ジロ・デ・イタリア2024 第20ステージはマリア・ローザのポガチャルが今大会6勝目

2024.05.26
レース

photo LaPresse

イタリアで開催中の第107回ジロ・デ・イタリア（ＵＣＩワールドツアー）は、5月25日にアルパゴからバッサーノ・デル・グラッパまでの184kmで、標高1675mのモンテ・グラッパ（カテゴリー１）を２回越える第20ステージを競い、マリア・ローザを着たスロベニアチャンピオンのタデイ・ポガチャル（ＵＡＥチーム・エミレーツ）が今大会６勝目を上げた。

マリア・ローザのポガチャルが後続に2分以上の差を付け、今大会6勝目を上げた (photo : LaPresse)

区間2位は2分7秒遅れでフランスのヴァランタン・パレパントル（デカトロン・ＡＧ２Ｒラモンディアルチーム）、3位はコロンビアのダニエル・マルティネス（ボーラ・ハンスグローエ）だった。総合リーダーのポガチャルは、総合2位のマルティネスとのタイム差を9分56秒にして最終日を迎える事になった。

雨のスタート

第20ステージはモンテ・グラッパを２回上った (photo : LaPresse)

第20ステージは142選手が出走。スタートは雨が降っていたが、モンテ・グラッパ越えは晴れていた。序盤に11人の選手が逃げ出し、最初のモンテ・グラッパのふもとで集団に4分近いタイム差を付けていた。しかし、上りが始まるとすぐにタイム差は縮まった。集団からは頂上近くでジューリオ・ペッリツァーリ（ＶＦグループ・バルディアーニＣＳＦ・ファイザネ）がアタックし、逃げで生き残っていた3選手に合流した。

ゴールまで残り77.9kmの最初のモンテ・グラッパ頂上はペッリツァーリが先頭で通過。下り坂の途中にあった小さな上り坂で先頭はペッリツァーリとペラヨ・サンチェス（モビスターチーム）の２人になった。ゴールまで残り62.5kmでアレッサンドロ・トネッリ（ＶＦグループ・バルディアーニＣＳＦ・ファイザネ）が合流し、先頭の逃げが３人になった時、集団とのタイム差は1分半だった。

２回目のモンテ・グラッパの登坂が始まるとトネッリは遅れ、2km先でサンチェスも遅れて先頭はペッリツァーリ１人になった。しかし、ふもとで2分半あった集団とのタイム差は、18km続く坂で次第に縮まっていった。ＵＡＥチーム・エミレーツが引き続ける集団は20人ほどになり、山頂まで残り8kmでロマン・バルデ（チームＤＳＭフィルメニッヒ・ポストＮＬ）が遅れてしまった。

マリア・ローザがアタック

２回目のモンテ・グラッパでアタックしたマリア・ローザのポガチャルには誰も付いて行けなかった (photo : LaPresse)

モンテ・グラッパの頂上まで残り6kmで、マリア・ローザ集団の先頭は最後の山岳アシストだったラファウ・マイカ（ＵＡＥチーム・エミレーツ）が引き始め、総合3位のゲラント・トーマス（イネオス・グレナディアズ）が遅れてしまった。そこからマリア・ローザのポガチャルがアタックすると、付いて行ける選手は誰も居なかった。

ポガチャルは頂上まで残り4.7kmで先頭のペッリツァーリに追いついた。第16ステージではすぐに追い越されたペッリツァーリだったが、この日はしばらくポガチャルの後ろを走っていた。ゴールまで残り34kmで独走を開始したポガチャルは、熱狂する観客をかき分けて頂上を目指した。２回目のモンテ・グラッパ頂上で、先頭のポガチャルは総合2位のマルティネスが居るグループに1分44秒差、総合3位のトーマスがいるグループに1分55秒差を付けていた。

後続は下りで合流して１つのグループになったが、2分先を走るポガチャルに追いつく事はできなかった。ポガチャルはそのままバッサーノ・デル・グラッパのゴールへと到着し、今大会６勝目を勝ち取った。

最後の山岳ステージを終えたジロ一行は首都ローマへと移動し、5月26日はグラン・フィナーレとなる平坦区間の最終ステージが行われる。

■今大会６勝目を上げたポガチャルのコメント
「多かれ少なかれ、これは計画だった。我々はチームとして完璧な仕事をした。モラノとオリヴェイラが序盤に働き、アタックをカバーして大きなグループが逃げられないようにした。ビェアウとラーンゲンが最初の上りで良いペースを設定した。それから我々は計画を実行し、ボクは良い脚を持っていた。だから頂上で良いタイム差を得られてとても満足だ。下りを全力で行く必要がなかったからね。

どんな気持ちなのかは言い表せない。たぶん今日こうするのは重要ではなかっただろうが、我々は２日目からマリア・ローザを持っていて、良い調子と良いメンタリティーを持ってこのジロを終えたかった。それは達成できたと思う。ローマには行った事がないから、明日は必ず楽しむつもりさ」

スロベニアのポガチャルがマリア・ローザを着て首都ローマへと凱旋する事になった (photo : LaPresse)

■第２０ステージ結果
［５月２５日／アルパゴ～バッサーノ・デル・グラッパ／184 km］
1. POGAČAR Tadej (UAE TEAM EMIRATES / SLO) 4:58:23
2. PARET PEINTRE Valentin (DECATHLON AG2R LA MONDIALE TEAM / FRA) +2:07
3. MARTINEZ POVEDA Daniel Felipe (BORA – HANSGROHE / COL) +2:07
4. TIBERI Antonio (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA) +2:07
5. RUBIO REYES Einer Augusto (MOVISTAR TEAM / COL) +2:07
6. PELLIZZARI Giulio (VF GROUP-BARDIANI CSF- FAIZANE’ / ITA) +2:07
7. THOMAS Geraint (INEOS GRENADIERS / GBR) +2:07
8. O’CONNOR Ben (DECATHLON AG2R LA MONDIALE TEAM / AUS) +2:07
9. STORER Michael (TUDOR PRO CYCLING TEAM / AUS) +2:31
10. MAJKA Rafal (UAE TEAM EMIRATES / POL) +3:08

■第２０ステージ後の総合成績（マリア・ローザ）
1. POGAČAR Tadej (UAE TEAM EMIRATES / SLO) 76:22:13
2. MARTINEZ POVEDA Daniel Felipe (BORA – HANSGROHE / COL) +9:56
3. THOMAS Geraint (INEOS GRENADIERS / GBR) +10:24
4. O’CONNOR Ben (DECATHLON AG2R LA MONDIALE TEAM / AUS) +12:07
5. TIBERI Antonio (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA) +12:49
6. ARENSMAN Thymen ((INEOS GRENADIERS / NED) +14:31
7. RUBIO REYES Einer Augusto (MOVISTAR TEAM / COL) +15:52
8. HIRT Jan (SOUDAL QUICK-STEP / CZE) +18:05
9. BARDET Romain (TEAM DSM-FIRMENICH POSTNL / FRA) +20:32
10. STORER Michael (TUDOR PRO CYCLING TEAM / AUS) +21:11

［各賞］
■ポイント賞（マリア・チクラミーノ）: MILAN Jonathan (LIDL-TREK / ITA)
■山岳賞（マリア・アッズーラ）: POGAČAR Tadej (UAE TEAM EMIRATES / SLO)
■新人賞（マリア・ビアンカ）: TIBERI Antonio (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA)