クリテリウム・デュ・ドーフィネ2024 はログリッチが総合優勝

  • photo A.S.O. /Billy Ceusters

フランスで開催されていた第76回クリテリウム・デュ・ドーフィネ(UCIワールドツアー)は、6月8日にトーヌから標高1447mでカテゴリー1のプラトー・デ・グリエール頂上までの160.6kmで、最終区間の第8ステージを競い、スロベニアのプリモシュ・ログリッチ(ボーラ・ハンスグローエ)が2022年に続いて2度目の総合優勝を果たした。
 

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左から総合2位のヨーゲンソン、総合優勝したログリッチ、総合3位のジー (photo : A.S.O. /Billy Ceusters)

 
総合2位は8秒差で米国のマッテーオ・ヨーゲンソン(チーム ヴィスマ・リースアバイク)、3位は36秒差でカナダのデレク・ジー(イスラエル・プルミエテック)だった。24歳のヨルゲンソンは新人賞を受賞した。


最後の坂でマイヨ・ジョーヌが遅れた

6月29日に開幕するツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)の調整レースとなるクリテリウム・デュ・ドーフィネで、34歳のログリッチの総合優勝は決して簡単なものではなかった。

ゴールまで残り8kmの、プラトー・デ・グリエール(カテゴリー1)の坂でイタリアのジューリオ・チッコーネ(リドル・トレック)がアタックし、逃げていた選手たちを追い越して先頭に立った後、メイン集団はアレクサンドル・ヴラソフ(ボーラ・ハンスグローエ)が引き続けていた。

ところが残り5.6kmでチッコーネを捕まえた後、ヴラソフは仕事を終えて後退し、マイヨ・ジョーヌのログリッチはアシスト不在になってしまった。その後すぐにカルロス・ロドリゲス(イネオス・グレナディアズ)がアタックし、ヨーゲンソンとジーは付いていったが、ログリッチは付いていけなかった。

ゴールまで残り1.4kmでジーが遅れ、先頭がロドリゲスとヨーゲンソンの2人になった時、ログリッチは既に34秒遅れていた。前日までの総合成績で総合2位のヨーゲンソンは1分2秒遅れで、区間優勝すれば10秒のボーナスタイムが得られるため、総合逆転の可能性は十分あり得る展開になった。
 

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最終ステージはロドリゲスがヨーゲンソンを打ち負かした (photo : A.S.O. /Billy Ceusters)

 
しかし、最後はロドリゲスが区間優勝し、ヨーゲンソンはボーナスタイムを6秒しか獲得できなかった。残り1kmのフラム・ルージュを45秒差で通過したマイヨ・ジョーヌのログリッチは、タイム差を何とか48秒に留め、たった8秒差で総合首位を守って優勝する事ができた。
 

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マイヨ・ジョーヌのログリッチは遅れを最小限に留めてゴールできた (photo : A.S.O. /Billy Ceusters)

 
■最終日にかろうじてマイヨ・ジョーヌを守る事ができたログリッチのコメント
「落車やその間に起こった全ての出来事の後で、ドーフィネで優勝できたのはクレイジーだ。信じられないよ。(ヨーゲンソンとの)タイム差は常に聞こえていた。他の選手たちがもっと速く走らなかったから良かったよ。ボクはただ疲れていただけだ。僅差だったが、チームのために満足している。これは間違いなくチームに必要なものだった。我々はポジショニングやコミュニケーションなど多くの事に取り組んだ。5年一緒に働いているような仲間ではないからね。ドーフィネとツール・ド・フランスは別物だ。こういうレースで毎日勝てるわけではないから、まずは喜びたい」
 

息子たちと一緒に表彰台へ上がったログリッチ (photo : A.S.O. /Billy Ceusters)


■第8ステージ結果

[6月9日/トーヌ~プラトー・デ・グリエール/160.6km]
1. CARLOS RODRIGUEZ (INEOS GRENADIERS / ESP) 04h 18′ 02”
2. MATTEO JORGENSON (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / USA)
3. DEREK GEE (ISRAEL – PREMIER TECH / CAN) + 00′ 15”
4. LAURENS DE PLUS (INEOS GRENADIERS / NED) + 00′ 35”
5. SANTIAGO BUITRAGO (BAHRAIN VICTORIOUS / COL) + 00′ 35”
6. PRIMOZ ROGLIC (BORA – HANSGROHE /SLO) + 00′ 48”
7. GIULIO CICCONE (LIDL-TREK / ITA) + 00′ 48”
8. REMCO EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) + 00′ 58”
9. ALEKSANDR VLASOV (BORA – HANSGROHE / RUS) + 00′ 58”
10. MIKEL LANDA (SOUDAL QUICK-STEP / ESP) + 01′ 10”

第76回クリテリウム・デュ・ドーフィネ 個人総合最終成績
1. PRIMOZ ROGLIC (BORA – HANSGROHE /SLO) 25h 35′ 40”
2. MATTEO JORGENSON (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / USA) + 00′ 08”
3. DEREK GEE (ISRAEL – PREMIER TECH / CAN) + 00′ 36”
4. CARLOS RODRIGUEZ (INEOS GRENADIERS / ESP) + 01′ 00”
5. LAURENS DE PLUS (INEOS GRENADIERS / BEL) + 02′ 04”
6. ALEKSANDR VLASOV (BORA – HANSGROHE / RUS) + 02′ 06”
7. REMCO EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) + 02′ 25”
8. GIULIO CICCONE (LIDL-TREK / ITA) + 02′ 54”
9. OIER LAZKANO (MOVISTAR TEAM / ESP) + 02′ 54”
10. MIKEL LANDA (SOUDAL QUICK-STEP / ESP) + 04′ 13”
[各賞]
■ポイント賞 : PRIMOZ ROGLIC (BORA – HANSGROHE /SLO)
■山岳賞 : LORENZO FORTUNATO (ASTANA QAZAQSTAN TEAM / ITA)
■新人賞 : MATTEO JORGENSON (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / USA)
■チーム成績 : BORA – HANSGROHE (GER)
 

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(photo : A.S.O. /Billy Ceusters)

 

クリテリウム・デュ・ドーフィネ 公式サイト

J SPORTS クリテリウム・デュ・ドーフィネ特設サイト

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