ツール・ド・フランス2024 中央山塊の第11ステージはヴィンゲゴーが優勝

  • photo A.S.O. /Aurélien Vialatte /Billy Ceusters / ©SprintCycling

第111回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月10日にエヴォー・レー・バンからル・リオランまでの211kmで、中央山塊区間の第11ステージを競い、デンマークのヨーナス・ヴィンゲゴー(チーム ヴィスマ・リースアバイク)が、マイヨ・ジョーヌを着たスロベニアのタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ)をゴールスプリントで打ち負かして区間優勝した。
 

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ヴィンゲゴーがゴールスプリントでマイヨ・ジョーヌのポガチャルを打ち負かした (©SprintCycling)

 
ヴィンゲゴーは区間1位で10秒のボーナスタイムを獲得したが、山頂通過のボーナスタイムもあったため、総合でのタイムはたった1秒しか縮める事ができなかった。区間3位には25秒遅れでマイヨ・ブランを着たベルギーのレムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ)が入った。
 

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ポガチャルのマイヨ・ジョーヌ着用日数は30日になった (photo : A.S.O./Aurélien Vialatte)


中央山塊の山岳ステージ

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●第11ステージのコースプロフィール (MAP : A.S.O.)

 
第11ステージは171選手が出走。ベルギーのティム・デクレルク(リドル・トレック)は病気でスタートしなかった。オフィシャルスタートからアタックと吸収が続き、最初の2時間の平均時速は47.1km/hとハイスピードなレースになり、集団から遅れる選手が続出した。

76km地点でリチャル・カラパス(EFエデュケーション・イージーポスト)とマテオ・ヴェルシェ(トタルエナジーズ)がアタックを成功させ、さらに選手が合流して10人の逃げグループになった。しかし、集団はUAEチーム・エミレーツが先頭をコントロールし続け、タイム差は大きくならなかった。
 

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レース中盤に逃げ出したカラパスとヴェルシェ (photo : A.S.O. /Billy Ceusters)

 
レース後半に入り、カテゴリー1のピュイ・マリー・パ・ド・ペロル峠で逃げはアダム・イェーツ(UAEチーム・エミレーツ)が引く集団に全員吸収された。そして頂上まで残り600mでマイヨ・ジョーヌのポガチャルがアタックし、ヴィンゲゴーに5秒差を付けてゴールまで残り31kmの頂上を単独で通過した。

下りでマイヨ・ジョーヌのポガチャルは追走するヴィンゲゴーの集団に30秒差を付け、頂上通過にボーナスタイムがかけられたカテゴリー2のペルテュ峠を上り始めた。ポガチャルはそのまま単独で区間優勝するのではないかと思われたが、4.4kmの上り坂でヴィンゲゴーが覚醒し、頂上間際で先頭のポガチャルに追いついてしまった。

ポガチャルはスプリントで頂上1位通過にかけられた8秒を稼ぎ、ヴィンゲゴーは5秒獲得した。2人は最後のフォン・ド・セール峠(カテゴリー3)で追走するプリモシュ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)とエヴェネプールに31秒差を付けていた。
 

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ヴィンゲゴーとポガチャルが2人でゴールを目指した (photo : A.S.O. /Billy Ceusters)

 
2人はそのままル・リオランに到着し、ヴィンゲゴーがゴールスプリントを制して区間通算4勝目を上げた。4月にイツリア・バスク・カントリー(UCIワールドツアー)の落車で負傷し、ツールが復帰レースだったヴィンゲゴーは、3月に総合優勝したティレーノ~アドリアティコ(UCIワールドツアー)以来の勝利だった。
 

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バスクの落車事故でレースから遠ざかっていたヴィンゲゴーは、3月のティレーノ~アドリアーティコ以来の優勝だった (photo : A.S.O./Aurélien Vialatte)

 
ポガチャルは今大会区間2勝目を逃したが、山岳賞で総合首位になり、マイヨ・アポワも獲得した。彼は初めて敢闘賞も受賞した。
 

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意外にもツールで初めて敢闘賞を受賞したポガチャル (photo : A.S.O./Aurélien Vialatte)

 
後方では、フォン・ド・セール峠の下りでログリッチが転倒したが、幸い怪我はなくレースを続ける事ができた。しかし、彼は区間4位でボーナスタイムを獲得する事はできなかった。

第11ステージは平均時速が42.5km/hを超え、ゴールの時間は予定よりも30分早かった。この日体調が悪かった英国のフレッド・ライト(バーレーン・ヴィクトリアス)は制限時間内にゴールできず、ツールを去らなければならなくなった。
 

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ヴィンゲゴーとポガチャルがツールの区間で1位、2位を競ったのは8度目だった (photo : A.S.O. /Billy Ceusters)


■第11ステージ結果

[7月10日/エヴォー・レー・バン~ル・リオラン/211 km]
1. J. VINGEGAARD (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / DEN) 04h 58′ 00”
2. T. POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO)
3. R. EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) + 00′ 25”
4. P. ROGLIC (RED BULL – BORA – HANSGROHE / SLO) + 00′ 25”
5. G. CICCONE (LIDL-TREK / ITA) + 01′ 47”
6. J. ALMEIDA (UAE TEAM EMIRATES / POR) + 01′ 47”
7. A. YATES (UAE TEAM EMIRATES / GBR) + 01′ 47”
8. M. LANDA (SOUDAL QUICK-STEP / ESP) + 01′ 47”
9. C. RODRIGUEZ (INEOS GRENADIERS / ESP) + 01′ 55”
10. F. GALL (DECATHLON AG2R LA MONDIALE TEAM / AUT) + 02′ 38”

■第11ステージ後の総合成績(マイヨ・ジョーヌ)
1. T. POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO) 45h 00′ 34”
2. R. EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) + 01′ 06”
3. J. VINGEGAARD (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / DEN) + 01′ 14’’
4. P. ROGLIC (RED BULL – BORA – HANSGROHE / SLO) + 02′ 15”
5. J. ALMEIDA (UAE TEAM EMIRATES / POR) + 04′ 20”
6. C. RODRIGUEZ (INEOS GRENADIERS / ESP) + 04′ 40”
7. M. LANDA (SOUDAL QUICK-STEP / ESP) + 05′ 38”
8. A. YATES (UAE TEAM EMIRATES / GBR) + 06′ 59”
9. J. AYUSO (UAE TEAM EMIRATES / ESP) + 07′ 09”
10. G. CICCONE (LIDL-TREK / ITA) + 07′ 36”

[各賞]
■ポイント賞:B. GIRMAY (INTERMARCHÉ – WANTY / ERI)
■山岳賞 : T. POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO)
(第12ステージは J. ABRAHAMSEN (UNO-X MOBILITY / NOR) が着用)
■新人賞 :R. EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL)
■チーム成績:UAE TEAM EMIRATES (UAE)
■敢闘賞 : T. POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO)


第12ステージは平坦区間

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●第12ステージのコースプロフィール (MAP : A.S.O.)

 
7月11日はオーリヤックからヴィルヌーヴ・シュル・ロットまでの203.6km で、平坦区間の第12ステージが行われる。コースにはカテゴリー4の丘が3カ所あり、3ポイント差で山岳賞総合2位のヨーナス・アブラハムセン(ウノエクス モビリティ)がポイントを取りに行くかもしれない。
 

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(photo : A.S.O. /Billy Ceusters)

 

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(photo : A.S.O. /Billy Ceusters)

 

ツール・ド・フランス 公式サイト

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