2019シクロクロス全日本選手権・前田公平、松本璃奈が連覇

第25回シクロクロス全日本選手権大会が、愛媛県内子町小田川豊河原特設コースにて2019年12月7日、8日の2日間に渡って開催された。

初日にはシングルスピード(エキシビジョン・レース)のほか、マスターズクラスの各年代別レースが行われ、最高峰クラスの男女エリート、男子U23、男女ジュニア、U17、U15のレースは2日目に行われた。

また初日の試走時間終了後には内子町の重要伝統的建造物群保存地区「八日市護国」の近くにある芝居小屋「内子座」で前夜祭として竹之内悠(ToyoFrame)、沢田時(TEAM BRIDGESTONE Cycling)、小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)、横山航太(シマノレーシング)、前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)、門田基志(TEAM GIANT)、松本璃奈(TEAM SCOTT Japan)、唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)、西山みゆき(Toyo Frame Field Model)、村上功太郎(松山大学)、織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)ら有力選手を紹介するプレゼンテーションが行われた。

会場となる内子町は愛媛県の南予地方にあり、ハゼの流通で財をなした商家が建ち並ぶ町並み保存を手かがりに、白壁と木蝋のまちづくりを進めて来た町。これまで7年連続で「小田川シクロクロスinうちこ」を開催しており、地元自治体の全面バックアップもあって県道56号線を約500mに渡り通行止めをし、ホームストレートとして利用したコースが可能となった。

開催日2日目の12月8日(日)は朝から快晴で、陽が当たると暖かく、男子エリートのスタート時刻には14度まで気温が上がった。

 

2019シクロクロス全日本選手権

男子エリート:69人が350m先の第1コーナー目指して加速する

2019シクロクロス全日本選手権

1列棒状に伸びた後方では渋滞も発生する

2019シクロクロス全日本選手権

多くのギャラリーが激坂を通過する選手を見守る

2019シクロクロス全日本選手権

終盤4人のパックに勝負が絞られた

 

前年チャンピオンの前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)を筆頭に2011年〜2015年チャンピオンの竹之内悠(ToyoFrame)、2016年チャンピオンの沢田時(TEAM BRIDGESTONE Cycling)、2017年チャンピオンの小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)、そして2017年、2018年と2年連続で2位となった横山航太(シマノレーシング)らが走る注目の男子エリートは69人が出走し9周回で争われた。

歴代の全日本チャンピオンと横山、それに今年の夏11度目のMTB—XCOの全日本チャンピオンとなった山本幸平(Dream Seeker MTB Racing Team)の6人が先頭パックとなってレースを展開するがはじめに横山が遅れ、次に沢田がパックから脱落、勝負は4人に絞られたが終盤、山本が遅れると小坂もファイナルラップに突入するころには遅れ始めた。

ファイナルラップを走る前田と竹之内は、この日の最速ラップをマークし、勝負はゴールスプリントへ。300mにも及ぶ最終のストレートで竹之内をスプリントで前田がまくると、後ろを振り向き差を確認してガッツポーズでフィニッシュラインを駆け抜け2連覇を達成。先に男子U23で優勝した織田聖と合わせて弱虫ペダルサイクリングチームが2冠を達成した。

 

2019シクロクロス全日本選手権

男子エリート:ゴールスプリントでまくり両拳をそれに突き上げてフィニッシュする前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)

2019シクロクロス全日本選手権

男子エリート表彰式

 

女子エリートでは、松本璃奈(TEAM SCOTT JAPAN)が1周目にトップに立つとそのまま独走。2連覇を達成した。2位には各地で好成績を出している赤松綾(SimWorks Racing)が入った。

男子U23では織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)が、村上功太郎(松山大学)に2分以上の大差をつけ2年ぶりのチャンピオンになった。

 

2019シクロクロス全日本選手権

女子エリート表彰式

2019シクロクロス全日本選手権

女子エリート:先頭を独走する松本璃奈(TEAM SCOTT JAPAN)

2019シクロクロス全日本選手権

男子U23表彰式

2019シクロクロス全日本選手権

男子U23:型のゼッケン「1」を掲げてフィニッシュする織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)

 

男子ジュニアでは村上裕二郎(松山工業高校)が、松本一成(TEAM SCOTT JAPAN)をゴールスプリントで下し、ジュニア1年目でタイトル獲得。

今年から新たにカテゴリが追加された女子ジュニアはロード、MTBでもタイトルを持つ渡部春雅(駒澤大学高等学校)が優勝した。

男子U17は柚木伸元(Pro Ride)、女子U17は大蔵こころ(松山城南高等学校)、男子U15は佐々木啄人(ボンシャンス)、日吉愛華(LimitedTeam846まるいち)がそれぞれ優勝し、チャンピオンジャージに袖を通した。

 

前日の7日(土曜日)は、朝から曇りで気温もなかなか上がらない中で第1レースのシングルスピードのレースがエキシビジョン・レースとして行われ、牧野崇(COGS)が優勝。

マスターズ50-59クラスでは名古屋から会場到着に17時間を要した筧太一(BUCYOCOFFEE/CLT)がホールショットを獲るとそのまま独走優勝。

マスターズ60+クラスは松井正通(TOYOFRAME)が、女子マスターズは地元愛媛県の中川左裕里(Ehime Happy Girls Racing Team)が優勝した。

マスターズ35-39クラスでは落合友樹(TeamRuedaNAGOYA)が優勝、激闘が展開されたマスターズ40-49クラスでは筧五郎(56)が1周目のトラブルを跳ね返してスプリントで優勝した。

 

第25回シクロクロス全日本選手権大会リザルト
開催日:2019年12月7日(土)、8日(日)
開催地:愛媛県喜多郡内子町

男子エリート (9Laps)
1位 前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)0:56:33
2位 竹之内悠(ToyoFrame)+0:00:00
3位 小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)+0:00:13

女子エリート (6Laps)
1位 松本璃奈(TEAM SCOTT JAPAN)0:43:41
2位 赤松綾(SimWorks Racing)+0:00:29
3位 西山みゆき(Toyo Frame Field Model)+0:02:05

男子U23 (8Laps)
1位 織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)0:50:56
2位 村上功太郎(松山大学)+0:02:12
3位 積田連(SNEL CYCLOCROSS TEAM)+0:03:19

男子ジュニア (6Laps)
1位 村上裕二郎(松山工業高校)0:39:54
2位 松本一成(TEAM SCOTT JAPAN)+0:00:02
3位 鈴木来人(BonneChance)+0:00:58

女子ジュニア (5Laps)
1位 渡部春雅(駒澤大学高等学校)0:38:32
2位 石田唯(北桑田高校)+0:00:55

男子U17 (5Laps)
1位 柚木伸元(Pro Ride)0:31:36
2位 永野昇海(イナーメ信濃山形)+0:01:05
3位 長島慧明(FM730)+0:02:45

女子U17 (4Laps)
1位 大蔵こころ(松山城南高等学校)0:27:37
2位 中島瞳(TRIGON with KURE/BOUNCE)+0:00:22
3位 水谷彩奈(新潟)+0:03:28

男子U15 (5Laps)
1位 佐々木啄人 (BonneChance) 0:32:59
2位 澤井千洋(TEAM GRM)+0:00:58
3位 水上央渉(ブラウブリッツェン)+0:01:41

女子U15 (4Laps)
1位 日吉愛華(LimitedTeam846まるいち)0:27:39
2位 西原夕華(TOYO CT)+0:02:39

シングルスピード (5Laps)
1位 牧野崇(COGS)0:35:43
2位 腰山雅大(All-City Cycles / 662CCC)+0:00:09
3位 吉元健太郎(チーム鳴木屋/Pep Cycles) +0:00:14

男子マスターズ 50-59 (4Laps)
1位 筧太一(BUCYOCOFFEE/CLT) 0:28:50
2位 藤井修(きゅうべえsports) +0:00:28
3位 浅井秀樹(SNEL CYCLOCROSS TEAM) +0:00:32

男子マスターズ 60+ (4Laps)
1位 松井正通(TOYOFRAME) 0:32:19
2位 鈴木徹(ナカガワ RC) +0:01:06
3位 中島敏夫(チーム泥んこプロレス) +0:03:08

女子マスターズ (3Laps)
1位 中川左裕里(Ehime Happy Girls Racing Team) 0:26:39
2位 武田美夕紀(走れ馬鹿犬) +0:00:36
3位 原田悦子(Team Shiokaze CX) +0:01:06

男子マスターズ 35-39 (5Laps)
1位 落合友樹(TeamRuedaNAGOYA) 0:36:11

男子マスターズ 40-49 (5Laps)
1位 筧五郎(56サイクル) 0:35:26
2位 萬谷和也(FUJIMOTO FARM) +0:00:01
3位 石川正道(ChampionSystemJapanTestTeam) +0:00:10

日本シクロクロス競技主催者協会(AJOCC)公式サイト