ブエルタ・ア・エスパーニャ2024 第18ステージはベラデが逃げ切り区間初優勝

  • photo Unipublic /SprintCyclingAgency /Cxcling /Toni Baixauli

スペインで開催中の第79回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、9月5日に北部バスク地方のビトリア・ガステイスからマエストゥ・イズキ自然公園までの179.5kmで、中級山岳区間の第18ステージを競い、地元スペインのウルコ・ベラデ(エキポ ケルンファルマ)が独走で逃げ切り、サプライズなグランツール初優勝を果たした。
 

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地元バスクのベラデがサプライズな逃げ切り区間初優勝を果たした (photo :Unipublic /SprintCyclingAgency)

 
区間2位は4秒遅れでスイスチャンピオンのマウロ・シュミット(チームジェイコ・アルウラー)、3位はスペインのパウ・ミケル(エキポ ケルンファルマ)だった。総合首位はオーストラリアのベン・オコナー(デカトロン・AG2Rラモンディアル)が守ったが、前日まで2分18秒遅れで総合5位だった地元スペインのミケル・ランダ(Tレックス・クイックステップ)は最後の峠でメイングループから遅れてしまい、オコナーより3分20秒遅れてゴールし、総合10位に転落してしまった。
 

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オコナーは2つ目の峠で一度は遅れたが、第18ステージも総合首位の座を守る事ができた (photo : Unipublic /Cxcling /Toni Baixauli)

 
第18ステージは140選手が出走。スタートからアタックと吸収が続いた後、50km過ぎて42人の大きな集団が逃げ出した。そこにベラデも加わっていた。この日越えた2つの峠はスペインのマルク・ソレル(UAEチーム・エミレーツ)が先頭で通過し、オーストラリアのジェイ・ヴァイン(UAEチーム・エミレーツ)を1ポイント差で抜き、山岳賞で総合首位になった。

逃げ集団より10分以上遅れていたメイン集団は、2つ目のカテゴリー1の峠でエクアドルのリチャル・カラパス(EFエデュケーション・イージーポスト)が先頭でペースを上げ、ランダが遅れてしまった。この坂では総合リーダーのラ・ロハを着たオコナーも一時遅れたが、彼は下りで総合のライバルたちに追いつく事ができた。

逃げ集団から遅れていたTレックス・クイックステップの選手たちがランダを引いたが、メイン集団とのタイム差は広がる一方だった。Tレックス・クイックステップの監督は、ゴールまで13.5kmで先頭グループに加わっていたイタリアのマッティーア・カッタネオ(Tレックス・クイックステップ)に、10分後方を走るランダを待って助けろと指示したが、それでも結局タイム差は縮まらなかった。

先頭では、ゴールまで残り6kmのカテゴリーのない上り坂でスティーフェン・クラウスウェイク(チームヴィスマ・リースアバイク)がアタックし、付いて行けたのはベラデだけだった。彼はすぐにクラウスウェイクを置き去りにして先頭に立ち、そのまま独走で区間優勝を果たした。

 

■区間初優勝した26歳のベラデのコメント
「間違いなく夢のようだ。家に近いステージで、家族全員と友人たちがブエルタの終盤ステージでボクを見に来ている。チャンスがもうほとんど残っていない状況で、区間を取るのは難しいように思えた。今日一番厳しかった上りを終えた後、我々は人数的にも力があったから、ボクはグループをコントロールして、我々のチームで最速のミケルがチャンスをつかめるようにしていた。でも最後は、最後の上りで全員が疲れていたから「全員にチャンスがあるからトライしろ」と言われたんだ。そこから後ろを振り返らずにトライした。

フィニッシュラインを越えるまで、自分が勝者だとは思わなかった。それは間違いなく、我々がこれまでに成し遂げてきた素晴らしい仕事の成果だ。シーズンの始まりから我々はブエルタを念頭に置いていた。我々は素晴らしい準備をした。だからこれは偶然の結果ではないのさ」
 

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スペインのUCIプロチームであるエキポ ケルンファルマは、ベラデの優勝で今大会区間3勝となった (photo :Unipublic /SprintCyclingAgency)

 
■第18ステージ結果

[9月5日/ビトリア・ガステイス~マエストゥ・イズキ自然公園/179.5km]
1.U. BERRADE FERNANDEZ (EQUIPO KERN PHARMA ESP) 04h 00′ 52”
2. M. SCHMID (TEAM JAYCO ALULA / SUI) + 00′ 04”
3. P. MIQUEL DELGADO (EQUIPO KERN PHARMA / ESP) + 00′ 04”
4. M. POOLE (TEAM DSM-FIRMENICH POSTNL / GBR) + 00′ 04”
5. A. VLASOV (RED BULL – BORA – HANSGROHE / RUS) + 00′ 04”
6. O. LAZKANO (MOVISTAR TEAM / ESP) + 00′ 04”
7. I. IZAGIRRE (COFIDIS / ESP) + 00′ 04”
8. M. VACEK (LIDL-TREK / CZE) + 00′ 04”
9. P. CASTRILLO ZAPATER (EQUIPO KERN PHARMA / ESP) + 00′ 04”
10. S. KRUIJSWIJK (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / NED) + 0′ 11”

27. B. O’CONNOR (DECATHLON AG2R LA MONDIALE TEAM / AUS) + 06′ 40”
53. M. LANDA (T-REX – Quick-Step / ESP) + 10′ 00”

■第18ステージ後の総合成績
1. B. O’CONNOR (DECATHLON AG2R LA MONDIALE TEAM / AUS) 72h 48′ 46”
2. P. ROGLIC (RED BULL – BORA – HANSGROHE / SLO) + 00′ 05”
3. E. MAS (MOVISTAR TEAM / ESP) + 01′ 25”
4. R. CARAPAZ (EF EDUCATION – EASYPOST / ECU) + 01′ 46”
5. D. GAUDU (GROUPAMA-FDJ / FRA) + 03′ 48”
6. C. RODRIGUEZ (INEOS GRENADIERS / ESP) + 03′ 53”
7. M. SKJELMOSE (LIDL-TREK / DEN) + 04′ 00”
8. F. LIPOWITZ (RED BULL – BORA – HANSGROHE / GER) + 04′ 27”
9. P. SIVAKOV (UAE TEAM EMIRATES / FRA) + 05′ 19”
10. M. LANDA (T-REX – Quick-Step / ESP) + 05′ 38”

[各賞]
■ポイント賞 : K. GROVES (ALPECIN-DECEUNINCK / AUS)
■山岳賞 : M. SOLER (UAE TEAM EMIRATES / ESP)
■新人賞 : C. RODRIGUEZ (INEOS GRENADIERS / ESP)
■チーム成績 : UAE TEAM EMIRATES (UAE)

 
第19ステージはカテゴリー1頂上ゴール

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●第19ステージのコースプロフィール (MAP : UNIPUBLIC)

 
今年のブエルタ・ア・エスパーニャは残り3ステージとなり、9月6日は標高1491mでカテゴリー1のアルト・デ・モンカルビリョ頂上にゴールする第19ステージが行われる。アルト・デ・モンカルビリョの登坂は全長8.6kmで、平均勾配は8.9%だ。
 

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(photo : Unipublic /Cxcling /Toni Baixauli)

 

ブエルタ・ア・エスパーニャ公式サイト

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