ツール・ド・フランス2024 グラベル区間の第9ステージはテュルジスが初優勝

  • photo A.S.O./Charly Lopez /Aurélien Vialatte / Billy Ceusters

第111回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月7日にシャンパーニュ地方のトロアがスタートとゴールの199kmで、ブドウ畑の未舗装路を走るグラベル区間の第9ステージを競い、地元フランスのアントニー・テュルジス(トタルエナルジー)が、逃げ切った小集団でのゴールスプリントを制し、区間初優勝を果たした。
 

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チュルジスがトタルエナルジーに7年ぶりのツール区間優勝をもたらした (photo : A.S.O./Aurélien Vialatte)

 
区間2位は英国のトム・ピドコック(イネオス・グレナディアズ)、3位はカナダのデレク・ジー(イスラエル・プルミエテック)だった。メイン集団は1分46秒遅れでゴールし、マイヨ・ジョーヌはスロベニアのタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ)が守った。今年のグラベル区間では総合上位に大きな変動はなく、深刻な落車事故も起こらなかった。
 

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未舗装路のシュマン・ブランを走るマイヨ・ジョーヌのポガチャル (photo : A.S.O. /Billy Ceusters)

 
14カ所のシュマン・ブランに挑むグラベル区間

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●第9ステージのコースプロフィール (MAP : A.S.O.)

 
第9ステージは173選手が出走。スタート前には前日にツアー・オブ・オーストリアの落車事故で亡くなったノルウエーのアンドレ・ドレーグ(チームコープ・レプソル)の追悼セレモニーが行われ、喪章を付けたノルウエーのウノエクス モビリティが最前列に並んだ。
 

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スタート前には前日にツアー・オブ・オーストリアの落車事故で亡くなったドレーグの追悼セレモニーが行われた (photo : A.S.O. /Charly Lopez)

 
この日のコースには白い未舗装路『シュマン・ブラン』が14カ所あり、その総距離は32kmだった。天気は良く、砂埃が選手たちを満ち受けていた。オフィシャルスタートからアタックがかかり始め、逃げと吸収が続いた後、46km地点で10人が逃げ出す事に成功し、最初のシュマン・ブランを迎えた。ここに30歳のテュルジスも加わっていた。

逃げにはさらに4選手が合流し、66km地点で14人になった。2カ所目のシュマン・ブランでヴィスマ・リースアバイクが先頭を引き、メイン集団は分断した。ここで総合4位のプリモシュ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)が遅れ、シュマン・ブランを抜けた時にメイン集団から30秒遅れていたが、彼はすぐ追いつく事ができた。
 

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未舗装路のシュマン・ブランで集団をコントロールするヴィスマ・リースアバイク (photo : A.S.O. /Charly Lopez)

 
3カ所目のシュマン・ブランでは、総合3位のヨーナス・ヴィンゲゴー(ヴィスマ・リースアバイク)が機材故障に見舞われた。彼はUAEチーム・エミレーツがコントロールする集団から遅れないように、チームメイトのヤン・トラットニック(ヴィスマ・リースアバイク)のバイクを借りてレースを続けた。

4カ所目のシュマン・ブランでポガチャルが攻撃を開始し、5カ所目では総合2位でマイヨ・ブランのレムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ)が集団から抜け出し、ゴールまで残り76kmで総合トップ3が集団から先行する場面があった。シュマン・ブランはまだ9カ所残っていた。

先頭の逃げは大きなタイム差を付けていなかった為、総合トップ3の3人はゴールまで残り74.5kmで一度逃げに追いついた。しかし、彼らにはそのまま先頭グループで走る意思はなく、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエが引く集団に戻った。ここで先頭の逃げでも動きがあり、ピドコック、ヤスペル・ストゥイヴェン(リドル・トレック)、ベン・ヒーリー(EFエデュケーション・イージーポスト)、ジー、アレクセイ・ルツェンコ(アスタナ カザクスタン チーム)の5人が先行した。
 

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未舗装路のシュマン・ブランを走る逃げグループ (photo : A.S.O. /Charly Lopez)

 
7カ所目のシュマン・ブランでテュルジスらが合流し、逃げは8人になった。ゴールまで残り43kmで、メイン集団からは7人が抜け出し、先頭の逃げを追った。そこにはアルカンシエルのマチュー・ファンデルプール(アルペシン・ドゥクーニンク)やマイヨ・ベールを着たビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ)が加わっていたが、彼らが先頭の逃げに合流する事はなかった。

メイン集団ではゴールまで残り22kmの9カ所目のシュマン・ブランで再びポガチャルがアタックしたが、ヴィスマ・リースアバイクがチームワークで窮地を脱し、結局このステージで総合上位に変動は生じなかった。

先頭ではゴールまで残り11.3kmでストゥイヴェンがアタックし、単独でゴールを目指したが、ゴールまで残り800mで捕まってしまった。最後は6人のゴールスプリントになり、テュルジスがフランスのトタルエナジーズに7年ぶりでツール区間優勝をもたらす事ができた。
 

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グラベルでも攻撃を続けたポガチャルがマイヨ・ジョーヌを守った (photo : A.S.O./Aurélien Vialatte)

 
■第9ステージ結果

[7月7日/トロア~トロア/199 km]
1. A. TURGIS (TOTALENERGIES / FRA) 04h 19′ 43”
2. T. PIDCOCK (INEOS GRENADIERS / GBR)
3. D. GEE (ISRAEL – PREMIER TECH / CAN)
4. A. ARANBURU (MOVISTAR TEAM / ESP)
5. B. HEALY (EF EDUCATION – EASYPOST / IRL)
6. A. LUTSENKO (ASTANA QAZAQSTAN TEAM / KAZ)
7. J. ROMO (MOVISTAR TEAM / ESP) + 00′ 12”
8. J. STUYVEN (LIDL-TREK / BEL) + 00′ 18”
9. B. GIRMAY (INTERMARCHÉ – WANTY / ERI) + 01′ 17”
10. M. MATTHEWS (TEAM JAYCO ALULA / AUS) + 01′ 17”
44. T. POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO) + 01′ 46”

■第9ステージ後の総合成績(マイヨ・ジョーヌ)
1. T. POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO) 35h 42′ 42”
2. R. EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) + 00′ 33”
3. J. VINGEGAARD (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / DEN) + 01′ 15”
4. P. ROGLIC (RED BULL – BORA – HANSGROHE / SLO) + 01′ 36”
5. J. AYUSO (UAE TEAM EMIRATES / ESP) + 02′ 16”
6. J. ALMEIDA (UAE TEAM EMIRATES / POR) + 02′ 17”
7. C. RODRIGUEZ (INEOS GRENADIERS / ESP) + 02′ 31”
8. M. LANDA (SOUDAL QUICK-STEP / ESP) + 03′ 35”
9. D. GEE (ISRAEL – PREMIER TECH / CAN) + 04′ 02”
10. M. JORGENSON (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / USA) + 04′ 03”

[各賞]
■ポイント賞:B. GIRMAY (INTERMARCHÉ – WANTY / ERI)
■山岳賞 : J. ABRAHAMSEN (UNO-X MOBILITY / NOR)
■新人賞 :R. EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL)
■チーム成績:UAE TEAM EMIRATES (UAE)
■敢闘賞 : J. STUYVEN (LIDL-TREK / BEL)
 

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残り800mで捕まって区間優勝を逃したストゥイヴェンは敢闘賞を受賞した (photo : A.S.O./Aurélien Vialatte)

 
7月8日は最初の休養日

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●第10ステージのコースプロフィール (MAP : A.S.O.)

 
ツール・ド・フランスは1週目を終え、7月8日はオルレアンで最初の休養日を過ごす。2週目はピレネー山脈を目指して南下を開始し、7月9日はオルレアンからサン・タマン・モンロンまでの187.3kmで、山岳ポイントがない平坦区間の第10ステージが行われる。
 

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(photo : A.S.O. /Charly Lopez)

 

ツール・ド・フランス 公式サイト

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