南仏の育成クラブチーム「NIPPO・EF・マルティーグ」が所属選手を発表

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NIPPOとEFエデュケーションファーストがメインスポンサーを務めるサイクルロードレースの育成チーム「NIPPO-EFMartigues(NIPPO・EF・マルティーグ)」が所属選手を発表した。

チームのスローガンは「選手の成長と国際競争力を学ぶための意識改革」。

NIPPO・EF・マルティーグは、2024年に新しく誕生するフランス登録のクラブチームで、日本人選手は7名が所属し、8カ国から19選手が集う国際色豊かなチーム構成になる。また3名のU23カテゴリー1年目の日本人選手をはじめ、所属選手の大半がU23カテゴリーの成長期のメンバーで占められ、世界のトップカテゴリーをめざす育成チームとして相応しい布陣となっている。

NIPPO・EF・マルティーグ 2024シーズン

NIPPO・EF・マルティーグは、1月下旬からスペインにてトレーニングキャンプを実施。初戦は2月10日~14日フランスで開催されるステージレース「Boucles du Haut-Var」となり、2月15日には地元南フランス・マルティーグにてチームプレゼンテーションが予定されている。

昨今、急速なレベルアップを遂げている欧州のU19、U23世代。その世界の最前線でのレース活動を行うべく、チームは、フランスやヨーロッパのレースカレンダーと向き合って行くことになるが、日本国内で開催されるUCIレース(クラス2)への参加も目指す。

また2024年度ナショナルチームの該当メンバーについては、高体連を含むJCFの強化方針を尊重しながら、必要に応じて派遣、ならびにメカニックやマッサー等のスタッフの派遣も積極的に実施していく予定。

 

NIPPO・EF・マルティーグ 2024シーズン 所属選手

※年齢は2024年1月6日現在

Noah BLANNIN (オーストラリア、18歳/U23-1年目)

Jules CHATELON (フランス、20歳/U23-3年目)

Dorian DURAND (フランス、19歳/U23-2年目)

Gregory DURANDO (フランス、24歳/エリート)

Kazuma FUJIMURA/藤村一磨(日本、18歳/U23-1年目)
*宮崎県都城工業高校卒業見込み

Jo HASHIKAWA/橋川 丈(日本、20歳/U23-3年目)

Seiya IWATA/岩田聖矢(日本、20歳/U23-3年目)
中央大学在学中

Oskari KOLEHMAINEN (フィンランド、21歳/U23-4年目)

Jose MARIN ARAGON (スペイン、22歳/エリート)

Martin MARINOV(ブルガリア、20歳/U23-3年目)

Neriah MEUNIER SOW (フランス、18歳/U23-1年目)

Satoaki NAGASHIMA/長島慧明(日本、18歳/U23-1年目)
*京都府北桑田高校卒業見込み

Lucas SALOMON(フランス、27歳/エリート)

Conal SCULLY (アイルランド、20歳/U23-2年目)

Masao SHIMAZAKI/島崎将男(日本、18歳/U23-1年目)
*北海道帯広南商業高校卒業見込み、4月から中央大学に進学予定

Yugi TSUDA/津田悠義(日本、21歳/U23-4年目)

Takami UCHIDA/内田宇海(日本、23歳/エリート)

Ventsislav VENKOV (ブルガリア、23歳/エリート)

Pawel WIECZKOWSKI (ポーランド、19歳/U23-2年目)

*3名の日本人選手は現在高校在学中、卒業後に正式にチームに加入する予定です。

 

日本人選手のコメント

●藤村一磨
「ジュニア時代からNIPPO-S.U.A.プロジェクトでヨーロッパのレースを走り、ヨーロッパでプロ選手になりたいという目標ができました。今シーズンはシーズンを通してヨーロッパで活動し、フランスナショナルレースとUCIレースを中心に走る予定です。同世代の色々な国の選手と切磋琢磨し、レースや練習に取り組めることが、とても楽しみです。自分にとって大きな挑戦で、成長する機会です。チームメイトとしっかりとコミュニケーションをとって、チームに貢献できるように頑張ります!」

●橋川 丈
「再び世界に挑戦するチャンスを頂きとても感謝しています。今年はU23の3年目になるので、これまで以上に成長した姿をアピールしていきたい。よりアグレッシブにレースを展開し、ヨーロッパでUCIポイントを取れるように頑張ります」

●岩田聖矢
「ヨーロッパで活動するチームに加入し、挑戦できることを大変嬉しく思います。U23カテゴリー3年目になるので少し焦ってますが、『ヨーロッパでプロ選手になる』という高校時代からの目標のために、結果を求めて貪欲に取り組んでいきたいと思います」

●津田悠義
「再びヨーロッパの舞台で走れることに感謝しています。年々、世界のトップクラスで活躍する選手の年齢が低くなってきていて、僕にとってはU23最後の年ということもあり、もちろん焦る気持ちもありますが、決して諦めることなく、一戦一戦ていねいにレース、チームメイトと向き合い、強い気持ちを持って戦ってきます。まずは確実に一勝し、手応えを感じ、さらにステップアップするチャンスを掴めるように取り組んでいきたいと思います」

●長島慧明
「今回このようなチャンスを頂き感謝しています、自分の夢でもあるワールドツアー選手になるために、このチームで結果を残せるように全力で頑張ります」

●島崎将男
「ついに今シーズン、ヨーロッパで走る夢が叶います。過去を振り返ると、最初は地元のレースですら勝つことができなかった僕ですが、昨年はインターハイで優勝し、今ではヨーロッパに挑戦する選手になれたことをとても嬉しく思います。今はただ、新しい世界に挑戦できることが楽しみで仕方がないです。常に上を目指すハングリーな走りができるよう2024シーズンは挑戦と成長の年にしたいと思います」

●内田宇海
「エリート2年目で後がないなか、人生2度目のフランス遠征をこんなにも早く実現でき、大変楽しみで嬉しく思います。頂いたチャンスを物にするため、全身全霊で勝ちを目指して走ります!」

 

大門 宏監督コメント

拠点がフランスの自治体組織のチームとはいえ、メンバーが20名弱と一見大所帯に見えるが、おもにフランス国内のナショナルレースを主戦場にするエリートを含むフランス人、ヨーロッパ人のグループと、基本的にフランス国内、国外のU23を含むUCIレースを転戦するグループを前提とする2グループ体制の布陣であり、そのためには妥当な人数構成と考えている。

日本人メンバーは、まずはフランス国内のナショナルレースを走りながら、力量や成長に合わせてフランス国内、国外のUCIレース(U23)にも積極的に参戦していきたい。なお、年間数レース予定されているDNのCoupe de Franceでは、FFCルールでEU圏外の選手に人数制限があるため、橋川と津田の登録を予定している。しかしながら、彼らにとっても基本的にはU23のレースへの参戦を優先的に考えている。

今春に晴れて高校を卒業する有力なメンバーも迎えることになるが、彼らには、社会に相応しい大人として成長していくために、自転車競技だけでなく、言語を始めとして色々なことを学ぶ環境も整えていきたい。

TEAM NIPPOにとって、今年はヨーロッパに活動の場を求めて30年目の節目のシーズンを迎える。これまで多くの方々に支えて頂きながら様々な沿革を経て、今日に至っているが、近年は多くの可能性を秘めた情熱と才能に溢れる日本人選手からの要望を検証し「成長を促進する環境」を構築するスタイルに変貌を遂げつつある。

3年目を迎える日本のU19の中長距離選手を対象としたヨーロッパでのレース体験サポート「TEAM NIPPO-S.U.A.プロジェクト」も引き続き継続するが、今年は南フランスの拠点をU23のメンバーと共有していき、これまで以上に滞在中の生活環境を整えられるように準備をしている。

今シーズンは、もう一つの大きな試みとして、近年日本国内でU19、U23の活動を中心に様々な自転車競技を通した環境作りを推し進める「弱虫ペダルサイクリングチーム」とともに、育成活動の一端を担っていきたい。我々の日本人メンバーもJBCFに登録しながら、佐藤GMとともに提携を図っていきたい。

もちろんNIPPO・EF・マルティーグの主な活動は海外になるため、JBCFカレンダーへの参戦スケジュールは非常に限定的なものになるが、JBCF主催のレースを通して、おもにU19、U23を対象として常に国際競争力を意識した改革に取り組んでいく。

国際競争力を養うためにも意識改革は重要な課題。一歩先の目標に向けて、選手の成長に繋がる事なら何でもJBCFのメンバーとも共有しながら、長期計画で取り組んでいきたいと思っている。

 

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