ジロ・デ・イタリア2024 第12ステージはアラフィリップが区間初優勝

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イタリアで開催中の第107回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月16日にマルティンシクーロからファーノまでの193kmで、『壁』と呼ばれる激坂をいくつも越える第12ステージを競い、フランスのジュリアン・アラフィリップ(スーダル・クイックステップ)が独走で逃げ切り、ジロ初参加で区間初優勝を果たした。
 

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アラフィリップが独走で『壁のステージ』を制し、ジロ初参加で初優勝を果たした (photo : LaPresse)

 
2020年、2021年の世界チャンピオンである31歳のアラフィリップは、ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)で区間6勝、ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)で区間1勝しており、これで全てのグランツールで区間優勝した選手の仲間入りを果たした。

区間2位は31秒遅れでエクアドルチャンピオンのジョナタン・ナルバエス(イネオス・グレナディアズ)、3位は32秒遅れでベルギーのクインテン・ヘルマンス(アルペシン・ドゥクーニンク)だった。集団は5分25秒遅れでゴールし、総合リーダーのマリア・ローザはスロベニアチャンピオンのタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ)が守った。
 

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『壁のステージ』で総合争いはなく、マリア・ローザはポガチャルが守った (photo : LaPresse)

 
壁のステージ

『壁のステージ』と呼ばれる第12ステージは154選手が出走。前日の集団ゴールスプリントで落車に巻き込まれたオランダのファビオ・ヤコブセン(チームDSMフィルメニッヒ・ポストNL)がスタートしなかった。オフィシャルスタートからアタックが始まり、45kmで逃げ出した集団に合流したアラフィリップは、そこからミルコ・マエストリ(チーム ポルティ・コメータ)と2人でアタックしたが、ゴールまではまだ126km残っていた。

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100km以上を2人で逃げ続けたアラフィリップとマエストリ (photo : LaPresse)

 
後方では逃げ集団が合流して36人の大きな追走集団が形成されたが、アラフィリップとマエストリは1分半のタイム差を付けて逃げ続けた。追走集団にはマリア・ローザのポガチャルに5分57秒遅れで総合11位のヤン・ヒルト(スーダル・クイックステップ)が加わっていた。メイン集団は大きく遅れ、一時ヒルトがバーチャル・マリア・ローザになった。

ゴールまで残り20kmで、先頭の2人は9人に絞られた追走グループにまだ1分差を付けていた。残り11.5kmでこの日最後の『壁』だったモンテ・ジョーヴェの激坂が始まり、アラフィリップが加速するとマエストリは付いて行けなかった。後方では激坂でナルバエスとヘルマンスが抜け出して追撃を続けたが、頂上を通過した時にアラフィリップはまだ彼らに41秒差を付けていた。
 

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最大勾配20%のモンテ・ジョーヴェを駆け上がるアラフィリップ (photo : LaPresse)

 
アラフィリップは曲がりくねってトリッキーな終盤を難なく乗り切り、待望の区間初優勝を手中に収めた。彼は第6ステージでも逃げ切ったが、スペインのペラヨ・サンチェス(モビスターチーム)にゴールスプリントで負けて区間優勝を逃していた。アラフィリップが勝ったのは、昨年6月のクリテリウム・デュ・ドーフィネ(UCIワールドツアー)以来だった。
 

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アラフィリップはグランツール全てで区間優勝した選手になった (photo : LaPresse)

 
■区間初優勝したアラフィリップのコメント
「これは計画にはなかった。大きな逃げ集団を予想していた。最初の60kmをコントロールしてくれたチームメイトたちにまず感謝しなければならない。マエストリとの協力体制は素晴らしかった。彼も区間優勝に値した。勝てると信じていたが、最後の1kmまで全力で行かなければならなかった。ナルバエスが後方に近づいていたからだ。ジロで区間優勝するのは夢だった。本当に嬉しい。困難な時期の後で、これはボクにとってとても重要だ。いつもボクをサポートしてくるチーム、妻、息子のお陰でこれを手に入れる事ができた」
 

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強いアラフィリップが戻ってきた! (photo : LaPresse)


■第12ステージ結果

[5月16日/マルティンシクーロ~ファーノ/193 km]
1. ALAPHILIPPE Julian (SOUDAL QUICK-STEP / FRA) 4:07:44
2. NARVAEZ PRADO Jhonatan Manuel (INEOS GRENADIERS / ECU) +0:31
3. HERMANS Quinten (ALPECIN-DECEUNINCK / BEL) +0:32
4. VALGREN Michael (EF EDUCATION – EASYPOST / DEN) +0:43
5. SCARONI Christian (ASTANA QAZAQSTAN TEAM / ITA) +0:43
6. TRENTIN Matteo (TUDOR PRO CYCLING TEAM / ITA) +1:30
7. CLARKE Simon (ISRAEL – PREMIER TECH / AUS) +1:30
8. LEEMREIZE Gijs (TEAM DSM-FIRMENICH POSTNL / NED) +1:30
9. MAESTRI Mirco (TEAM POLTI KOMETA / ITA) +1:30
10. THOMAS Benjamin (COFIDIS / FRA) +1:30

■第12ステージ後の総合成績(マリア・ローザ)
1. POGAČAR Tadej (UAE TEAM EMIRATES / SLO) 45:22:35
2. MARTINEZ POVEDA Daniel Felipe (BORA – HANSGROHE / COL) +2:40
3. THOMAS Geraint (INEOS GRENADIERS / GBR) +2:56
4. O’CONNOR Ben (DECATHLON AG2R LA MONDIALE TEAM / AUS) +3:39
5. TIBERI Antonio (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA) +4:27
6. BARDET Romain (TEAM DSM-FIRMENICH POSTNL / FRA) +4:57
7. FORTUNATO Lorenzo (ASTANA QAZAQSTAN TEAM / ITA) +5:19
8. ZANA Filippo (TEAM JAYCO ALULA / ITA) +5:23
9. RUBIO REYES Einer Augusto (MOVISTAR TEAM / COL) +5:28
10. ARENSMAN Thymen ((INEOS GRENADIERS / NED) +5:52

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ): MILAN Jonathan (LIDL-TREK / ITA)
■山岳賞(マリア・アッズーラ): POGAČAR Tadej (UAE TEAM EMIRATES / SLO)
■新人賞(マリア・ビアンカ): TIBERI Antonio (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA)
 

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(photo : LaPresse)

 

ジロ・デ・イタリア公式サイト

J SPORTS ジロ・デ・イタリア特設サイト

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