ジロ・デ・イタリア2024 オロパ頂上ゴールの第2ステージはポガチャルが制してマリア・ローザを獲得
イタリアで開催中の第107回ジロ・デ・イタリア（ＵＣＩワールドツアー）は、5月5日にサンフランチェスコ・アル・カンポから標高1142mでカテゴリー１のサンチュアリオ・ディ・オロパ（ビエッラ）頂上までの161kmで第２ステージを競い、今大会初参加でスロベニアチャンピオンのタデイ・ポガチャル（ＵＡＥチーム・エミレーツ）が独走で区間初優勝を果たした。
オロパ頂上ゴールを独走で制したポガチャル (photo : LaPresse)
27秒遅れでゴールした追走グループは、ボーナスタイム争いのゴールスプリントを競い、コロンビアのダニエル・マルティネス（ボーラ・ハンスグローエ）が区間2位、英国のゲラント・トーマス（イネオス・グレナディアズ）が区間3位に入った。
第1ステージで区間優勝し、この日マリア・ローザを着ていたエクアドルチャンピオンのジョナタン・ナルバエス（イネオス・グレナディアズ）は2分3秒遅れの区間30位でゴールし、ポガチャルが総合首位に立ってマリア・ローザを獲得した。
第2ステージでマリア・ローザを獲得したポガチャル (photo : LaPresse)
第2ステージは175選手が出走。前日に落車したロベルト・ヘーシンク（チーム ヴィスマ・リースアバイク）が手を骨折してスタートしなかった。序盤に逃げ出した5選手の中からイタリアのアンドレーア・ピッコロ（ＥＦエデュケーション・イージーポスト）がアタックし、終盤は単独で逃げ続けた。彼は集団に1分半のタイム差を付けて11.8km続く最後のオロパを上り始めた。
集団ではオロパのふもとの街中でポガチャルがパンクに見舞われ、後方に下がってチームカーを呼んだ直後に転倒するアクシデントが発生したが、幸い怪我はなく、自転車を交換してすぐレースに復帰した。ピッコロはゴールまで残り6.5kmでＵＡＥチーム・エミレーツが先頭を引き続ける30人ほどの集団に吸収された。ＵＡＥチーム・エミレーツは加速を続け、集団の後方では前日区間2位になったマクシミリアン・シャッハマン（ボーラ・ハンスグローエ）やナイロ・キンタナ（モビスターチーム）が遅れてしまった。
ゴールまで残り4.5kmでアタックを決め、オロパの坂を単独で駆け上がるポガチャル (photo : LaPresse)
勾配のキツい場所でラファウ・マイカ（ＵＡＥチーム・エミレーツ）が先頭を引き続けた後、ゴールまで残り4.5kmでポガチャルが満を持してアタックし、ベン・オコナー（デカトロン・ＡＧ２Ｒラモンディアル チーム）が追走を試みたが、すぐに断念した。ポガチャルはそのまま単独でオロパを駆け上がり、聖域前の石畳のゴールに飛び込んだ。
25歳のポガチャルはツール・ド・フランス（ＵＣＩワールドツアー）で区間11勝、ブエルタ・ア・エスパーニャ（ＵＣＩワールドツアー）で区間3勝しており、これで３大ツアー全てで区間優勝した108人目の選手になった。彼のように26歳以下でそれを成し遂げた選手は15人しか居ない。
■区間優勝してマリア・ローザを獲得したポガチャルのコメント
「夢が叶った素晴らしい勝利だ。ブエルタとツールで勝っていたから、全てのグランツールで区間優勝できた。それは誰もが持っているものではなく、自転車競技では大きな事だ。
街中で起きた事故はあまり怖くなかった。それはパンクの後に起きた事故で、コーナーの手前で止まりたかったんだ。深刻なものではなく、チームはすぐに連れ戻してくれた。
この上りの事はよく知らず、チームの誰も知らなかったが、我々は良い計画を持っていた。マイカが最もキツいパートを引いてくれた後、ボクは加速した。最後のタイム差は気にしていなかった。区間優勝してマリア・ローザを取るのが夢だったからだ。これで数日間はリラックスできるよ」
ジロで区間初優勝したポガチャルは３大ツアー全てで区間優勝した選手の仲間入りを果たした (photo : LaPresse)
■第２ステージ結果
［５月５日／サンフランチェスコ・アル・カンポ～サンチュアリオ・ディ・オロパ（ビエッラ）／161 km］
1. POGAČAR Tadej (UAE TEAM EMIRATES / SLO) 3:54:20
2. MARTINEZ POVEDA Daniel Felipe (BORA – HANSGROHE / COL) +0:27
3. THOMAS Geraint (INEOS GRENADIERS / GBR) +0:27
4. FORTUNATO Lorenzo (ASTANA QAZAQSTAN TEAM / ITA) +0:27
5. LIPOWITZ Florian (BORA – HANSGROHE / GER) +0:27
6. STORER Michael (TUDOR PRO CYCLING TEAM / AUS) +0:30
7. UIJTDEBROEKS Cian (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / BEL) +0:30
8. RUBIO REYES Einer Augusto (MOVISTAR TEAM / COL) +0:30
9. LOPEZ PEREZ Juan Pedro (LIDL-TREK / ESP) +0:35
10. HIRT Jan (SOUDAL QUICK-STEP / CZE) +0:37
30. NARVAEZ PRADO Jhonatan Manuel (INEOS GRENADIERS / ECU) +2:03
■第２ステージ後の総合成績（マリア・ローザ）
1. POGAČAR Tadej (UAE TEAM EMIRATES / SLO) 7:08:29
2. THOMAS Geraint (INEOS GRENADIERS / GBR) +0:45
3. MARTINEZ POVEDA Daniel Felipe (BORA – HANSGROHE / COL) +0:45
4. UIJTDEBROEKS Cian (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / BEL) +0:54
5. RUBIO REYES Einer Augusto (MOVISTAR TEAM / COL) +0:54
6. FORTUNATO Lorenzo (ASTANA QAZAQSTAN TEAM / ITA) +1:05
7. LOPEZ PEREZ Juan Pedro (LIDL-TREK / ESP) +1:09
8. HIRT Jan (SOUDAL QUICK-STEP / CZE) +1:11
9. CHAVES RUBIO Jhoan Esteban (EF EDUCATION – EASYPOST / COL) +1:24
10. O’CONNOR Ben (DECATHLON AG2R LA MONDIALE TEAM / AUS) +1:24
［各賞］
■ポイント賞（マリア・チクラミーノ）: FIORELLI Filippo (VF GROUP-BARDIANI CSF- FAIZANE’ / ITA)
■山岳賞（マリア・アッズーラ）: POGAČAR Tadej (UAE TEAM EMIRATES / SLO)
■新人賞（マリア・ビアンカ）: UIJTDEBROEKS Cian (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / BEL)
