やわたはま国際MTBレース2024は沢田時が優勝
やわたはま国際MTBレース2024(UCI Class1)が2024年5月26日(日)、愛媛県・八幡浜市民スポーツパークにて開催され、2024MTBアジア選手権で優勝したばかりの沢田時(宇都宮ブリッツェン)が勝利を収め、今季3勝目をマークした。
沢田にとって、今回の会場「八幡浜市民スポーツパーク」は特別な場所のひとつだろう。2021は念願だった全日本チャンピオンのタイトルを獲得し、昨年はアジア競技大会日本代表を手に入れているからだ。
今大会のコースには車幅の狭い上りセクション、激坂の「桜坂」、土から露出した木の根が連なる「ゴジラの背中」などが待ち構えるが、沢田にとっては慣れた走り慣れた道。アジア選手権優勝で見せた好調さもキープしており、2連覇にも期待がかかった。
序盤の先頭グループは沢田のほか、平林安里(TEAM SCOTT CHAOYANG TERRA SYSTEM)、松本一成(TEAM RIDE MASHUN)の3人で形成。1周を終え、沢田は平林に続く2番手でスタート&フィニッシュ地点へ戻ってきた。4番手の竹内(MERIDA BIKING TEAM)は14秒遅れで続く。
2周目に入り沢田は得意の上り区間でペースアップすると平林が遅れ出す。代わりに宮津旭(OLIVE)が猛追をみせて先頭グループに合流し、沢田、宮津、松本の新たな先頭パックが形成される。このまましばらく3人の攻防が続くと思われたが、2周目後半の下り区間でまさかのクラッシュが発生。宮津と松本が巻き込まれて先頭パックから遅れてしまう。運良くクラッシュを避ける事ができた沢田だが、ここから単独先頭でゴールを目指す。
3周目を終えた時点で竹内が8秒差と真後ろに迫ってきたが、上りセクションで差を広げていく。5周目に入る頃には竹内に35秒、3番手に順位を上げてきた宮津までは1分12秒と、沢田のリードは縮まることを知らない。もはやトップは盤石、2連覇も目前となった沢田だが脚を緩めることはなく、ただひらすらペダルを回す。上りセクション、桜坂と序盤と変わらぬハイペースで駆け上がる。
6周を終え、スタート&フィニッシュ地点に沢田の姿が見えた。勝利を確信し、力強く拳を突き上げる。アジアを制し、次の目標である全日本のためにもここで負けるわけにはいかない。そんな気迫が伝わってくる走りだった。
「アジア選手権があったので5月にピークを合わせていた。まだ踏めてる状態。次は全日本だが、そこまで調子を落とさず頑張りたい」
レース直後にそう語った沢田は、スピードとパワフルさ、そして安定感を兼ね備えている。沢田自身が綴ったアジア選手権のレースレポートに「ロードレースを始めたことでより広い視野でレースを組み立てられるようになった」と記されていた。それが成長に繋がったという。
この日、東京ではツアー・オブ・ジャパンが最終日を迎えた。宇都宮ブリッツェンのロードレースメンバーたちも沢田と走ることでより成長できるはずだ。まだシーズンも前半、これからのチームの進化も見逃せない。
やわたはま国際MTBレース2024リザルト
1位 沢田時(宇都宮ブリッツェン)1:10:51.65
2位 竹内遼(MERIDA BIKING TEAM)+1:06.88
3位 宮津旭(OLIVE)+1:43.37
沢田時のレース後のコメント
6周回で短いレースになると予測していて、序盤から積極的に前に行こうと決めていました。2周目の終わりに落車があって、それをうまく避けることが出来てそこから独走状態でした。3周目は少し抑えて落ち着いて走り、4周目からしっかり踏んでペース上げて行けました。そこからタイム差も開いて行きましたので、調子の良さも感じて落ち着いてレースが出来たのが良かったです。次戦は7月の全日本MTB選手権があるので、そこでXCC、XCOの日本チャンピオンを目指します。
やわたはま国際MTBレース2024(UCI Class1)
開催日:2024年5月26日(日)13:30〜
レース会場:八幡浜市民スポーツパーク(愛媛県八幡浜市若山9-160)
出走:70人