマラソン

朝8時過ぎという早朝の冷え込みの中、スタートに並ぶ中学生クラスの参加選手達 photo: Yosuke SUGA

 

定刻スタートしたレースは5周回=12km。まずは大きな集団となって進む。強烈な追い風のホームストレートを勢いよく走り抜けていく集団は、2周目には9人となる。積極的に集団の先頭に出て動くのは、現在Nリーグランキング 2位となっている渡邉公太(ブラウ・ブリッツェン U15)、そしてランキング11位の柬理日楠詩(Teams FITTE)。

その動きにつられるように、最終周回に入ると集団は6人にまで絞られる。この周回では、ホームストレートの反対側で向かい風となる緩い登坂区間で1回、落合が先行するも3人ほどが追走し、再び1つの集団に。

QNリーグ2023-2024第12戦ウインターサイクルマラソン

積極的に前を引く柬理(先頭)と、その動きを冷静に判断する落合(前から 3人目)photo: Yosuke SUGA

QNリーグ2023-2024第12戦ウインターサイクルマラソン

時々揺さぶりをかけるが、しっかりとマークされ動きづらい様子の落合(先頭)photo: Yosuke SUGA

 

このため決勝はゴールスプリントになるか?と思った瞬間、最終コーナーの立ち上がりで追い風を受けた勢いを使って、単独でアタックしたのはバトルマリンジャージの落合! ホームストレートをグングンとスピードを上げて、後続に4車身ほど先行しゴールをガッツポーズで決めた。

後続集団の残り5人は落合の勢いで崩壊し、渡邉が2位でゴールしランキング2位を守った。残り5人に入っていた岡田來毘(ブラウ・ブリッツェン U15)が5位となりランキング3位に上昇、さらに積極的な走りを見せた柬理は6位となり、ランキングを11位から一気に8位へジャンプアップすることに成功した。

QNリーグ2023-2024第12戦ウインターサイクルマラソン

非常に難しいレース展開だったが、見事に組み立て勝利を獲得!バトルマリンを守った落合 photo: Yosuke SUGA

QNリーグ2023-2024第12戦ウインターサイクルマラソン

惜しくも2位となったが中学1年生にして、数々のレースで好結果を残す渡邉は今後も要注目 photo: Yosuke SUGA

 

落合はポイントリーダー授与式で、風の強いなかのレースで難しかったのでは?という質問に対して「向かい風での動きは先頭交代しながら協調して集団が動いていました。そのなかで自分は脚を残してチャンスを見てました」と、相変わらず冷静な判断をコメント。

さらに翌日の大磯クリテリウムに関して「このポイントリーダージャージを着ているのでやはり勝ち続けていきたい」と強い意気込みを表明。

QNリーグ2023-2024第12戦ウインターサイクルマラソン

朝早く寒かったうえに強風という厳しいコンディションであったが、集中力を切らさず優勝した落合 photo: Yosuke SUGA

 

Nリーグ中学生女子NWは岡田と小田島が直接対決

続く9時10分からはNリーグ中学生女子NWが対象となる「レディースクラス」のスタート。こちらは「小学生チャンピオンクラス」との時差スタートでレース進行となる。

4周回=9.6kmのレースは、エントリー2人という一見、寂しいものではあるが、1人は現在 Nリーグ女子 NWポイントリーダーの岡田愛裕來(ブラウ・ブリッツエン U15)、もう 1人が現在ランキング 2位の小田島寛奈(#1.PRIMERA-)の直接対決という構図。リーグランキング争いを通じて、2人の走りを知っている者にとっては十分に見応えのあるレース展開となった。

QNリーグ2023-2024第12戦ウインターサイクルマラソン

レディースクラスのスタートを待つポイントリーダー岡田(左)、とランキング 2位につける小田島(右) photo: Yosuke SUGA

 

さまざまなリーグ対象レースで、お互いの走りを知っているライバル同士ということもあり、ゴール後に岡田が「2人きりだったので、特に向かい風ではお互いに意識しながらのレースで難しかったです」とコメントするように、先頭交代をしながらアタックをかけるタイミングを図りながら周回を重ねた。

QNリーグ2023-2024第12戦ウインターサイクルマラソン

スタートからお互いを意識して動く岡田(左)と小田島(右) photo: Yosuke SUGA

QNリーグ2023-2024第12戦ウインターサイクルマラソン

先頭交代をしながら、風が強い中で周回を重ねていく photo: Yosuke SUGA

 

「たった 2人の闘いになったので、最後の 1周が勝負どころだと感じてました」という岡田。

その残り 1周に動きが!先ほどの中学校クラスのレースでも動きがあった、ホームストレートの反対側、向かい風の立ち上がりで岡田が先行しているなか、少し下がっていた小田島が岡田を追い抜く速度差を利用して、一気にアタックをかけた。

QNリーグ2023-2024第12戦ウインターサイクルマラソン

最終周回、見事なタイミングでアタックを決めた小田島 photo: Yosuke SUGA

QNリーグ2023-2024第12戦ウインターサイクルマラソン

先行した小田島の背中を追いかけた岡田はゴールまで諦めずに踏み続けた photo: Yosuke SUGA

 

まるで教科書のように華麗なアタックをかけ、19秒のタイム差をつけ優勝した小田島に対して岡田は「完全にパワー負けしてしまいました。最後まで小田島選手には付いて行きたかった」と、とても残念そうにコメント。

しかし、下を向いているばかりではない。しっかりと「翌日の大磯クリテではパワーをかけて頑張りたいです。その後も先頭集団に残って優勝目指して頑張りたいです!」」と目標を明確に教えてくれた。

QNリーグ2023-2024第12戦ウインターサイクルマラソン

表彰式では優勝ジャージを獲得した小田島(左)とバトルマリンジャージ岡田(右)の笑顔が並んだ photo: Yosuke SUGA

 

Qリーグ対象レースは強風のためリーグ登録選手が不参加に

この「そでがうら」冬の大会は午前中にクラス別のロードレースを開催し、昼前からサイクルマラソンやエンデューロレースがスタートする。

Qリーグ対象レースとなっていた「2時間エンデューロ」は、強風のためアクアライン通行止めとなってしまいリーグ登録選手が不参加に。他のレースにおいても、強風の影響などで参戦が叶わなかった選手もいたが、安全管理を十分におこなった会場のおかげで大きなアクシデント無くレースを終了することができた。

特に冬になると、多くのライダーとともに長い距離を走る機会が作りづらくなるが、このような「ウインターサイクルマラソン inそでがうら」のような機会を利用して、仲間に声掛けをして参加することで無理のないペースで走りながらロードレースシーズンの締めくくりにし、来シーズンの準備や意欲向上の場にしてもらえれば何よりである。

QNリーグ2023-2024第12戦ウインターサイクルマラソン

前日設営から強風対策をおこない、レース当日は大きなアクシデントなく無事に大会を終えた photo:QNリーグ事務局

QNリーグ2023-2024第12戦ウインターサイクルマラソン

昼からのサイクルマラソンやエンデューロでは、多くのマトリックス主催レースファンが集った photo:QNリーグ事務局

 

次のリーグシリーズ第13戦は今大会翌日の11月19日(日)、神奈川県大磯プリンスホテル内特設会場で開催の「大磯クリテリウム第 2戦」(レースレポートは近日公開)へと続く。 その後は第14戦が年明け2月18日(日)「大磯クリテリウム第5戦」となり、最終戦が3月3日(日)千葉県成田市・下総運動公園で開催の「しもふさクリテリウム 3月」で、いよいよ今シーズン2022-2023の年間総合ポイントリーダーが決定する。

 

ポイントリーダー(11/18時点)

QNリーグ2023-2024第12戦ウインターサイクルマラソン

武田レッグウェアー株式会社「RxL賞」目録パネルを受け取り笑顔の落合 photo: Yosuke SUGA

QNリーグ2023-2024第12戦ウインターサイクルマラソン

アイリス株式会社「EXLUB賞」の授与コメントに応える岡田 photo: Yosuke SUGA

QNリーグ2023-2024第12戦ウインターサイクルマラソン

今後もQリーグ、そしてNリーグの選手達の成長と活躍にぜひ注目してほしい photo: Yosuke SUGA

 

 今大会のポイントリーダー授与式では、ビオレーサーより「アメジストジャージ」「バトルマリンジャージ」各リーダージャージが提供された。

また、Qリーグは株式会社隼より「アスリチューン Qリーグポイントリーダー賞」、Nリーグ中学生男子Nは武田レッグウェアー株式会社より「RxL Nリーグ中学生男子ポイントリーダー賞」、Nリーグ中学生女子NWはアイリス株式会社より「EXLUB Nリーグ中学生女子 NWポイントリーダー賞」が、それぞれ提供され授与された。

QNリーグ2023-2024第12戦ウインターサイクルマラソン

アスリチューン賞 Qリーグ(高校生以上女子)リーダー:根本香織(Team一匹狼)・188pランキング
2位:蒲原琴音(Team一匹狼)・55pランキング
3位:小田恵利花(フィッツ)・28p

 

RxL賞 Nリーグ・N(中学生男子)リーダー:落合隼・168pランキング
2位:渡邉公太(ブラウ・ブリッツエン U15)・122pランキング
3位:岡田來毘(ブラウ・ブリッツエン U15)・85p

 

EXLUB賞 Nリーグ・NW(中学生女子)リーダー:岡田愛裕來(ブラウ・ブリッツエン U15)・159pランキング
2位:小田島寛奈(#1-PRIMERA-)・112pランキング
3位:西山千智(High Ambition女子サイクリングアカデミー)・60p

※ランキングにおいて同点者が出た場合、最新のレース着順が優位の選手を上位とする。

※最終戦終了時において、同点者が出た場合は、最終戦直前のランキングで優位の選手を上位とする。

 

<レポート概要>
写真撮影:Yosuke SUGA、QNリーグ事務局
テキスト:須藤むつみ(QNリーグ事務局)
協力:サイクルロードレース協会東日本(MATRIX)
*ウインターサイクルマラソン inそでがうら 2023公式ホームページ
https://winter-sodegaura.powertag.jp/

 

QNリーグの今シーズンあと僅か2戦となっています。
第14戦は年明け2024年2月18日(日)「大磯クリテリウム第5戦」
https://walkride-cycling.info/hakone-hc-top/

そして最終戦は 2024年3月3日(日)の「しもふさクリテリウム 3月」となっています。
※レース詳細情報は近日公開!

Qリーグ全15戦、Nリーグ全13戦のシリーズ戦を経て、最後に年間総合ポイントリーダーとなるのは誰か?乞うご期待ください!
http://www.jbrain.or.jp/q-n-league/race-profile.html

Qリーグ・Nリーグの登録はこちらから。
各対象レース開催日の3日前まで登録完了すればポイントランキングに反映。今後も女子とジュニアが活躍するリーグにご声援のほどよろしくお願いします!
https://moshicom.com/83733/