2024UCI BMXレーシング世界選 日本人最高位は女子U23・野村凪沙10位
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アメリカ・サウスカロライナ州にて2024年5月12日 (日) 〜 5月18日(土) の期間で開催された2024 UCI BMXレーシング世界選手権大会。今シーズンはオリンピックイヤーであることから、例年より早い5月開催となり、2017年の世界選手権大会会場であるアメリカ・サウスカロライナ州のロックヒルにて行われた。
今大会では世界タイトルはもちろんのこと、各国パリオリンピック国別出場枠をかけた大会でもあり、日本チームも残された男子1枠の獲得が最大のミッションとなった。 日本チームは3月から1カ月間本大会会場にて合宿を実施し、ジュニア/U23/エリート含め、男女計9人が大会に挑んだ。
大会結果は、男子エリートは中井飛馬が自己最高となる準々決勝まで進出し26位に入るも、国別出場枠獲得には届かない結果となった。
表彰台を狙っていたU23女子では、籔田寿衣が今シーズンのワールドカップでも表彰台を獲得していたが準決勝にて敗退し、同カテゴリーに出場した野村凪沙の10位が日本人最高位となった。
また、今大会の前半に開催された年齢別世界選手権にあたる「UCI BMXレーシング ワールドチャレンジ」では、男子13歳にて高崎成琉が優勝、女子14歳では澤田茉奈が2位に入った。
男子エリート
新たなメンバーにて挑んだ3年間のオリンピックサイクル。昨年7月に開催されたアジア選手権大会にて、国別出場枠(大陸枠)を逃した日本チームは、出場枠獲得は本大会がラストチャンスであった。 カナダ、ブラジル、チリ、デンマークなど、複数の国が今大会での出場枠獲得が懸かっており、残された1枠を争った。
中井飛馬と島田遼が国内選考を勝ち抜き、それぞれ初日の予選を通過し1/8決勝へ進出。1/8決勝では中井が2位に入り、全体の11位で通過し最終日に望みを繋いだ。同じく好調だった島田は、第1コーナーにて転倒し敗退となった。
最終日の準々決勝、各国が勝ち上がるなか、中井は第1コーナーでのポジション争いにて前方に詰まってしまい失速、追い上げを狙ったが通過圏内の4位に届かず準々決勝敗退となった。同じ組からはカナダとチリが通過し、最終的にはチリが最後の1枠を掴み取った。(最終国別枠配分は6月11日発表)
今大会がラストチャンスであった日本チームはパリオリンピックの出場枠を逃した。 20代前半の現代表選手たちは、次のロス大会へ向けて再始動することとなった。
<中井飛馬 コメント>
ここ数年ケガが続いてしまい、昨年12月の骨折後、なんとか今大会に向けて調整を続けてきました。 先月のワールドカップから復帰し、今大会はジュニア世界選手権で決勝に残った得意なコースでもあったので、体調面や心理面でも現状のベストな状態で臨みましたが、望んだ結果には届かず率直に悔しいの一言です。 このあとのオフシーズンで気持ちを整理して、次のロス大会に挑戦したいです。 日本からのたくさんのサポート、応援ありがとうございました。
<大会結果 男子 エリート>
優勝:DAUDET Joris (フランス)
2位:KIMMANN Niek (オランダ)
3位:ANDRE Sylvain (フランス)
26位:中井飛馬
50位:島田遼(GAN TRIGGER)
女子エリート
昨年に続き、畠山紗英と丹野夏波の2人が参加。畠山は予選を通過し、準々決勝へ進出したが、第1コーナーの混戦にて前に出られず総合26位にて敗退となった。丹野はラストチャンスクオリファイを勝ち上がれず、全体の34位となった。
<畠山紗英 コメント>
昨年の世界選手権は10位に入っていたので、今年は初の決勝進出を目標にしていましたが、コーナーのライン選択がうまくいかず、望む結果には届きませんでした。 また拠点であるスイスに戻り、次のレースへ向け戦術面を中心に、取り組んで行きたいと思っています。
<丹野夏波 コメント>
今大会では決勝進出を目標に臨みましたが、重要な場面でのミスが悔やまれます。 エリートカテゴリーに上がり、レース展開に余裕が持てていないので、次戦に向けては考え過ぎている部分などを修正していきます。
<大会結果 女子 エリート>
優勝:WILLOUGHBY Alise (アメリカ)
2位:CLAESSENS Zoe (スイス)
3位:VAUGHN Daleny (アメリカ)
26位:畠山紗英
34位:丹野夏波(弱⾍ペダルサイクリングチーム)
男子U23
今季よりアンダー23カテゴリーへあがった木内彪凱が国内選考を勝ち上がり、今大会の代表として出場。 各組上位4人ずつが通過する予選にて、通過圏内争いをするも、第2コーナーにて前方の選手と接触し転倒してしまった。 転倒により肩を負傷したため、次のレースを走ることができずリタイアとなった。
<大会結果 男子Under23>
優勝:BENALCAZAR GUERRERO Pedro (エクアドル)
2位:O’BRIEN Patrick (アメリカ)
3位:NOORDAM Jason (オランダ)
52位:木内彪凱(日本体育大学)
女子U23
日本からは今年が最後のU23となる籔田寿衣に加え、野村凪沙と西村寧々花の3人がエントリーした。今シーズンはワールドカップシリーズでも表彰台を獲得し、3月に今大会会場にて開催されたアメリカシリーズにて優勝をしている籔田は、タイトル獲得に期待がかかっていた。
初日の予選では、籔田、野村が通過し、西村はトップ争いをする場面もあったが、スピードを保つ展開に持ち込めず予選敗退となった。
最終日の準々決勝は、前日に続き籔田、野村ともに通過し、準決勝へ進出した。しかし準決勝では両者共スタートから前に出ることができず、後方から追い上げる展開となったが上位4人に入れず敗退。最終順位は野村が10位、籔田が13位でレースを終えた。
<野村凪沙 コメント>
2021年以来の世界選手権出場となり、毎レース緊張していましたが、勝ち進むことができました。 決勝進出まであと一人だったので悔しい気持ちはありますが、今の実力は出し切ることができたのでホッとしています。 来年が最後のU23になるので、トレーニングを積んでいきたいと思います。
<籔田寿衣 コメント>
自分の持つパフォーマンスを発揮することができず、悔しさだけが残る大会となりました。 2021年ジュニア世界選手権は中止となってしまったため、それからU23でのタイトル獲得を目標にずっと取り組んできました。 今大会で優勝したラトビアの選手にも、3月の大会で勝っていたので、本当に悔しいです。 次はエリートカテゴリーに上がるので、さらなるレベルアップに向けて、ベストな環境下で頑張ります。 応援していただいた皆さまに、感謝しています。
<大会結果 女子Under23>
優勝:STURISKA Veronika Monika(ラトビア)
2位:HUTT Emily (イギリス)
3位:MAY Bella (オーストラリア)
10位:野村凪沙(Ace Race Australia Factory team)
13位:籔田寿衣(大阪体育大学)
男子ジュニア
日本からはジュニア最終年となる岸龍之介を派遣した。ジュニアカテゴリーでの世界選手権は初となる岸は、予選を通過し、続く1/8決勝でも上位4位に入り準々決勝へ進出。準々決勝では、先頭集団の展開から理想の戦略に持ち込むことができず、準決勝進出にはあと一人届かなかった。
<岸竜之介 コメント>
年齢別のワールドチャレンジとは異なる雰囲気の中で、慣れない面も多々ありましたが、練習してきた成果は出せて良かったです。 今回の経験を持ち帰り、日本でも世界の舞台を想定した練習を続け、また代表になる準備をしたいです。
<大会結果 男子ジュニア>
優勝:JOLLY Joshua(オーストラリア)
2位:APPERMONT Niels (ベルギー)
3位:VALLEJO Valentino (アルゼンチン)
17位:岸龍之介(国士舘高等学校)
ワールドチャレンジに日本代表5人を派遣
これまで個人参戦が基本となり、現地会場でのサポートが中心であったが、今大会初めてJCF BMXレーシング強化育成選手に対しサポートスタッフが引率し、5人の選手を代表派遣した。日本からは上記5人を含む計44人が参加し、下は8歳から上は50歳オーバーまで、各年齢別でのチャンピオン争いに挑んだ。
5人の派遣選手のうち、男子13歳に出場した高崎成琉が予選からすべて1位で駒を進め、決勝でも後方を大きくリードした展開にて自身初の優勝を獲得し、20年ぶりの男子優勝者輩出となった。
女子14歳の澤田茉奈は、3連覇の懸かる大会となったが、惜しくも決勝では先行を許し2位で大会を終えた。
悪天候が続いたワールドチャレンジは、最終日に行われたクラスは予選時点で中止となり、好調にレースを進めていた男子16歳の近藤心は、最終ヒートのタイムにて決着が決まり全体の13位となった。
<大会結果 ワールドチャレンジ>
近藤 心(大阪偕星学園高等学校):男子16歳 13位
横地 泰河(66BROS):男子15歳 38位、クルーザー男子15−16歳 61位
堀江 樹(弱虫ペダルサイクリングチーム):男子14歳− 49歳、クルーザー男子13−14歳 20位
高崎 成琉(TEAM DAITO 大東建託):男子13歳 1位
澤田 茉奈:女子14歳 2位、クルーザー女子13−16歳 12位
2024UCI BMXレーシング 世界選手権大会
大会日程:2024年5月12 (日) 〜 5月18日(土)
大会会場:アメリカ・サウスカロライナ州 ロックヒル・スーパークロスBMXトラック