2024全日本選手権マウンテンバイクXCO 男子は沢田、女子は小林が優勝

目次

7月7日(日)に富士見パノラマリゾートで行なわれた第37回全日本選手権マウンテンバイク・クロスカントリーオリンピック(XCO)種目エリートは、沢田時と小林あか里が優勝した。

2024全日本選手権マウンテンバイク・XCO

沢田時はアジアチャンピオンを着用しての初レースで優勝。全日本ロードでの経験でまた強くなれたという

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ユースを除く全クラスのチャンピオンが勢揃い

 

アジア王者・沢田時、3年ぶりの全日本チャンピオン獲得!

前日のショートトラック終了後に雨に見舞われた富士見パノラマだが、午後の男子エリート/U23スタートの頃には気温も30度を超えた。

今年のコースレイアウトは、昨年と比較してテクニカルな要素が増えた上に「脚を休めるところがほとんどない」という声も聞かれ、スキルと忍耐力が試されるレースとなった。

14時にスタートしたエリートは、平林安里を先頭にショートループを消化。これに沢田時、北林力、竹内遼と続くが、森の中で沢田が前に出ると竹内が2位。平林と追いついてきた宮津旭がセカンドパックを形成。

沢田は「きつそうなところで仕掛けましたけど、なかなか離れてくれずやっぱり今日は厳しいなと思いました」と竹内との序盤の攻防を振り返る。

この2人に追いついた平林が一旦は前に出るも、5周目に沢田が仕掛けて一気に10秒近いリードを築く。

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沢田が最も警戒した平林を先頭に7周回の戦いがスタート

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富士見パノラマ名物の「大岩」をクリアするトップの沢田

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最終ラップに猛チャージした平林だが「シングルトラックで時さんと目が合った途端、逃げられました」

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前年の勝者、北林は、海外遠征で崩した体調が回復せず、苦しい2日間だった

 

最終ラップに入った時点で15秒まで差をつけられた平林だったが、メインストレートを豪快なダンシングで駆け上がりその差を詰めていく。

だがゲレンデを横断する上りでもう一段加速した沢田が逃げ切って優勝した。

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男子エリート表彰台

 

女子エリートは小林あか里が昨年に続き優勝

5カテゴリーが同時スタートした女子は、前日の勝者、川口うららを先頭にスタートループを消化。本コースに入る前に小林あか里が先頭に立って、川口、日吉姉妹、石田を引き連れシングルトラックに消えていく。カテゴリーごとに周回が異なるためペース配分にも違いが出るが、ユースの日吉彩華が先頭でロックセクションと大岩をクリア。

続く小林は淡々としたペースで周回を重ねエリート首位をキープ。

ユースの有松鈴々菜、U23の石田唯を挟んでエリート2位の川口の順。その後も大きな変動はなくレースは推移。最後まで危なげない走りを見せた小林が2年連続チャンピオンの座に着いた。

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女子のスタート。大外から攻める小林と最短距離をとった川口

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女子エリート優勝の小林「言いたいことはたくさんあるけれど、今だけは優勝できて嬉しいです」様々な思いを抱えながらたどり着いた勝利

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クップ・ドュ・ジャポンMTB開幕戦は「全然準備ができてなかった」とDNF。全日本選手権という大舞台で本来の走りを取り戻した

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今年も小林とタイトルを分けあった川口。五輪で組むメカニックとの連携など収穫はあったようだ

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女子エリート表彰台。3位には表彰台常連になりつつある竹村が入賞

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小林はゴールで待っていた母の可奈子さんと抱き合い号泣。

 

U23、ジュニア、ユース、マスター結果

男子エリートの2分後にスタートした男子U23は、先のアジア大陸選手権でチャンピオンとなった副島達海がリード。これに松本一成と高橋翔が絡む展開。

「アジア選手権後からコンディションが整わない」とクップ・ドュ・ジャポンMTBでは苦戦した副島は、3人で追いついたエリートをかわしながら徐々にリードを広げていき、6周目以降は高橋とのマッチレースとなったが、フィジカルに勝る副島が高橋に1分差をつけフィニッシュ。クラス連覇を達成した。

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アジアチャンピオンとなり、そのプレッシャーからか国内で苦戦してきた副島だが、家族の支えで日本一の座を勝ち取った

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男子u23表彰台。後半失速した松本を抜いた鈴木来人が3位表彰台を獲得

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今回ただ1人、女子U23の石田だが、クップ・ドュ・ジャポンMTBではエリートクラス首位に立っている

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女子ジュニアも日吉愛華のみのエントリー。かけ水を浴び暑さに耐えて走り抜いた

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71人でスタートした男子マスターズ。XCCウイナーの岡本が積極的にレースを引っ張る

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久しぶりの参戦ゆえ、最後列からスタートして3周目には全員抜きを達成した山本和弘が、男子マスターズ総合優勝

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全日本タイトルには縁がなかった男子ジュニア・野嵜然新。スタートこそ垣原に先行されるが、その後は力強い走りで独走優勝

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1周目にチェーン切れで最後尾から追い上げた男子ジュニア・成田光志。怒濤の追い上げで2位フィニッシュ

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ダイナミックな走りでユース1位の中仙道侑毅

 

【リザルト】

男子エリート 7Laps
1. 沢田 時(宇都宮ブリッツェン) 1:18:54.47
2. 平林安里(TEAM SCOTT CHAOYANG TERRA SYSTEM) +25.71
3. 宮津 旭(OLIVE) +19.42

女子エリート 5Laps
1. 小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)1:07:24.74
2. 川口うらら(TEAM TATSUNO) +2:13.74
3. 竹村舞葉(AX MTB Team Elite) +13:32.96

男子U23 7Laps
1. 副島達海(大阪産業大学) 1:19:20.87
2. 高橋 翔(日本体育大学) +1:00.65
3. 鈴木来人(アヴニールサイクリング山梨) +3:22.87

女子U23 4Laps
1. 石田 唯(TRKWorks) 0:58:08.43

男子ジュニア
1. 野嵜然新(RACING TORQUE) 0:45:57.54
2. 成田光志(OLIVE) +1:45.74
3. 内野友太(Q-SHU UNION CJ UNIT) +3:11.03

女子ジュニア 4Laps
1. 日吉愛華(中京大学/Teamまるいち) 0:59:02.20

男子マスターズ 4laps
1. 山本和弘(Cannondale Japan) 0:49:46.89 (40-49)
2. 岡本紘幸(NESTO FACTORY RACING) +1:31.06 (35-39)
3. 小林義典(TeamSoleil悠) +5:16.21 (50+)

女子マスターズ 2Laps
1. 片岡 幸(Team轍屋) 0:33:10.35
2. 小林真澄(TeamSoleil悠) +1:28.57
3. 小田島梨絵(Heritage Keeper) +3:52.29

男子ユース 3Laps
1. 中仙道侑毅(ATHLETE FARM MTB CLUB) 0:36:43.16
2. 工藤遥真(TEAM BG8) +31.3
3. 松山海司(Sonic-Racing) +52.88

女子ユース 3Laps
1. 日吉彩華(岐阜第一高等学校/Teamまるいち) 0:40:42.44
2. 有松鈴々菜(Q-MAX) +1:31.71
3. 神武奏帆(チーム輪工房) +9:54.12

 

XCOコーステクニカルデータ
コース長:3.6km
最高地点:1050m

スタート標高:970m
最低地点:950m
標高差:100m

全リザルトはこちら(JCF)