ツール・ド・フランス2024 第13ステージはフィリプセンが2勝目

  • photo A.S.O. /Charly Lopez /Billy Ceusters / ©SprintCycling

第111回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月12日にアジャンからポーまでの165.3kmで平坦区間の第13ステージを競い、残り1kmで発生した落車事故を逃れた選手たちでの集団ゴールスプリントになり、ベルギーのヤスペル・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク)が第10ステージに続いて今大会区間2勝目を上げた。
 

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落車を逃れたフィリプセンが今大会2勝目を上げた (©SprintCycling)

 
区間2位はベルギーのワウト・ヴァンアールト(チーム ヴィスマ・リースアバイク)、3位はドイツのパスカル・アッカーマン(イスラエル・プルミエテック)だった。マイヨ・ジョーヌを着たスロベニアのタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ)は区間9位でゴールし、総合首位を守った。
 

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チーム ヴィスマ・リースアバイクのエシェロン作戦を退け、総合首位を守ったポガチャル (photo : A.S.O. /Charly Lopez)

 
ログリッチが不出走

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●第13ステージのコースプロフィール (MAP : A.S.O.)

 
第13ステージは160選手が出走。前日落車に巻き込まれたスロベニアのプリモシュ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)と、体調不良のヘスス・エラダ(コフィディス/スペイン)がスタートしなかった。

オフィシャルスタートの合図と同時にアタックが開始され、世界チャンピオンのマチュー・ファンデルプール(アルペシン・ドゥクーニンク)や山岳賞総合2位でマイヨ・アポワを着たヨーナス・アブラハムセン(ウノエクス モビリティ)を含めた強力な集団が逃げ出した。強い横風が吹く中、先頭には総合8位のアダム・イェーツ(UAEチーム・エミレーツ)やミハウ・クフィアトコフスキー(イネオス・グレナディアズ)らが合流し、逃げ集団は22人になった。

メイン集団は強い横風の中をチーム ヴィスマ・リースアバイクが引き続け、分断(エシェロン)が発生したが、マイヨ・ジョーヌのポガチャルはジョアン・アルメイダ(UAEチーム・エミレーツ)と共に、5人のチーム ヴィスマ・リースアバイクが引く前方集団に加わっていた。しかし、後方ではこのハイペースに付いて行けず、総合9位のフアン・アユソ(UAEチーム・エミレーツ)がレースを棄権した。彼は前日から体調不良を訴えていた。
 

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序盤から世界チャンピオンが加わった強力な集団が逃げ出した (photo : A.S.O. /Charly Lopez)

 
チーム ヴィスマ・リースアバイクの加速にも関わらず、先頭の逃げ集団は45km地点で1分差を付けていたが、その差は次第に縮まっていった。先頭では60km地点で4人が逃げ出した。ゴールまで残り62kmでチーム ヴィスマ・リースアバイクが再びメイン集団の先頭を引いて分断が起き、メイン集団は40人ほどになった。彼らは115km地点で先頭を逃げていた4選手を捕まえた。

この日は後半にカテゴリー4の丘が2カ所あったが、そこでアタックしたのはアブラハムセンではなく、チームメイトのトビアスハラン・ヨハンネセン(ウノエクス モビリティ)だった。彼はリチャル・カラパス(EFエデュケーション・イージーポスト)と一緒に集団から抜け出し、2カ所の丘を先頭で通過した。彼らはゴールまで残り21kmで集団に吸収された。
 

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後半のカテゴリー4の丘を先頭で通過したのはアブラハムセンのチームメイトだった (photo : A.S.O. /Charly Lopez)

 
70人ほどになっていたメイン集団では終盤もアタックが続いたが、最後は集団ゴールスプリントになり、アンテルマルシェ・ワンティが列車を組んで残り1kmのフラム・ルージュを通過した。残り600mで集団の左側で落車事故が発生し、アモリ・カピオット(アルケア・B&Bホテルズ)、ケース・ボル(アスタナ・カザクスタン チーム)が巻き込まれ、ベルギーチャンピオンのアルノー・ドゥリー(ロット・デスティニー)も足止めされてしまった。

最後はヨーロッパチャンピオンのクリストフ・ラポルト(チーム ヴィスマ・リースアバイク)がヴァンアールトをリードアウトしたが、残り250mでスプリントを開始して先頭に出たフィリプセンは誰にも追い越されなかった。
 

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フィリプセンのツール区間優勝数は通算8勝になった (photo : A.S.O. /Charly Lopez)

 
■第13ステージ結果

[7月12日/アジャン~ポー/165.3 km]
1. J. PHILIPSEN (ALPECIN-DECEUNINCK / BEL) 03h 23′ 09”
2. W. VAN AERT (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / BEL)
3. P. ACKERMANN (ISRAEL – PREMIER TECH / GER)
4. B. GIRMAY (INTERMARCHÉ – WANTY / ERI)
5. N. ARNDT (BAHRAIN VICTORIOUS / GER)
6. J. STUYVEN (LIDL-TREK / BEL)
7. C. RUSSO (GROUPAMA-FDJ / FRA)
8. B. COQUARD (COFIDIS / FRA)
9. T. POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO)
10. S. WAERENSKJOLD (UNO-X MOBILITY / NOR)

■第13ステージ後の総合成績(マイヨ・ジョーヌ)
1. T. POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO) 52h 40′ 58”
2. R. EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) + 01′ 06”
3. J. VINGEGAARD (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / DEN) + 01′ 14’’
4. J. ALMEIDA (UAE TEAM EMIRATES / POR) + 04′ 20”
5. C. RODRIGUEZ (INEOS GRENADIERS / ESP) + 04′ 40”
6. M. LANDA (SOUDAL QUICK-STEP / ESP) + 05′ 38”
7. A. YATES (UAE TEAM EMIRATES / GBR) + 06′ 59”
8. G. CICCONE (LIDL-TREK / ITA) + 07′ 36”
9. D. GEE (ISRAEL – PREMIER TECH / CAN) + 07′ 54”
10. M. JORGENSON (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / USA) + 08′ 56”

[各賞]
■ポイント賞:B. GIRMAY (INTERMARCHÉ – WANTY / ERI)
■山岳賞 : T. POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO)
(第14ステージは J. ABRAHAMSEN (UNO-X MOBILITY / NOR) が着用)
■新人賞 :R. EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL)
■チーム成績:UAE TEAM EMIRATES (UAE)
■敢闘賞 : M. CORT (UNO-X MOBILITY / DEN)


週末はピレネー超級頂上ゴール2連戦

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●第14ステージのコースプロフィール (MAP : A.S.O.)

 
ツール一行はピレネーの玄関口に到着し、今週末にはいよいよピレネー山岳2連戦が行われる。7月13日の第14ステージはポーをスタートし、標高1669mでカテゴリー超級のサン・ラリー・スラン(プラ・ダデ)にゴールする151.9kmのコースで、今年最初の頂上ゴールとなり、遂に本格的な総合争いがスタートする。

コース前半は平坦だが、中盤に標高2115mでカテゴリー超級のツールマレー峠を越え、さらにカテゴリー2のウルケット・ダンチザン峠を越えた後、ゴールがあるサン・ラリー・スランを上る。
 

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(photo : A.S.O. /Billy Ceusters)

 

ツール・ド・フランス 公式サイト

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