2024MTB Coupe du Japon びわ湖高島ステージで沢田時が連勝
目次
滋賀県高島市・朽木スキー場特設コースにて2024年5月4日〜5日の日程で開催された2024MTB Coupe du Japon(クップ ドュ ジャポン)びわ湖高島ステージは、宇都宮ブリッツェンの沢田時がXCC、XCOを連続で優勝。5月10日からマレーシアで開催される2024アジア選手権に日本代表として出場する沢田にとって、自信につながる内容と結果となった。
MTB Coupe du Japon びわ湖高島Stage XCC
滋賀県出身の沢田時にとって地元開催となるCoupe du Japon びわ湖高島Stage2連戦は、マレーシアで5月10日から行われるアジア選手権直前のレースだけあって「最後の追い込みとして頑張る」と意気込みを見せていた。
先月はロードレースの西日本ロードクラシックDAY2で逃げに乗り、好調の沢田はMTBレースでも期待がかかる。この日の“XCC”はレース時間20分ほどの短いもので、スタートから全力で行く体力や瞬発力が試される。
レース前に沢田は「国内でもフィジカル的にキツいコースで、砂利の上りが厳しい。前回の菖蒲谷とは違うキツさがあるが調子はいい」と話し、竹内遼(MERIDA BIKNG TEAM)と平林安里(TEAM SCOTT CHAOYANG TERRA SYSTEM)を警戒する。
沢田は2021・2022年とXCC日本チャンピオンであり、4月20日開催の前戦Coupe du Japon 菖蒲谷 XCCで勝利をつかんでいる。マレーシアでの大舞台に向け、ここでも弾みをつけたいところ。試走を終え、レース30分前はローラー台で汗を流してウォーミングアップ。勝利に向けて気持ちを引き締めた。
号砲とともに24人の選手たちが全開でスタートダッシュし、沢田は3番手で最初のコーナーをクリア。1周1.0kmのコースを7周する今大会。1周目に早くも3選手のパックが生まれ、平林、竹内、そして沢田の順でスタート&フィニッシュ地点に戻ってきた。4月22日の菖蒲谷XCOで優勝している平林(沢田は2位)は相変わらず調子がいいようだ。
4周目に入り沢田がペースを上げると平林が反応。平林も負けじとアタックを繰り出し、激しい攻防が続く。距離が短いXCCだけに一瞬でも気を緩めることはできないが沢田は先頭をキープ。
だが、ファイナルラップに入ると沢田は登坂区間で勝負に出た。一気に駆け上がると平林を置き去りにしてそのまま逃げ切りを目指す。平林も懸命に追走しスプリント勝負となったが、沢田がびわ湖高島Stage初日を見事優勝で飾った。
【沢田時のレース後のコメント】
前回の菖蒲谷XCCでも優勝したが、翌日のXCOでは負けてしまっているので、気を引き締めて明日のXCOに望みたいと思う。今日は調子も良く、落ち着いて展開できた。2回アタックして、人数を絞り込む状態でスプリントに持ち込んで勝てた。自分からレースを仕掛けて勝てたのが良かったと思っている。明日のレースは上りが長く苦しいレースになるのは間違いない。アジア選手権に向けてしっかり追い込み、優勝が付いてくるような走りをします。
MTB Coupe du Japon びわ湖高島Stage XCC
▼開催日
2024年5月4日(土)
▼レース会場
滋賀県高島市朽木スキー場特設コース(滋賀県高島市朽木宮前坊180-1)
▼競技概要
滋賀県高島市朽木スキー場特設コース(1周1.0km × 7周 = 総距離7.0km)
出走:24人
天気:晴れ
スタート時間:15時30分
▼リザルト
1位 沢田時(宇都宮ブリッツェン)17:13.56
2位 平林安里選手(TEAM SCOTT CHAOYANG TERRA SYSTEM)+0.73
3位 宮津旭(OLIVE)+20.32
宇都宮ブリッツェン レースレポート
https://www.blitzen.co.jp/news/race/2024mtbbiwako_xcc/
MTB Coupe du Japon びわ湖高島Stage XCO
前日のXCCでは最終盤でも落ち着いて走り、スプリント勝負に持ち込まれたが優勝を勝ち取った沢田。レース後も「自分からレースを作れていい走りができた」と語り、調子の良さを見せた。
XCCは1周1.0kmのコースだったが、XCOは朽木スキー場特設コースをフルに使った1周4.2kmが舞台となる。国内のMTBレースでも指折りの登坂区間が設定されたコースに、沢田は「とにかく上りが長い。(勝負が)決まるときは一発で決まるが、独走になっても苦しい時間が続く」と厳しい展開も見据えるが、アジア選手権に向けて最後の追い込みとして臨んだ。
4月のCoupe du Japon 菖蒲谷2連戦でXCCは優勝したが、翌日のXCOでは平林安里(TEAM SCOTT CHAOYANG TERRA SYSTEM)にあと一歩及ばず2位に終わった。今回こそ連勝を決め、気分よくマレーシアに乗り込みたいところ。
そんな沢田の駆るバイクには今季からコンチネンタルのMTBタイヤが装着されている。この日は転がりの軽い「RACE KING PROTECTION」を選択した。「長い登坂でも心強い。サイドもしっかりしているからパンクのリスクも少ない」と沢田。走っている時の安心感はプロでもアマチュアライダーでも重要な要素だ。
スタート直前の気温は22度。今日は8周で33.6kmを走る。コース付近では時折強い風が吹き、展開に影響が出ないか気になるなか、XCO男子エリートが幕を開けた。沢田は快調な滑り出しを見せ、1周目の上りで早くも抜け出すことに成功。前日2位の平林も一緒だ。2人から15秒ほど後方に竹内遼(MERIDA BIKNG TEAM)、宮津旭(OLIVE)が続く。
セカンドパックに沢田と平林は一度追いつかれるが、2周目の上りで再び突き放しにかかる。沢田は下り区間では先頭を走り、下りを得意とする平林をブロック。あえて相手の前に出る戦略をとり、下りで離させることを防ぐ。
レースも中盤となった4周目。後続とは差が広がり、沢田と平林による一騎打ちの展開となった。2人の駆け引きが始まっていたが、先手を打ったのは沢田。登坂区間で仕掛けて平林を置いていく。瞬く間にタイム差は20秒ほどに広がり、沢田は自分自身との戦いになる。下りの速い平林を警戒しながら、上りで攻めていく沢田。この日も落ち着いたレース運びで、平林とのタイム差は7周目で40秒まで広がった。
ファイナルラップではタイム差を詰められたものの、盤石の走りで2位に25秒差をつけてフィニッシュ。前日のXCCに続く連勝、今シーズンのXCO初勝利となった。滋賀県出身の沢田は「地元で2連勝できてよかった」と満面の笑みを見せた。
【沢田時のレース後のコメント】
地元で2連勝できてよかった。2週間前の開幕戦ではXCCは優勝できたが、XCOは平林選手に負けてしまった。それをやり返したい思いがあり、今日も平林選手と激しいバトルになったが勝ててよかった。中盤まで2人のパックで、後ろについている分には余裕があった。前に出ると差は開いたが、20秒ぐらいから広がらず厳しかった。ラスト2周で余裕を持って走ることができた。
アジア選手権に向けて長い移動が待っているが、優勝した気持ちがあれば心も軽く行けるのでホッとしている。昨年はアジア競技大会で悔しい思いをして(沢田は3位)、冬はシクロクロス、そこからロードレースと、今回のアジア選手権のために調子を上げて取り組んできた。オリンピック枠の獲得はかかっていないが、優勝することに価値がある。アジア1位になれるよう頑張りたい。
MTB Coupe du Japon びわ湖高島Stage XCO
▼開催日
2024年5月5日(日)
▼レース会場
滋賀県高島市朽木スキー場特設コース(滋賀県高島市朽木宮前坊180-1)
▼競技概要
滋賀県高島市朽木スキー場特設コース(1周4.2km× 8周 = 総距離33.6km)
出走:57人
天気:晴れ
スタート時間:12時10分
▼リザルト
1位 沢田時(宇都宮ブリッツェン)1:27:07.69
2位 平林安里(TEAM SCOTT CHAOYANG TERRA SYSTEM)+25.37
3位 竹内遼(MERIDA BIKNG TEAM)+2:04.43
宇都宮ブリッツェン レースレポート
https://www.blitzen.co.jp/news/race/2024mtbbiwako_xco/
宇都宮ブリッツェン 次戦のスケジュール
5月10日(金)〜12日(日)ツールド熊野2024
https://www.tourdekumano.jp/