ジロ・デ・イタリア2024開幕第1ステージはナルバエスが優勝

2024.05.05
レース

photo LaPresse

2024年シーズン最初のグランツールとなる第107回ジロ・デ・イタリア（ＵＣＩワールドツアー）が、5月4日にイタリア北西部ピエモンテ州で開幕した。

ナルバエスがゴールスプリントでポガチャルを打ち負かした (photo : LaPresse)

初日はヴェナリア・レアーレからトリノまでの140kmで丘越え区間の第1ステージを競い、エクアドルチャンピオンのジョナタン・ナルバエス（イネオス・グレナディアズ）が3選手でのゴールスプリントを制して区間優勝し、最初のマリア・ローザを獲得した。

区間2位はドイツのマクシミリアン・シャッハマン（ボーラ・ハンスグローエ）、3位はスロベニアチャンピオンのタデイ・ポガチャル（ＵＡＥチーム・エミレーツ）だった。

初日に区間優勝したナルバエスが最初のマリア・ローザを獲得した (photo : LaPresse)

初日からポガチャルがアタック

今年のジロはトリノ郊外のヴェナリア・レアーレからスタートした (photo : LaPresse)

第1ステージは176選手が出走。オフィシャルスタートの合図と同時に逃げ出した6選手の中で、フランスのリリアン・カルムジャーヌ（アンテルマルシェ・ワンティ）だけが最後まで逃げ続け、ゴールまで残り21.9kmのマッダレーナ峠（カテゴリー2）の頂上を先頭で通過して山岳賞のマリア・アッズーラを手に入れた。

集団ではマッダレーナ峠の登坂でＵＡＥチーム・エミレーツが先頭でスピードを上げ、オランダのティメン・アレンスマン（イネオス・グレナディアズ）やフランスのロマン・バルデ（チームＤＳＭフィルメニッヒ・ポストＮＬ）が初日から遅れてしまった。

75年前に地元のグランデ・トリノ・フットボールチームを乗せた飛行機が墜落したスペルガの丘を通過する集団 (photo : LaPresse)

マッダレーナ峠の下りで集団から7人の追走グループが飛び出し、残り10kmで先頭のカルムジャーヌに追いついた。そこからイタリアのニコーラ・コンチ（アルペシン・ドゥクーニンク）がアタックし、ゴール手前にあった山岳賞のカテゴリーが付いていないサン・ヴィートの急峻な丘を上り始めた。

ここで集団からポガチャルがアタックし、付いて行けたのはナルバエスだけだった。2人は追走グループを次々と追い越し、ゴールまで残り3kmのサン・ヴィート頂上手前でコンチを追い抜いて先頭に立った。下りで追走グループに加わっていたシャッハマンが合流し、最後は3選手でのゴール勝負になり、ナルバエスがスプリントを制してサプライズな勝利を収めた。

サン・ヴィートの坂でアタックして先頭に立ったポガチャル。ナルバエスだけが付いて行けた (photo : LaPresse)

27歳のナルバエスは2020年のジロで区間優勝していて、これが2度目の勝利だった。彼は総合首位になってマリア・ローザも獲得した。エクアドル出身の選手がマリア・ローザを獲得したのは、2019年に総合優勝したリチャル・カラパス（ＥＦエデュケーション・イージーポスト）以来だった。

■区間優勝してマリア・ローザを獲得したナルバエスのコメント
「素晴らしい気分だ。チームとしてこれを計画していたが、ボクはポガチャルに付いて行かなければならず、今もまだ痛みがある。彼は本当に厳しく飛び出したが、最後はボクがやり遂げた。スプリントでは、彼は早く行き過ぎたんだと思う。素晴らしい。グランツールで区間優勝するチャンスはそうそうない。とりわけこの勝利は、ボクにマリア・ローザをもたらしてくれた。このジャージを夢見ていたんだ。これを獲得するのはとても困難だった」

ゴールでチームリーダーのトーマスに抱きつき、区間優勝を喜ぶナルバエス (photo : LaPresse)

■第１ステージ結果
［５月４日／ヴェナリア・レアーレ～トリノ／140 km］
1. NARVAEZ PRADO Jhonatan Manuel (INEOS GRENADIERS / ECU) 3:14:23
2. SCHACHMANN Maximilian (BORA – HANSGROHE / GER)
3. POGAČAR Tadej (UAE TEAM EMIRATES / SLO)
4. BAUDIN Alex (DECATHLON AG2R LA MONDIALE TEAM / FRA) +0:06
5. CONCI Nicola (ALPECIN-DECEUNINCK / ITA) +0:10
6. HERMANS Quinten (ALPECIN-DECEUNINCK / BEL) +0:10
7. VANSEVENANT Mauri (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) +0:10
8. TIBERI Antonio (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA) +0:10
9. VALTER Attila (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / HUN) +0:10
10. THOMAS Geraint (INEOS GRENADIERS / GBR) +0:10

■第１ステージの総合成績（マリア・ローザ）
1. NARVAEZ PRADO Jhonatan Manuel (INEOS GRENADIERS / ECU) 3:14:13
2. SCHACHMANN Maximilian (BORA – HANSGROHE / GER) +0:03
3. POGAČAR Tadej (UAE TEAM EMIRATES / SLO) +0:06
4. BAUDIN Alex (DECATHLON AG2R LA MONDIALE TEAM / FRA) +0:16
5. CARUSO Damiano (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA) +0:17
6. CONCI Nicola (ALPECIN-DECEUNINCK / ITA) +0:18
7. HERMANS Quinten (ALPECIN-DECEUNINCK / BEL) +0:20
8. VANSEVENANT Mauri (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) +0:20
9. TIBERI Antonio (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA) +0:20
10. VALTER Attila (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / HUN) +0:20
［各賞］
■ポイント賞（マリア・チクラミーノ）: NARVAEZ PRADO Jhonatan Manuel (INEOS GRENADIERS / ECU)
■山岳賞（マリア・アッズーラ）: CALMEJANE Lilian (INTERMARCHÉ – WANTY / FRA)
■新人賞（マリア・ビアンカ）:BAUDIN Alex (DECATHLON AG2R LA MONDIALE TEAM / FRA)

第2ステージは早くも頂上ゴール