ツール・ド・フランス2024 第18ステージは32歳のカンペナールツが区間初優勝
第111回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月18日にギャップからバルスロンネットまでの179.5kmで、アルプス丘越え区間の第18ステージを競い、ベルギーのヴィクトール・カンペナールツ(ロット・デスティニー)が3選手でのゴールスプリントを制し、32歳で区間初優勝を果たした。
区間2位はフランスのマテオ・ヴェルシェ(トタルエネルジー)、3位はポーランドのミハウ・クフィアトコフスキー(イネオス・グレナディアズ)だった。メイン集団は13分40秒遅れでゴールし、スロベニアのタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ)が総合リーダーのマイヨ・ジョーヌを守った。
5つの丘を越えるステージ
第18ステージは前日完走した145選手が全員出走。オフィシャルスタートからアタックがかかり始め、20km地点で20人が逃げ出し、最初のカテゴリー3の丘を上り始めた。逃げ集団には更に選手たちが合流し、最終的に37人に膨らんだ。そこにはUAEチーム・エミレーツ、アルペシン・ドゥクーニンク、スーダル・クイックステップ、アスタナ・カザクスタン チームの選手が含まれていなかったが、この4チームは既に今年のツールで区間優勝していた。
逃げ集団で最も総合成績が上位なのはステフ・クラス(トタルエネルジー)で、32秒58秒遅れの総合14位だったため、メイン集団はこの逃げを容認し、タイム差はどんどん広がっていった。最初の3カ所の丘はオイエル・ラスカノ(モビスターチーム)が先頭で通過し、84.3km地点の中間スプリントはマイケル・マシューズ(チーム ジェイコ・アルウラー)が先頭で通過した。ゴールまで残り70kmで、逃げ集団とメイン集団のタイム差は既に7分開いていた。
後半に入り、逃げ集団では4カ所目のサン・タポリネール(カテゴリー3)の丘でアタックが始まり、ゴールまで残り58.5kmの山頂はトビアスハラン・ヨハンネセン(ウノエクス モビリティ)が先頭で通過した。メイン集団はここで既に10分以上遅れていた。
そしてこの日最後のデモワゼル・コワフェの丘(カテゴリー3)でアタックを決めたのはクフィアトコフスキーだった。彼は山頂近くで逃げ集団から抜け出し、先頭で山頂を通過した。下りでカンペナールツとヴェルシェが合流し、ゴールまで残り35kmで先頭は3人になった。後方ではヨハンネセンが下りのカーブで転倒したが、幸いレースを続ける事ができた。
カテゴリーの付いた丘はもうなかったが、ゴールまでは上りが続いていた。先頭の3人は良く協力しあい、残り12kmで追走グループとのタイム差は1分以上に開いていた。最後は3選手でのゴールスプリントになり、残り900mで最初にヴェルシェが仕掛けたが失敗に終わった。そして残り200mで最後尾に付けていたカンペナールツがスプリントを開始し、あっさり2人を打ち負かして遂に悲願の区間初優勝を勝ち取った。
ベルギーのロット・デスティニーがツールで区間優勝したのは2020年以来だった。表彰台の下では、ゴールしたばかりのチームメイトたちがカンペナールツの表彰式を見守っていた。カンペナールツは昨年のツールでスーパー敢闘賞を受賞していた。
ポガチャルのマイヨ・ジョーヌ着用日数は37日になり、ベルギーのフィリップ・テイス、ルクセンブルクのニコラス・フランツと並んで歴代7位になった。
■第18ステージ結果
[7月18日/ギャップ~バルスロンネット/179.5 km]
1. V. CAMPENAERTS (LOTTO DSTNY / BEL) 04h 10′ 20”
2. M. VERCHER (TOTALENERGIES / FRA)
3. M. KWIATKOWSKI (INEOS GRENADIERS / POL)
4. T. SKUJINS (LIDL-TREK / LAT) + 00′ 22”
5. O. LAZKANO (MOVISTAR TEAM / ESP) + 00′ 22”
6. B. LEMMEN (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / NED) + 00′ 22”
7. K. NEILANDS (ISRAEL – PREMIER TECH / LAT) + 00′ 22”
8. J. HINDLEY (RED BULL – BORA – HANSGROHE / AUS) + 00′ 22”
9. W. VAN AERT (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / BEL) + 00′ 37”
10. M. MATTHEWS (TEAM JAYCO ALULA / AUS) + 00′ 37”
44. T. POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO) + 13′ 40”
■第18ステージ後の総合成績(マイヨ・ジョーヌ)
1. T. POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO) 74h 45′ 27”
2. J. VINGEGAARD (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / DEN) + 03′ 11”
3. R. EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) + 05′ 09”
4. J. ALMEIDA (UAE TEAM EMIRATES / POR) + 12′ 57”
5. M. LANDA (SOUDAL QUICK-STEP / ESP) + 13′ 24”
6. C. RODRIGUEZ (INEOS GRENADIERS / ESP) + 13′ 30”
7. A. YATES (UAE TEAM EMIRATES / GBR) + 15′ 41”
8. G. CICCONE (LIDL-TREK / ITA) + 17′ 51”
9. D. GEE (ISRAEL – PREMIER TECH / CAN) + 18′ 15”
10. S. BUITRAGO (BAHRAIN VICTORIOUS / COL) + 18′ 35”
[各賞]
■ポイント賞:B. GIRMAY (INTERMARCHÉ – WANTY / ERI)
■山岳賞 : T. POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO)
(第19ステージは J. VINGEGAARD (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / DEN) が着用)
■新人賞 :R. EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL)
■チーム成績:UAE TEAM EMIRATES (UAE)
■敢闘賞 : T. JOHANNESSEN (UNO-X MOBILITY / NOR)
第19ステージはアルプス頂上ゴール
今年のツール・ド・フランスも残り3ステージ。7月19日はアンブランから標高2024mのスキーリゾート地、イゾラ2000までの144.6kmでアルプス頂上ゴールの第19ステージが行われる。途中には標高2109mのヴァール峠と標高2802mのボネット峠という2つのカテゴリー超級の峠越えがある。ゴールがあるイゾラ2000は全長16.1kmの上りだ。