ツール・ド・フランス2024 第２ステージはヴォクランが逃げ切り優勝し、ポガチャルが総合首位

2024.07.01
レース

photo A.S.O. /Billy Ceusters /Charly Lopez / ©SprintCycling

イタリアで開催中の第111回ツール・ド・フランス（ＵＣＩワールドツアー）は、６月30日にチェゼナーティコからボローニャまでの199.2kmで丘越え区間の第２ステージを競い、フランスのケヴィン・ヴォクラン（アルケア・Ｂ＆Ｂホテルズ）が独走で逃げ切り、初参加で区間初優勝を果たした。

ヴォクランが独走で逃げ勝ち、アルケア・Ｂ＆Ｂホテルズに初のツール区間優勝をもたらした (©SprintCycling)

区間2位は36秒遅れで山岳賞のマイヨ・アポワを着たノルウエーのヨーナス・アブラハムセン（ウノエクスモビリティ）、3位は49秒遅れでフランスのカンタン・パシェ（グルパマ・ＦＤＪ）だった。

この日、33歳で初めてマイヨ・ジョーヌを着て走ったフランスのロマン・バルデ（チームＤＳＭフィルメニッヒ・ポストＮＬ）は、最後のサン・ルーカの丘でメイン集団から遅れてしまい、スロベニアのタデイ・ポガチャル（ＵＡＥチーム・エミレーツ）が早くも総合首位になり、マイヨ・ジョーヌを獲得した。

ポガチャルが第２ステージで早くもマイヨ・ジョーヌを獲得した (photo : A.S.O. /Billy Ceusters)

パンターニの故郷からスタート

●第2ステージのコースプロフィール (MAP : A.S.O.)

バルデが１日マイヨ・ジョーヌを着る夢を実現させた (photo : A.S.O. /Billy Ceusters)

第２ステージは175選手が、マルコ・パンターニの故郷であるチェゼナーティコをスタート。アタックと吸収が続いた後、8km地点で11人が逃げ出す事に成功し、そこに23歳のヴォクランとマイヨ・アポワのアブラハムセンも加わっていた。アブラハムセンはボローニャへの行程にあった４カ所の丘を先頭で通過し、山岳賞総合でのリードを広げた。彼は中間スプリントも先頭で通過し、ポイント賞のポイントも稼いだ。

マイヨ・アポワのアブラハムセンは2日連続で逃げに加わった (photo : A.S.O. /Billy Ceusters)

メイン集団では落車が発生し、初日に区間3位だったワウト・ヴァンアールト（ヴィスマ・リースアバイク）やマッテーオ・ヨーゲンソン（ヴィスマ・リースアバイク）が巻き込まれたが、幸いすぐレースに戻る事ができた。ゴールまで残り70kmで、逃げは集団に9分の大差を付けていた。

後半に入り、この日４カ所目のモンテカルヴォの丘でメイン集団はレッドブル・ボーラ・ハンスグローエとロット・デスティニーが先頭を引き始め、次第に小さくなっていった。ボローニャの街に到着し、残り37kmで最初にフィニッシュラインを通過した時、逃げと集団のタイム差は4分45秒にまで縮まっていった。

集団をコントロールするチームＤＳＭフィルメニッヒ・ポストＮＬとマイヨ・ジョーヌのバルデ (photo : A.S.O. /Billy Ceusters)

最初のサン・ルーカの丘が始まると、逃げ集団ではアタックが始まった。しかし、アブラハムセンが先頭で山頂を通過した後、逃げは下りでまた１つに戻った。メイン集団はヴィスマ・リースアバイクが先頭を引いて丘を越えたが、ヴァンアールトは遅れてしまい、マイヨ・ジョーヌ獲得のチャンスを失ってしまった。

ヴォクランが独走

有名なサン・ルーカの丘を埋め尽くした観客 (photo : A.S.O. /Charly Lopez)

ゴールまで残り28kmで、逃げ集団からネルソン・オリヴェイラ（モビスターチーム）がアタックし、ヴォクランとアブラハムセンが合流した。３人は残り15kmでフィニッシュラインを通過した時、まだ集団に4分以上のタイム差を付けていた。最後のサン・ルーカの丘がスタートし、ゴールまで残り14.3kmでヴォクランがアタックし、そのまま単独で丘を越えた。彼はそのまま逃げ切り、チームにツール区間初優勝をもたらす事ができた。開催国フランスがツールの最初の２ステージで勝ったのは、1968年以来の快挙だった。

サン・ルーカの丘でポガチャルがアタック

メイン集団は２度目のサン・ルーカで先頭をアダム・イェーツ（ＵＡＥチーム・エミレーツ）が引き、マイヨ・ジョーヌのバルデが遅れてしまった。そして頂上まで600mでポガチャルがアタックし、付いていけたのはディフェンディングチャンピオンのヨーナス・ヴィンゲゴー（ヴィスマ・リースアバイク）だけだった。

ポガチャルとヴィンゲゴーは２人でゴールを目指したが、ゴール目前でリチャル・カラパス（ＥＦエデュケーション・イージーポスト）とレムコ・エヴェネプール（スーダル・クイックステップ）に追いつかれてしまった。それでも前日に区間４位に入っていたポガチャルは、総合首位に立ってマイヨ・ジョーヌを獲得する事ができた。

マイヨ・アポワをキープしたアブラハムセンがマイヨ・ベールも獲得した (photo : A.S.O. /Billy Ceusters)

■第２ステージ結果
［６月30日／チェゼナーティコ（イタリア）～ボローニャ（イタリア）／199.2 km］
1. K. VAUQUELIN (ARKEA-B&B HOTELS / FRA) 04h 43′ 42”
2. J. ABRAHAMSEN (UNO-X MOBILITY / NOR) + 00′ 36”
3. Q. PACHER (GROUPAMA-FDJ / FRA) + 00′ 49”
4. C. RODRIGUEZ (ARKEA-B&B HOTELS / ESP) + 00′ 49”
5. H. TEJADA (ASTANA QAZAQSTAN TEAM / COL) + 00′ 49”
6. N. OLIVEIRA (MOVISTAR TEAM / POR) + 00′ 50”
7. A. LAURANCE (ALPECIN-DECEUNINCK / FRA) + 01′ 12”
8. M. TEUNISSEN (INTERMARCHÉ – WANTY / NED) + 01′ 33”
9. H. HOULE (ISRAEL – PREMIER TECH / CAN) + 01′ 36”
10. R. CARAPAZ (EF EDUCATION – EASYPOST / ECU) + 02′ 21”

12. R. EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) + 02′ 21”
13. J. VINGEGAARD (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / DEN) + 02′ 21”
14. T. POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO) + 02′ 21”
22. R. BARDET (TEAM DSM-FIRMENICH POSTNL / FRA) + 02′ 42”
27. P. ROGLIC (RED BULL – BORA – HANSGROHE / SLO) + 02′ 42”

■第２ステージ後の総合成績（マイヨ・ジョーヌ）
1. T. POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO) 09h 53′ 30”
2. R. EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL)
3. J. VINGEGAARD (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / DEN)
4. R. CARAPAZ (EF EDUCATION – EASYPOST / ECU)
5. R. BARDET (TEAM DSM-FIRMENICH POSTNL / FRA) + 00′ 06’’
6. M. VAN GILS (LOTTO DSTNY / BEL) + 00′ 21”
7. E. BERNAL (INEOS GRENADIERS / COL) + 00′ 21”
8. P. BILBAO (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP) + 00′ 21”
9. T. PIDCOCK (INEOS GRENADIERS / GBR) + 00′ 21”
10. G. CICCONE (LIDL-TREK / ITA) + 00′ 21”
19. P. ROGLIC (RED BULL – BORA – HANSGROHE / SLO) + 00′ 21”

［各賞］
■ポイント賞：J. ABRAHAMSEN (UNO-X MOBILITY / NOR)
■山岳賞 : J. ABRAHAMSEN (UNO-X MOBILITY / NOR)
（※第3ステージは V. MADOUAS (GROUPAMA-FDJ / FRA) が着用）
■新人賞：R. EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL)
■チーム成績：MOVISTAR TEAM (ESP)
■敢闘賞 : J. ABRAHAMSEN (UNO-X MOBILITY / NOR)

第３ステージは最初のスプリント区間