ブエルタ・ア・エスパーニャ2024 シエラネバダ山岳区間の第9ステージはA・イェーツが逃げ切り初優勝

  • photo Unipublic /SprintCyclingAgency /Cxcling /Naike Ereñozaga

スペインで開催中の第79回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、8月25日にモトリルからグラナダまでの178.5kmでシエラネバダ山岳区間の第9ステージを競い、英国のアダム・イェーツ(UAEチーム・エミレーツ)が58.5kmを独走で逃げ切り、区間初優勝を果たした。
 

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アダム・イェーツが独走で逃げ切り、区間初優勝した (photo :Unipublic /SprintCyclingAgency)

 
区間2位には1分39秒遅れでエクアドルのリチャル・カラパス(EFエデュケーション・イージーポスト)が入った。メイングループは3分45秒遅れでゴールし、ラ・ロハを着たオーストラリアのベン・オコナー(デカトロン・AG2Rラモンディアル)がスプリントで区間3位になり、4秒のボーナスタイムを獲得した。
 

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ラ・ロハのオコナーはゴールスプリントで3位を勝ち取り、4秒のボーナスタイムを獲得した (©SprintCycling)


アルメイダが新型コロナ感染

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●第9ステージのコースプロフィール (MAP : UNIPUBLIC)

 
スペイン南部アンダルシア地方が舞台となった第9ステージは、シエラネバダ山脈の3カ所のカテゴリー1の峠を越える今大会のクイーンステージの1つだった。前日に不調で5分近く遅れたポルトガルのジョアン・アルメイダ(UAEチーム・エミレーツ)は、PCR検査で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹っていた事が分かり、スタートしなかった。

オフィシャルスタートの合図と共にポイント賞ジャージを着たワウト・ヴァンアールト(チームヴィスマ・リースアバイク)がアタックし、26人の大きな集団が逃げ出した。そこにアダム・イェーツも加わっていた。逃げで総合成績が最も上位だったのはダヴィド・ゴデュ(グルパマ・FDJ)で、総合リーダーのオコナーよりも6分半遅れていた。アダム・イェーツは9分27秒遅れの総合27位だった。最初のカテゴリー1の峠のふもとで、逃げは集団に5分差を付けていた。集団からはここでカラパスがアタックし、追走を開始した。

2つ目のアサリャナス峠の頂上まで残り5kmで、逃げからアダム・イェーツがアタックして独走を開始したが、ゴールまではまだ58.5kmあった。山頂で彼はカラパスに1分36秒差、メイン集団に5分12秒差を付けていた。メイン集団では最後の峠でエンリク・マス(モビスターチーム)がアタックしたが、総合上位の選手は誰も追いかけなかった。彼は最後の下りであやくう落車しそうになった後、ラ・ロハのグループに吸収された。

アダム・イェーツはそのまま58.5kmを独走で逃げ切り、今大会でエースナンバーを付けていたアルメイダを失ったチームに区間優勝をもたらした。彼は総合成績でも順位を上げ、5分半遅れの総合7位になった。さらに山岳賞では総合首位になった。

8月26日は最初の休養日となり、ブエルタ一行は空路でスペイン北西部のガリシア地方へと移動する。

■58.5kmを独走で逃げ切って区間初優勝した32歳のアダム・イェーツのコメント
「こんな風に苦しんだ事は今までなかった。とても暑かった。最初の上りから全力で走っていたが、行けるかどうかは分からなかった。グランツールではこの数年間不運が続いていたから、本当にうまくいくのかは分からなかった。また別のグランツールで勝てて、とても嬉しいよ」
 

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アダム・イェーツは山岳賞総合首位になった (photo :Unipublic /SprintCyclingAgency)


■第9ステージ結果

[8月25日/モトリル~グラナダ/178.5km]
1. A. YATES (UAE TEAM EMIRATES / GBR) 04h 42′ 28”
2. R. CARAPAZ (EF EDUCATION – EASYPOST / ECU) + 01′ 39”
3. B. O’CONNOR (DECATHLON AG2R LA MONDIALE TEAM / AUS) + 03′ 45”
4. M. LANDA (T-REX – Quick-Step / ESP) + 03′ 45”
5. F. LIPOWITZ (RED BULL – BORA – HANSGROHE / GER) + 03′ 45”
6. P. SIVAKOV (UAE TEAM EMIRATES / FRA) + 03′ 45”
7. C. RODRIGUEZ (INEOS GRENADIERS / ESP) + 03′ 45”
8. P. ROGLIC (RED BULL – BORA – HANSGROHE / SLO) + 03′ 45”
9. D. GAUDU (GROUPAMA-FDJ / FRA) + 03′ 45”
10. E. MAS (MOVISTAR TEAM / ESP) + 03′ 45”

■第9ステージ後の総合成績
1. B. O’CONNOR (DECATHLON AG2R LA MONDIALE TEAM / AUS) 36h 09′ 36”
2. P. ROGLIC (RED BULL – BORA – HANSGROHE / SLO) + 03′ 53”
3. R. CARAPAZ (EF EDUCATION – EASYPOST / ECU) + 04′ 32”
4. E. MAS (MOVISTAR TEAM / ESP) + 04′ 35”
5. M. LANDA (T-REX – Quick-Step / ESP) + 05′ 17”
6. F. LIPOWITZ (RED BULL – BORA – HANSGROHE / GER) + 05′ 29”
7. A. YATES (UAE TEAM EMIRATES / GBR) + 05′ 30”
8. F. GALL (DECATHLON AG2R LA MONDIALE TEAM / AUT) + 05′ 30”
9. C. RODRIGUEZ (INEOS GRENADIERS / ESP) + 06′ 00”
10. D. GAUDU (GROUPAMA-FDJ / FRA) + 06′ 32”

[各賞]
■ポイント賞 : W. VAN AERT (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / BEL)
■山岳賞 : A. YATES (UAE TEAM EMIRATES / GBR)
■新人賞 : F. LIPOWITZ (RED BULL – BORA – HANSGROHE / GER)
■チーム成績 : UAE TEAM EMIRATES (UAE)
 

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(photo : Unipublic /Cxcling /Naike Ereñozaga)

 

ブエルタ・ア・エスパーニャ公式サイト

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