ツール・ド・フランス2024 ピレネー頂上ゴールの第15ステージはポガチャルが連勝

  • photo A.S.O. /Billy Ceusters /Charly Lopez /Aurélien Vialatte

第111回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、フランスの祝日である革命記念日の7月14日に、ルーダンヴィエルからカテゴリー超級のプラトー・ド・ベイユまでの197.7kmで超級頂上ゴールの第15ステージを競い、マイヨ・ジョーヌのタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ/スロベニア)が2日連続独走で圧勝し、今大会区間3勝目を上げた。
 

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ピレネー頂上ゴールを独走で連勝したマイヨ・ジョーヌのポガチャル (photo : A.S.O. /Charly Lopez)

 
山岳賞総合2位でマイヨ・アポワを着ていたデンマークのヨーナス・ヴィンゲゴー(チーム ヴィスマ・リースアバイク)は1分8秒遅れの区間2位、マイヨ・ブランを着たベルギーのレムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ)は2分51秒遅れで区間3位だった。

2週目を終え、総合成績はマイヨ・ジョーヌのポガチャルと2位のヴィンゲゴーのタイム差が3分以上開いてしまった。
 

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今大会区間3勝目を上げたポガチャルのツール区間優勝数は通算で14勝になった (photo : A.S.O./Aurélien Vialatte)


革命記念日のピレネー頂上ゴール

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●第15ステージのコースプロフィール (MAP : A.S.O.)

 
第15ステージは154選手が出走。フランスの祝日である革命記念日のステージで、フランス選手の区間優勝が期待されていた。スタートしてすぐにカテゴリー1のペイルスールド峠の上りが始まり、アタックも始まった。7km地点の頂上はフランスのダヴィド・ゴデュ(グルパマ・FDJ)が先頭で通過したが、そのまま逃げ出す事はできなかった。

この日は37km地点に中間スプリントがあり、30km地点でマイヨ・ベールのビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ)を含めた21人が集団から逃げ出した。中間スプリントはギルマイが先頭で通過したが、スプリントで違反があったとして降格になり、マイケル・マシューズ(チーム ジェイコ・アルウラー)が繰り上げで1位通過になった。

中間スプリントを通過後、2カ所目のマンテ峠(カテゴリー1)が始まり、チーム ヴィスマ・リースアバイクがコントロールする集団からリチャル・カラパス(EFエデュケーション・イージーポスト)がアタックし、逃げ集団に合流した。50km地点の山頂はハビエル・ロモ(モビスターチーム)が先頭で通過した。

次のポルテ・ダスペット峠(カテゴリー1)のふもとで、逃げと集団のタイム差は1分半に開いていた。65.4kmの山頂はトビアスハラン・ヨハンネセン(ウノエクス モビリティ)が先頭で通過した。峠越えは一旦なくなり、123km地点で15人の逃げ集団はメイン集団のタイム差を3分半にまで広げる事ができた。
 

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(photo : A.S.O. /Charly Lopez)

 
後半に入り、アニュ峠(カテゴリー1)が目前に迫った残り73km地点で、逃げ集団は2つに別れ、ローレンス・デプルス(イネオス・グレナディアズ)、ベン・ヒーリー(EFエデュケーション・イージーポスト)、ジャイ・ヒンドリーとマッテーオ・ソブレーロ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)、エンリク・マス(モビスターチーム)、ロモの6人になった。彼らはアニュ峠のふもとでメイン集団に3分45秒差を付けていた。

アニュ峠で先頭はさらにヒンドリー、デプルス、マスの3人に絞られ、そこに山頂まで残り2kmでカラバスが追いついた。ゴールまで残り59kmの山頂はデプルスが先頭で通過した。チーム ヴィスマ・リースアバイクが引き続けるマイヨ・ジョーヌ集団は15人ほどになっていたが、総合上位の選手は全員顔を揃えていた。
 

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アニュ峠で先頭を逃げるマス、ヒンドリー、デプルス (photo : A.S.O. /Charly Lopez)

 
先頭の逃げは残り35.5kmでヨハンネセンが追いつき、5人でゴールのプラトー・ド・ベイユを目指した。残り15.8kmのふもとでマイヨ・ジョーヌ集団とのタイム差は2分34秒だった。

最後のプラトー・ド・ベイユが始まると、マイヨ・ジョーヌ集団はマッテーオ・ヨーゲンソン(チーム ヴィスマ・リースアバイク)が引き始めた。逃げはカラバスとマスがアタックをかけ合って先行したが、ゴールはまだ10km以上先で、マイヨ・ジョーヌ集団とのタイム差は既に1分を切っていた。
 

ヴィンゲゴーがアタック

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プラトー・ド・ベイユでマイヨ・ジョーヌ集団を引き続けたヨーゲンソン (photo : A.S.O. /Charly Lopez)

 
ゴールまで残り11kmで先頭を引き続けていたヨーゲンソンが仕事を終えた瞬間に、マイヨ・アポワのヴィンゲゴーがアタックしたが、すぐ後方を走っていたマイヨ・ジョーヌのポガチャルは、全く動じる事なく彼に付いて行った。2人は残り9.2kmで逃げを追い越し、先頭に立った。

ヴィンゲゴーは先頭でプラトー・ド・ベイユを上り続けたが、ポガチャルを蹴落とす事はできなかった。それどころか、残り5.4kmでアタックしたポガチャルに、ヴィンゲゴーは付いて行けなかった。残り3kmで、2人のタイム差は30秒に開いていた。マイヨ・ジョーヌのポガチャルはそのまま独走で山頂に到着し、両手を上げてフィニッシュラインを通過した。これで彼のツール区間優勝数は通算14勝になった。
 

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2日連続で最後は独走になったマイヨ・ジョーヌのポガチャル (photo : A.S.O. /Charly Lopez)

 
ポガチャルのマイヨ・ジョーヌ着用日数は34日となり、歴代10位のルイゾン・ボベ(フランス)、オッタヴィオ・ボテッキア(イタリア)に並んだ。
 

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プラトー・ド・ベイユで攻撃したヴィンゲゴーは逆に1分以上遅れてしまった (photo : A.S.O. /Charly Lopez)

 
■第15ステージ結果

[7月14日/ルーダンヴィエル~プラトー・ド・ベイユ/197.7 km]
1. T. POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO) 05h 13′ 55”
2. J. VINGEGAARD (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / DEN) + 01′ 08”
3. R. EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) + 02′ 51”
4. M. LANDA (SOUDAL QUICK-STEP / ESP) + 03′ 54”
5. J. ALMEIDA (UAE TEAM EMIRATES / POR) + 04′ 43”
6. A. YATES (UAE TEAM EMIRATES / GBR) + 04′ 56”
7. S. BUITRAGO (BAHRAIN VICTORIOUS / COL) + 05′ 08”
8. C. RODRIGUEZ (INEOS GRENADIERS / ESP) + 05′ 08”
9. R. CARAPAZ (EF EDUCATION – EASYPOST / ECU) + 05′ 41”
10. F. GALL (DECATHLON AG2R LA MONDIALE TEAM / AUT) + 05′ 57”

■第15ステージ後の総合成績(マイヨ・ジョーヌ)
1. T. POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO) 61h 56′ 24”
2. J. VINGEGAARD (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / DEN) + 03′ 09”
3. R. EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) + 05′ 19”
4. J. ALMEIDA (UAE TEAM EMIRATES / POR) + 10′ 54”
5. M. LANDA (SOUDAL QUICK-STEP / ESP) + 11′ 21”
6. C. RODRIGUEZ (INEOS GRENADIERS / ESP) + 11′ 27”
7. A. YATES (UAE TEAM EMIRATES / GBR) + 13′ 38”
8. G. CICCONE (LIDL-TREK / ITA) + 15′ 48”
9. D. GEE (ISRAEL – PREMIER TECH / CAN) + 16′ 12”
10. S. BUITRAGO (BAHRAIN VICTORIOUS / COL) + 16′ 32”

[各賞]
■ポイント賞:B. GIRMAY (INTERMARCHÉ – WANTY / ERI)
■山岳賞 : T. POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO)
(第17ステージは J. VINGEGAARD (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / DEN) が着用)
■新人賞 :R. EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL)
■チーム成績:UAE TEAM EMIRATES (UAE)
■敢闘賞 : R. CARAPAZ (EF EDUCATION – EASYPOST / ECU)
 


7月15日は最後の休養日

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●第16ステージのコースプロフィール (MAP : A.S.O.)

 
7月15日はグリュイッサンで最後の休養日を過ごし、翌日からはいよいよ最終週がスタートする。7月26日に開幕するパリオリンピックの影響で、今年は南仏のニースが最終目的地になるが、その前にもう一度アルプス山岳ステージがあり、ツール一行はフランス南東部を目指す。

最終週初日の7月16日は、グリュイッサンからニームまでの188.6kmで、今年最後の平坦区間となる第16ステージが行われる。
 

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(photo : A.S.O. /Charly Lopez)

 

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(photo : A.S.O. /Billy Ceusters)

 

ツール・ド・フランス 公式サイト

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