ジロ・デ・イタリア2024 クイーンステージの第15ステージはマリア・ローザのポガチャルが圧勝
イタリアで開催中の第107回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月19日にマネルバ・デル・ガルダから標高2385mのリヴィンニョ(モットリーノ)頂上までの222kmで、クイーンステージとなる第15ステージを競い、マリア・ローザを着たスロベニアチャンピオンのタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ)が、総合争いのライバルたちに3分近いタイム差を付け、今大会4勝目を上げた。
区間2位は29秒遅れでコロンビアのナイロ・キンタナ(モビスターチーム)、3位は2分32秒遅れでドイツのゲオルク・シュタインハウザー(EFエデュケーション・イージーポスト)だった。
第15ステージは151選手が出走。カザフスタンのヴァディム・プロンスキー(アスタナ カザクスタン チーム)がスタートしなかった。オフィシャルスタートからアタックが始まり、12人の逃げが集団に3分近いタイム差を付けた。集団からは50人の追走グループが出て逃げを追った。そこには2014年のジロ総合優勝者である34歳のキンタナも加わっていた。
ゴールまで残り66.6kmのモルティローロ峠(カテゴリー1)頂上は3人に減った逃げグループのクリスティアン・スカローニ(アスタナ カザクスタン チーム)が先頭で通過した。この時メイン集団は4分半遅れていた。ゴールまで残り52kmで逃げは再編成されて17人になった。
フォスカーニョ峠でマリア・ローザがアタック
ゴールまで残り22kmで標高2291mのフォスカーニョ峠の登坂が始まり、逃げ集団からシュタインハウザーがアタックし、単独で山頂を目指した。その後方では、キンタナが追走を続けた。20人ほどに絞られた3分遅れのマリア・ローザ集団は、ここで早くもポガチャルがアタック。総合3位のダニエル・マルティネス(ボーラ・ハンスグローエ)だけが追走を試みたが、すぐ集団に戻った。
先頭ではゴールまで残り13kmでキンタナがシュタインハウザーを追い越して先頭に立ち、両脇に雪が残る坂を単独で上り続けた。しかし、その後方にはマリア・ローザのポガチャルが迫っていた。残り8.7kmのフォスカーニョ峠山頂で、2人のタイム差は39秒しかなかった。残り4.7kmでゴールへと向かう最後の登坂が始まり、キンタナは残り1.9kmでポガチャルに追い抜かれてしまった。
マリア・ローザのポガチャルはそのまま独走でモットリーノの激坂を駆け上がり、クイーンステージを制した。総合2位のゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアズ)と総合3位のマルティネスは一緒にゴールしたが、ポガチャルよりも2分50秒遅れていた。今年のジロは2週目を終えて総合リーダーのポガチャルが総合2位のトーマスに6分41秒もの大差を付ける展開となった。
5月20日は2度目の休養日となり、翌日から始まる過酷な最終週は頂上ゴールの山岳区間が続く。しかし、21日に予定されている第16ステージは、当初通過を予定していたチマ・コッピ(大会最高峰)のステルヴィオ峠(標高2758m)が降雪の影響で通過できず、コースが一部変更になった。ステルヴィオ峠がキャンセルされたため、今大会のチマ・コッピは第16ステージで通過する標高2498mのジョーゴ・ディ・サンタ・マリア・ウンブライルパスになっている。
■クイーンステージを制したマリア・ローザのポガチャルのコメント
「今日は素晴らしい1日だった。ボクにとっては1日中そうではなく、自分のキャリアで最高の日という事ではない。でも、本当に素晴らしいステージで、良いルートで素晴らしい上りがあったからだ。このステージは確か去年の12月頃から我々の念頭にあった。それを我々はコントロール下に置く事が出来てとても満足している。クイーンステージで勝ててとても嬉しいし、リヴィンニョはイタリアでお気に入りの街の1つだからね。
(子供の頃TVで)フルームとキンタナを観ていた時は、なぜ遠くからアタックしないのかいつも怒っていた。でも今日キンタナはそれをした。彼はとても素晴らしい仕事をしたよ。今日はシュタインハウザーも言及に値する数少ない選手だった」
■第15ステージ結果
[5月19日/マネルバ・デル・ガルダ~リヴィンニョ(モットリーノ)/222 km]
1. POGAČAR Tadej (UAE TEAM EMIRATES / SLO) 6:01:43
2. QUINTANA Nairo (MOVISTAR TEAM / COL) +0:29
3. STEINHAUSER Georg (EF EDUCATION – EASYPOST / GER) +2:32
4. BARDET Romain (TEAM DSM-FIRMENICH POSTNL / FRA) +2:47
5. MARTINEZ POVEDA Daniel Felipe (BORA – HANSGROHE / COL) +2:50
6. THOMAS Geraint (INEOS GRENADIERS / GBR) +2:50
7. RUBIO REYES Einer Augusto (MOVISTAR TEAM / COL) +2:58
8. O’CONNOR Ben (DECATHLON AG2R LA MONDIALE TEAM / AUS) +2:58
9. ARENSMAN Thymen ((INEOS GRENADIERS / NED) +3:05
10. HIRT Jan (SOUDAL QUICK-STEP / CZE) +3:20
■第15ステージ後の総合成績(マリア・ローザ)
1. POGAČAR Tadej (UAE TEAM EMIRATES / SLO) 56:11:46
2. THOMAS Geraint (INEOS GRENADIERS / GBR) +6:41
3. MARTINEZ POVEDA Daniel Felipe (BORA – HANSGROHE / COL) +6:56
4. O’CONNOR Ben (DECATHLON AG2R LA MONDIALE TEAM / AUS) +7:43
5. TIBERI Antonio (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA) +9:27
6. ARENSMAN Thymen ((INEOS GRENADIERS / NED) +9:45
7. BARDET Romain (TEAM DSM-FIRMENICH POSTNL / FRA) +10:49
8. ZANA Filippo (TEAM JAYCO ALULA / ITA) +11:11
9. RUBIO REYES Einer Augusto (MOVISTAR TEAM / COL) +12:13
10. HIRT Jan (SOUDAL QUICK-STEP / CZE) +13:11
[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ): MILAN Jonathan (LIDL-TREK / ITA)
■山岳賞(マリア・アッズーラ): POGAČAR Tadej (UAE TEAM EMIRATES / SLO)
■新人賞(マリア・ビアンカ): TIBERI Antonio (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA)