女子Qリーグ、中学生Nリーグ2024-25第4戦 あぶくま洞ヒルクライム、第5戦 小野こまちロードレース結果

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サイクルロードレースの女子リーグ「クイーン・リーグ(Qリーグ)」、中学生リーグ「ニュー・エイジ・リーグ(Nリーグ)」2024-2025シーズン第4戦:あぶくま洞ヒルクライムが7月27日(土)、第5戦:小野こまちロードレースが7月28日(日)に開催された。

今大会は2017年に発足、福島県を舞台とした公道ロードレースシリーズのひとつで、ダイナミックなレイアウトの公道を利用したロードレースやヒルクライム、クリテリウム、タイムトライアルの連戦で、今季は全10戦が予定されている。

あぶくま洞ヒルクライムは、国内でも珍しい2ステージ制のヒルクライムレースで、ステージのタイムの合計が少ない選手が優位になる「タイム制」で総合順位を競い、また小野こまちロードレースは 1周回11.4kmというダイナミックなロングコースで闘う。

Qリーグ、Nリーグ2024-25 第4戦、第5戦

あぶくま洞は壮大な白い岩壁が特徴。天然の背景で特設ステージを設置し、記念撮影も可能 Photo:井上和隆

Qリーグ、Nリーグ2024-25 第4戦、第5戦

小野こまちロードの舞台はダイナミックなレイアウトの周回コース Photo:井上和隆

 

盛夏の開催時期を配慮し、暑熱対策として涼しい時間帯にレース時間を設定。さらに初日となる土曜日、あぶくま洞ヒルクライムは午後からのスタート、翌日の小野こまちロードレースは午前にスタートし昼過ぎには大会が終了。これは土曜日の昼過ぎに会場へ到着すればレース受付に間に合い、翌日の日曜日は明るいうちに会場をあとにできるので、遠方からの参加でも時間に余裕が作りやすい工夫だ。

余裕あるスケジュールのため、参加者に聞くと、初日は早めに会場に入って翌日のコース下見をしたり、日曜のレースを無事に終えた後、ゆっくりと昼ご飯を食べて県内観光をしてから帰路に着くという楽しみ方もできたようだ。また、コスプレクラスも人気が高く、自転車を通じた同好の仲間が集まる絶好の機会としてレースに集まり、その華麗な姿と気合の入った走りは大会盛り上げにも大いに貢献してくれた。

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もう 1つの注目はコスプレクラス。Photo:井上和隆

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福島復興サイクルロードレースシリーズを通して部門ランキングが設定されていることもあり、推しのコスチュームで気合を入れたライダーが集まった Photo:井上和隆

 

Nリーグの対象となる中学生達は夏休み期間でもあり、エントリーした全員が2日間連日参戦で、中学生のレースでは結果的に滅多に味わえないロードの“ステージレース”を体験する貴重な機会となった。そんな2つの大会の模様を、Qリーグ・Nリーグ選手達の活躍とともに追ってみよう。

第4戦の舞台となる福島県田村市滝根町にある「あぶくま洞」は、全. 600mの洞内には東洋一ともいわれる鍾乳石が続く幻想美が魅力。多くの観光客が訪れる人気観光スポットだ。今年で開洞 50周年を迎える。

そんなあぶくま洞の周辺一帯は仙台平(せんだいひら)と呼ばれる、大理石やセメントの原料になる石灰岩でできた台地が広がっており、大会のメイン会場となった星の村天文台に設置した特設ステージに広がる高さ140mの白い岩壁がそびえるダイナミックな景観は印象的だ。 

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Photo:QNリーグ事務局

 

レースコースは、あぶくま洞都路線という公道。第 1ステージは入水鍾乳洞側を登る距離5.1km、平均勾配7.4%。第2ステージはあぶくま洞側の距離5.4kmで平均勾配6.1%となっており、距離は他のヒルクライムレースに比べると短め。

そんなコース2ステージの合計タイムで順位を競う形式なので、コンパクトな距離でステージが分かれている。だから途中で一回、強制的に休憩が入ることからヒルクライムレースにチャレンジしたい!というレース初心者から、ロードレースは得意だが.すぎる登坂はちょっと苦手というレース熟練者にもトライしやすい。

また、短い距離ながらも勾配のキツさは十分に味わえるので手応え十分なレイアウトといえる。 第5戦は前日のレース会場からほど近い、福島県小野町にある「こまちダム」を起点とする1周11.4km、獲得標高差230mある起伏に富んだ周回コースで競う本格的ロードレース。今回はレースのリアルスタート直前まで、パレード車が参加選手達をリードしながら小野町内を進み、そのパレード区間を含めた31kmの部と65kmの部が開催された。なお、小学生対象のKクラス(レース距離8km)は参加料が無料となった。

Qリーグ、Nリーグ2024-25 第4戦、第5戦

大会前に開催地元を中心に配布された告知チラシ。2日間ともに盛りだくさんの内容を盛り込み、自転車レースで町を盛り上げよう!という良い雰囲気に、参加選手達も走りで応えていた。

 

うれしいことに両日ともレースの合間やレース後、「開催地元からの振る舞い」が豪勢だったのも大きな特徴だ。あぶくま洞ヒルクライムでは各ステージのゴール後にうれしいカキ氷をご用意。さらにメイン会場では、じゅうねん(エゴマ)の付けダレが美味しい冷やしうどん、カレー風味の揚げたてコロッケ「キムコロ」、ぼんじり焼き鳥、前述のカキ氷が振る舞われた。

小野こまちロードレースでは、メイン会場となった小野町B&G海洋センターに小野高校家庭クラブで用意された特製振る舞いが今回も登場。その一品、「オリジナル甘酒スイーツドリンク」は疲労回復や夏バテを防止にピッタリで、ビタミンCたっぷりのフルーツも入って人気が高かった。

カキ氷とともに、小野町の名物「おのまち小町アイスバーガー」も登場。これは、30年以上前より小野町内の「ススムストア」が販売する地元では知る人ぞ知る昔懐かしの味。香ばしく焼いたハンバーガーのバンズに冷たいアイスを挟んだおやつで、チョコ味のアイスバーガーは香ばしいナッツとチョコレートソース、冷えたアイスクリームがバンズとマッチし、レース後のクールダウンにはピッタリの逸品。

ほかにも、地元名産品のキッチンカーや直売所も立ち並び、レース中の飲食はもちろん、お土産としても購入できた。最盛期となる福島の桃「あかつき」を買い求める姿も多く見られた。

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台湾チームの選手達にも好評だった焼き鳥や冷やダレうどん Photo:井上和隆

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小野町 B&G海洋センターではブース出店。地元の美味しい名物が並ぶ Photo:QNリーグ事務局

 

温かいおもてなし振る舞いなどが魅力の両大会は、ステージイベントでさまざまなゲストを迎え、参加者はもちろん地元の方々にも楽しんでもらえた。

1日目のあぶくま洞ヒルクライムでは、第1ステージスタートの15時30分を前に、昼過ぎからメイン会場の星の村天文台「TAKINE浪漫館」の特設ステージでイベントを実施。最初にステージに登壇したのは、福島空港と台湾を結ぶ定期チャーター便が今年3月から4年ぶり就航記念として来日した、台湾のプロ自転車チーム「Bryton Racing Team(以下・ブライトンチーム)」の所属選手達。

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左よりイベントステージに登場した台湾ブライトンチームの面々(左 4人)と通訳、そしてユーチューバーのアラン氏、セブンイレブン RBPジャパンチーム所属の金子大介と西尾勇人 Photo:井上和隆

 

月曜日まで滞在する彼らは、あぶくま洞と小野こまちロードにゲスト参戦するだけでなく、福島の観光地も巡り、レースと開催地元の魅力をステージで語る役目もある。

彼らのアテンドとして帯同したゲストライダーのセブンイレブンRBPジャパンチーム所属の金子大介選手と西尾勇人選手も交えて、トークショーを開催。また、同じく台湾から日本の魅力を紹介するチャンネル登録者数56万人を誇る大人気YouTubeチャンネル「アランチャンネル」を製作・企画するユーチューバー・アラン氏もステージに登壇。トークショーに加わりながら動画撮影も行ない、レースや会場の模様を取材していた。

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ステージに登場した福島美少女図鑑。左から牧田優花、木村沙由里、なっぺの 3人 Photo:井上和隆

 

続いてステージに登場したのは、皆さんお待ちかねの福島美少女図鑑のユニット「いつもの5人」。あぶくま洞には、このユニットから、なっぺ、木村沙由里、牧田優花の3人が登壇。

自転車レースの会場に登場するのは初めてなので、ブライトンチームの選手達にも再登場いただき「自転車レースのコレが気になる!」と題して、福島美少女図鑑メンバーからの素朴な疑問にブライトンチームから答えた。ロードバイクの細いタイヤや、ロードレースに出場する選手が着る体にピッタリとフィットするウェア、背面ポケットの説明や、レース中の補給飲食について理解すると福島美少女図鑑ユニットは自転車レースの奥深さに触れたことでいっそうレースに興味を持ってくれたようだ。

そして 2011年の東日本大震災の際に、250億円と多大なる寄付を送ってくれた台湾への御礼とともに「今こそ恩返しを!」と、今年4月に台湾を襲った台湾東部沖地震(台湾花蓮地震)への復興寄付を呼び掛けてイベントは終了。いよいよ第1ステージがスタートとなった。

 

2ステージ制のヒルクライムレース「あぶくま洞ヒルクライム」

第1ステージのスタート地点はメイン会場から自転車で移動し、滝根町の菅谷屋内ゲートボール場前に集合。ここからブライトンチームの面々や金子選手、西尾選手のゲストライダーを先頭にして男子アスリート、そしてNリーグ中学生男子Nの対象クラスとなっている年代別の中学生から29歳以下のクラス、そして30歳から39歳までのクラスから、オンタイムの15時30分にスタート。

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第1ステージの集合場所で大会が用意した補給飲料などを利用する参加ライダーたち Photo:井上和隆

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地元テレビ局も取材に。更に地元新聞の福島民報にカラー面でレースが掲載された Photo:井上和隆

 

続いて40歳以上、50歳以上、60歳以上、小学生4年から6年のクラス、さらに今大会特有の体重別クラスもスタート。こちらは75kgから84kg、85kgから94kg、そして95kg以上にクラス分けされており、ヒルクライムといえばバイクも体も軽量で!という常識を覆して、重量級でもパワフルに走れる力自慢が果敢にスタートしていった。

最後のユニットではQリーグとNリーグ中学生女子 NWの対象クラスとなる女子、そしてコスプレクラスがスタートし、ゴールの仙台平を目指して駆け上って行った。

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スタートセレモニー、左より福島復興サイクルロードレースシリーズ・ポイントリーダーの香野祐一(LinkTOHOKU)、台湾ブライトンチームの面々、セブンイレブン西尾、金子の両選手、大会実行委員会会長の蒲生康博氏 Photo:井上和隆

 

夕方とはいえ、まだまだ暑い中を走る第1ステージ、中学生から29歳以上のクラスでは宮城県でお馴染みハヤサカサイクルレーシングチーム所属の滝口魁が16分13秒で2番手につけ、16分31秒の松本浩史朗に20秒近い差でトップに立つ。

中学生選手のなかではNリーグの柬理日楠詩(Team FITTE)が16分51秒で一番時計を叩き出して全体で4番手につけ、続いて5番手となった高橋祐樹(LINKVISION GIRASOLE CYCLING)が17分10秒と好タイムを出した。

一方「ヒルクライムは少し苦手」とシリーズ前戦でコメントしていた、現在NリーグNのポイントリーダー西澤崇介(Vite Jambe)は17分33秒でゴールし、全体の9番手で第1ステージを終えた。

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スタート前にコメントする Nリーグポイントリーダーとしてバトルマリンジャージを守る西澤 Photo:井上和隆

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女子は最終スタートなのでリラックス。根本(左)は苦手なヒルクライムにも果敢にチャレンジ。岡田(右)は何度も走っているコースということもあり余裕の笑顔 Photo:井上和隆

 

女子クラスでは、トライアスロンのトップ選手でもある中嶋千紗都(トーシンパートナーズ・チームケンズ)が19分23秒で、2番手の林優希(なるしまフレンド)の19分32秒に10秒近い差をつける。

また、4番手には久しぶりの里帰りも兼ねて参戦したトラックやロードレースの日本代表としても活躍する水谷彩菜(日本体育大学自転車競技部)が21分17秒で入った。そして5番手には、今シーズン初Qリーグ参戦となった林口ゆきえ(Gufo Cycleworks)が21分59秒、6番手には同じく今シーズン初Qリーグ参戦となった根本亜緒が24分13秒、7番手には現在 NリーグNWポイントリーダーの岡田愛裕來(ブラウ・ブリッツエン U15)が24分14秒と迫る。

続く第 2ステージは16時45分までに集合。夏至を過ぎて間もないので十分明るいが、朝からの高温で少しずつ雲が低く垂れ込む。そんななか、第1ステージと同じクラスで整列を誘導しスタートが整ったタイミングで、黒い雲が流れてきたと思った瞬間に土砂降りに!目の前が煙るほどの強い雨が降る中で、第2ステージが 17時にスタート。この雨であぶくま洞へ向かう登坂ルートが滝のようになっているものの、参加選手達は頂上を目指していく。

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第2ステージのスタート待つ女子クラス。林口(中央・青のウエア)が安定した強さを見せた Photo:井上和隆

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土砂降りで一気に覚醒した!という西澤の気迫あふれる走り Photo:井上和隆

 

昼間の熱気で尋常でない高温になったコースが雨で一気に冷めて、逆に走りやすくなったとコメントしたのが、NリーグポイントリーダーのVite Jambe西澤。「大雨が降ってきた瞬間、一気に調子が上がったんで、そこで挽回できました」と語ったように、17分23秒と全体の5番手にジャンプアップし総合でも5位となりポイントリーダーの座を守った。

先のステージで5番手だった LINKVISION高橋は17分49秒で総合6位、今大会からNリーグに加わった小林咲斗(群馬グリフィンレーシングチーム)が17分02秒という好タイムで総合4位に入った。

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華麗な逃げを得意とする柬理はヒルクライムでも強さを見せ、しっかりと結果を残した Photo:井上和隆

 

中学生選手のなかで一番の成績を上げたのが FITTE柬理。この第2ステージでも全体の4番時計となる17分20秒で総合 3位に入賞し、リーグポイントを一気に稼ぐことに成功した。総合順位では中学生以上の選手が半数を占めるなか、3位から6位までがNリーグ選手が獲得。

一方でシリーズ前戦の「そでがうらサマーサイクルロードフェスタ」で優勝し、現在リーグランキング2位の渡邉公太(ブラウ・ブリッツエン U15)が総合10位と出遅れ、翌日のレースに賭けることとなった。

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林口は2つのステージで好成績を残し、Qリーグランキング5位に浮上。Photo:井上和隆

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岡田も土砂降りに負けず走りきり、バトルマリンジャージの防衛に成功! Photo:井上和隆

 

女子クラスでは、この第2ステージでも5番手となる22分24秒でゴールしたGufo林口が総合5位、続く6位には24分 14秒というタイムを上げたブラウ・ブリッツェン岡田が入り、こちらもポイントリーダーの防衛に成功。

Qリーグではランキング3位につけている根本香織(Team一匹狼)が総合8位でランキング変わらず、ポイントリーダーは岡本彩那(ブラウ・ブリッツェン)が防衛となった。

 

11.4kmの周回コースで競う「小野こまちロードレース」

明けて2日目の小野こまちロードレースは、メイン会場を小野町B&G海洋センターに移して早朝からイベントを開始。

開会式後、メイン会場の正面には街宣車とともに地元福島の「福島美少女図鑑」のタレント達や、本日の特別ゲストとして浅草サンバカーニバルにも出演する名門サンバチームがスタンバイ。賑やかな雰囲気のなか、小学生クラスK、31kmを走る走力別クラスのD、E、Qリーグ対象の女子エリートWeとNリーグ中学生女子NW対象の女子W、Nリーグ中学生男子N対象の中学生クラス、コスプレクラスが、ブライトンチームの面々の見送りを受けながら7時30分にスタートした。

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サンバチームのリズミカルで陽気な演奏をバックに、ダンサーと福島美少女図鑑のメンバー達が、お菓子を配って沿道を盛り上げながらレースをパレード先導!本場ツールでも、こんなパレードは無いかも!Photo:井上和隆

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小学生の Kクラスは参加無料。更に地元・小野町の小学生がパレード走行に招待された Photo:井上和隆

 

この31kmレースはパレード約8kmを経てから、こまちダム周回11.4kmを2周で競う(そのうち小学生Kクラスのみパレードから最初のダム通過地点までの8km)。サンバのリズムとともに小野町内をパレード走行してから、ダムに向かう登坂を経て審判バイクからの合図でリアルスタート。

起伏の富んだダム周回で、中学生クラスは先頭集団が形成されたようで、NリーグポイントリーダーのVite Jambe西澤、ランキング2位のブラウ・ブリッツェン渡邉、そしてチームメイトの岡田、好調のFITTE柬理、前日のヒルクライムで好タイムのLINKVISION高橋、中学1年生ながら力強い走りを見せる茂木陽向(#1-PRIMERA-)、さらに豊田蒼(ごまみレーシング)の7人で最終周回へ。 ダムへ向かう上りを駆けあがるゴールスプリントでは、ブラウ渡邉が早めに仕掛けて先行し競り勝って優勝、昨日の屈辱を晴らした。

差し切れなかったVite Jambe西澤は惜しくも2位となり、3位にはFITTE柬理が入って、表彰台はシリーズ前戦「そでがうらサマーサイクルロードフェスタ」と全く同じ顔ぶれと順位となった。

4位にはLINKVISION高橋、5位にはブラウ岡田が粘りを見せて入った。昨日のヒルクライムで好成績を出していた群馬グリフィンの小林はタイムアウトとなってしまったが、この後の65kmレースで中級にあたるCクラスにも参戦し、大人に混ざって12位完走を果たした。

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中学生としては長い距離を走ることもあり、緊張した面持ちでスタートした選手達 Photo:井上和隆

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公道での起伏が富んだコースを制したのはブラウ渡邉。西澤との一騎打ちで競り勝ちガッツポーズ! Photo:井上和隆

 

中学生クラスの表彰式で、レース優勝を果たしリーグ 2連覇を果たしたブラウ渡邊は前日のヒルクライムで苦戦したものの、小野こまちロードレースでは手応えを得たようで「あまり長い距離のレースを走ったことがなかったのですが、勝てて良かったです」と安堵の表情を見せた。

そして現在、リーグランキング2位でポイントリーダーを追う立場として「次の(リーグシリーズ戦となる)しもふさ(クリテリウム 9月)でも1位を取ってバトルマリンジャージを獲得したいです!」と力強くコメント。

Qリーグ、Nリーグ2024-25 第4戦、第5戦

奇しくも前戦と同じメンバーで表彰台を独占した中学生クラス表彰式。左より大会実行委員会会長の吉田代吉氏、2位・西澤、優勝・渡邉、3位・柬理、福島日産自動車(株)執行役員の天野哲也氏 Photo:井上和隆

 

レース2位となり、この日もバトルマリンジャージの防衛に成功したVite Jambe西澤からは「今日は脚を貯めて、最後のスプリントに備えていました」とレースを振り返りながら、「この夏休み期間にトレーニングをして、しもふさで勝てるようにします」とリベンジを誓った。

3位に入り、ポイントランキングも3位に上げたFITTE柬理は「山岳が得意なので、そこで差をつけたかった」と前日のヒルクライムで29歳以下の大人選手に混ざりながらも好成績を上げた感想を笑顔で語り、次戦に向けては「次のしもふさで、しっかり最後まで展開で逃げを作って、スプリントで刺せるように頑張ります!」と、3人ともに今後の活躍を期待させてくれる素晴らしいコメントで会場を沸かせた。

 

Qリーグ、Nリーグ2024-25 第4戦、第5戦

2位と15ポイント差でバトルマリンジャージを守った西澤は笑顔で次戦への意気込みを語った Photo:井上和隆

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いよいよシリーズは後半戦へ。レースを重ね良きライバル同士の仲間が増える Photo:井上和隆

 

一方、Qリーグ対象の女子エリートWeでは、実業団JBCFレースで活躍する古谷桜子(内房レーシングクラブ)が、ゴールスプリントで日体大の水谷に競り勝ち優勝。3位に入ったトーシン中嶋にも勝った古谷は表彰式で「凄いメンバーに勝ててビックリしました」と笑顔を見せていた。なおQリーグの田上萌々子(MORE POWER RACING)は14位でのゴールとなった。

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いよいよシリーズは後半戦へ。レースを重ね良きライバル同士の仲間が増える Photo:井上和隆

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エリート年齢のトップ選手とは5分の差をつけられたものの、2日間のレースを完走しポイントを踏み上げたブラウ岡田がバトルマリンジャージを守った Photo:井上和隆

 

女子エリートWeと同時スタートで混走となった、Nリーグ中学生女子NW対象の女子Wクラスでは、ブラウ・ブリッツェン岡田がトップとなりバトルマリンジャージの防衛に成功。

ポイントリーダー賞の授与式では 2日間にわたりに性格の違うレースを連戦した感想として「(1日目のあぶくま洞)ヒルクライムは、2回レースがあって、しかも2回目(第 2ステージ)は雨が凄くて前が見えなかったのですが、その中を完走できて良かったです。今日のロードレースでは、スタートが変わったので戸惑いましたが自分のペースでうまく走れました」と2日間・全3ステージを、思う存分走れた手応えを語った。

さらに次戦へ向けた抱負として「しもふさでも納得のできる走りをしたいと思います」と意欲的なコメントをした。

Qリーグ、Nリーグ2024-25 第4戦、第5戦

女子Wクラスの表彰式。左 2人目より 2位・小幡智恵子(みさかサイクル)、優勝ブラウ岡田、3位・甲斐奈菜美 Photo:井上和隆

 

この31㎞レース、そして65㎞レースそれぞれの表彰式の後には特設ステージで、福島美少女図鑑のユニット「いつもの 5人」から、なっぺ、木村沙由里、牧田優花、遠藤栞の4名が登場してトークショーやコンサートを開催。パレードを明るく陽気に盛り上げてくれたサンバチームによるサンバショーは会場に集まった参加選手や観客を巻き込んでのダンス大会となり、2日間にわたる連戦の締めくくりはまるでお祭り気分!

ラストステージでは2日間ゲストライダーとしてレースを盛り上げたブライトンチームの面々とセブンイレブンRBPジャパンチームの金子選手、西尾選手も登壇。ユーチューバーのアラン氏が撮影するなかで、ダイナミックなレースと温かいおもてなしで魅力あふれる大会の素晴らしさを選手たちが感謝の言葉とともに伝えフィナーレを飾った。

Qリーグ、Nリーグ2024-25 第4戦、第5戦

フィナーレを盛り上げたサンバチームの陽気なリズムとダンスは、無事に終了したレースに最高のピリオドとなった。ブライトンチームの面々も楽しんでいた様子 Photo:QNリーグ事務局

 

海外レース遠征では移動や調整などで精一杯になってしまいがち。特に初訪問国では言葉が分からなかったり、その地方の魅力を感じづらい。筆者は台湾からチームを招聘した2日間のレースを見て、主催者がレース参戦と観光、それに地元の人々と触れ合える機会を設けたことで、インバウンドにおいてもこの地方の良さを多面的にアピールできていたと思う。台湾から来日したブライトンチームのような経験を、日本から台湾へ交換レース遠征などを実施することできたら、互いに楽しく貴重な経験し合えるはず。そうなれば素敵だ。

最後に、両大会の実行委員会事務局として奔走された先崎よしなか氏から「この度も陰に陽にお世話になりました皆様に、実行委員会の裏方を代表して心より御礼申し上げます。おかげさまで例年を遥かに上回る反響に預かりました」と御礼の言葉とともに、「次年度の具体的な企画は未定ですが、特に、女子Qリーグに絡めた女子選手を多数呼び込める魅力ある大会をプラスαで組み込みたいと思います」と女子Qリーグにはうれしいコメントをいただいた。

また「自分の信条として『人口減少対策の中心に、特に過疎中山間地域における女性、そのなかでも特に現役世代、さらに若手に優しいまちづくりの実現のための目に見える公共投資あるべし』と考えるので、キッズとレディースを全面に出しつつ、さらなる地元の理解と協力も得ていきます」と中学生Nリーグにも大きな期待を寄せていただいた。

QリーグとNリーグの活動が、シリーズ対象レース開催地元のお役に立つのであれば、本来の自転車レースの底力も同時に活かせると考える。今後も Qリーグ・Nリーグ選手達の活躍が、地元活性化のお手伝いになるように活動を続けていきたいと強く思った。

 

各リーグポイントリーダー

今大会の年間総合ポイントリーダー授与式では、Bioracerより「アメジストジャージ」「バトルマリンジャージ」各リーダージャージが提供された。

また、Qリーグは株式会社隼より「アスリチューン Qリーグポイントリーダー賞」、Nリーグ中学生男子Nは武田レッグウェアー株式会社より「RxL Nリーグ中学生男子ポイントリーダー賞」、Nリーグ中学生女子NWはアイリス株式会社より「EXLUB Nリーグ中学生女子 NWポイントリーダー賞」を、それぞれ賞品として提供された。

Qリーグ、Nリーグ2024-25 第4戦、第5戦

写真左よりQ リーグ岡本、N リーグ⻄澤、NW 岡田の各ポイントリーダー

 

アスリチューン賞 Qリーグ(高校生以上女子)
ポイントリーダー:岡本 彩那(ブラウ・ブリッツエン)・28p
ランキング2位:佐藤 直美(Yahoo! JAPAN Cycle Racing team)・20p
ランキング3位:根本 香織(Team 一匹狼)・18p

RxL賞 Nリーグ・N(中学生男子)
ポイントリーダー:⻄澤 崇介(Vite Jambe)・106p
ランキング2位:渡邉 公太(ブラウ・ブリッツエンU15)・91p
ランキング3位:柬理 日楠詩(Team FITTE)・70p

EXLUB賞 Nリーグ・NW(中学生女子)
ポイントリーダー:岡田 愛裕來(ブラウ・ブリッツエンU15)・47p
ランキング2位:小田島 寛奈(#1-PRIMERA-)・0p

 

 

<レポート概要>
写真撮影:井上和隆、QNリーグ事務局
テキスト:須藤むつみ(QNリーグ事務局)
協力:あぶくま洞ヒルクライム実行委員会、小野こまちロードレース実行委員会

*あぶくま洞ヒルクライム:公式ホームページ
https://web.tour-de-fukushima.jp/abukumado/abukumahillclimb2024

*小野こまちロードレース:公式ホームページ
https://web.tour-de-fukushima.jp/ono-komachi/2024-2

Qリーグ・Nリーグ対象となる全 11戦のレーススケジュールはこちら
http://www.jbrain.or.jp/q-n-league/race-profile.html

次戦は9月1日(日)「しもふさクリテリウム 9月」となります。
https://shimofusa-criterium.powertag.jp/2024/9/outline.html

Qリーグ・Nリーグの登録はこちらから。各対象レース開催日の3日前まで登録完了すればポイントランキングに反映。今後も女子とジュニア中学生が活躍するリーグにご声援のほどよろしくお願いします!
https://moshicom.com/102128/