ブエルタ・ア・エスパーニャ2024 頂上ゴールの第12ステージは地元スペインのカストリーリョが逃げ切り初優勝
スペインで開催中の第79回ブエルタ・ア・エスパーニャ（ＵＣＩワールドツアー）は、8月29日にオウレンセ・テルマルから標高1488mでカテゴリー１のエスタシオン・デ・モンターニャ・デ・マンサネダ頂上までの137.5kmで、丘越え区間の第12ステージを競い、グランツール初参加のパブロ・カストリーリョ（エキポ ケルンファルマ）が独走で逃げ切ってプロ初優勝を果たした。彼は開催国スペインに今年最初の勝利をもたらし、チームにはグランツール区間初優勝をもたらした。
グランツール初参加だった地元スペインのカストリーリョが独走で逃げ切り、プロ初優勝を果たした (photo :Unipublic /SprintCyclingAgency)
区間２位には、前日も逃げて３位になった英国のマックス・プール（チームＤＳＭ・フィルメニッヒ・ポストＮＬ）が８秒遅れで入り、区間３位は16秒遅れでスペインのマルク・ソレル（ＵＡＥチーム・エミレーツ）だった。メイン集団は６分29秒遅れでゴールし、オーストラリアのベン・オコナー（デカトロン・ＡＧ２Ｒラモンディアル）が総合首位を守った。
エキポ ケルンファルマの元会長が逝去
前夜にアスコナ元会長が逝去したエキポ ケルンファルマは喪章を付けて第12ステージを走った (photo : Unipublic /Cxcling /Naike Ereñozaga)
ガリシア地方が舞台の第12ステージは154選手が出走。第４ステージで区間２位になったベルギーのレネルト・ヴァンイートヴェルト（ロット・デスティニー）は肺に問題があり、スタートしなかった。この日、スペインのＵＣＩプロチームであるエキポ ケルンファルマは、チームの創始者であるマノロ・アスコナ元会長が71歳で他界したと発表し、選手たちは喪章を付けてスタートラインに並んだ。
カテゴリーの付いた坂は最後のマンサネダだけだったが、第12ステージはアップダウンの連続で、獲得標高は3100mだった。オフィシャルスタートからアタックと吸収が続き、最初の１時間の平均時速が42.1km/hになった後、ソレルのアタックをきっかけに10人が逃げ出し、そこにカストリーリョも加わっていた。デカトロン・ＡＧ２Ｒラモンディアルがコントロールする集団と逃げのタイム差は、ゴールまで残り45.5kmで10分を超えていた。
10人の逃げには、カストリーリョの他にも故アスコナ元会長のチームで育ったソレルとロドリゲスが加わっていた (photo : Unipublic /Cxcling /Naike Ereñozaga)
スキーリゾート地のマンサネダへと向かうカテゴリー１の登坂が残り15.4kmで始まった時、タイム差はまだ８分以上あり、逃げグループは区間優勝を目指したアタックが始まった。カストリーリョは残り10kmの平坦な場所でアタックを決め、そのまま数10秒差を守って劇的な勝利を収めた。
■初参加のグランツールでプロ初優勝を果たした23歳のカストリーリョのコメント
「実感はない。素晴らしい勝利だ。信じられないよ。チームとスタッフのお陰だ。逃げを成功させるのはとても難しかった。（逃げの）他の選手たちはとても強かったから、最後は神経質になっていた。でも、平坦な場所でアタックしようと決心し、それがボクを区間優勝へと導いてくれた。残り７kmか８kmでアタックしようかとも思ったが、他の選手たちがお互いに見合っていたので、10kmで行く事にしたんだ。
本当にとても特別な１日だ。初参加のブエルタで区間優勝したなんて信じられない。この勝利はチームと家族、そして何よりも特別な人物であるマノロ・アスコナに捧げる。彼は残念ながら昨晩この世を去った。このステージでは勝利を捧げるために、ずっと彼の事を考えていた」
カテゴリー１頂上ゴールで総合争いはなく、オコナーがラ・ロハを守った (photo : Unipublic /Cxcling /Miguel Ena)
■第12ステージ結果
［8月29日／オウレンセ・テルマル～エスタシオン・デ・モンターニャ・デ・マンサネダ／137.5km］
1. P. CASTRILLO ZAPATER (EQUIPO KERN PHARMA / ESP) 03h 36′ 12”
2. M. POOLE (TEAM DSM-FIRMENICH POSTNL / GBR) + 00′ 08”
3. M. SOLER (UAE TEAM EMIRATES / ESP) + 00′ 16”
4. M. SCHMID (TEAM JAYCO ALULA / SUI) + 00′ 23”
5. J. NARVAEZ PRADO (INEOS GRENADIERS/ ECU) + 00′ 34”
6. M. VANSEVENANT (T-REX – Quick-Step / BEL) + 00′ 40”
7. H. TEJADA (ASTANA QAZAQSTAN TEAM / COL) + 00′ 49”
8. C. VERONA (LIDL-TREK / ESP) + 01′ 03”
9. L. MEINTJES (INTERMARCHÉ – WANTY / RSA) + 01′ 14”
10. O. RODRIGUEZ GARAICOECHEA (INEOS GRENADIERS / ESP) + 01′ 52”
■第12ステージ後の総合成績
1. B. O’CONNOR (DECATHLON AG2R LA MONDIALE TEAM / AUS) 47h 37′ 35”
2. P. ROGLIC (RED BULL – BORA – HANSGROHE / SLO) + 03′ 16”
3. E. MAS (MOVISTAR TEAM / ESP) + 03′ 58”
4. R. CARAPAZ (EF EDUCATION – EASYPOST / ECU) + 04′ 10”
5. M. LANDA (T-REX – Quick-Step / ESP) + 04′ 40”
6. C. RODRIGUEZ (INEOS GRENADIERS / ESP) + 05′ 23”
7. F. LIPOWITZ (RED BULL – BORA – HANSGROHE / GER) + 05′ 29”
8. A. YATES (UAE TEAM EMIRATES / GBR) + 05′ 30”
9. F. GALL (DECATHLON AG2R LA MONDIALE TEAM / AUT) + 05′ 30”
10. G. BENNETT (ISRAEL – PREMIER TECH / NZL) + 05′ 46”
［各賞］
■ポイント賞 : W. VAN AERT (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / BEL)
■山岳賞 : A. YATES (UAE TEAM EMIRATES / GBR)
■新人賞 : C. RODRIGUEZ (INEOS GRENADIERS / ESP)
■チーム成績 : UAE TEAM EMIRATES (UAE)
(photo : Unipublic /Cxcling /Naike Ereñozaga)
