ブエルタ・ア・エスパーニャ2024 第20ステージはダンバーが今大会２勝目
スペインで開催中の第79回ブエルタ・ア・エスパーニャ（ＵＣＩワールドツアー）は、最終日前日の9月7日にビジャルカヨから標高1498mでカテゴリー１のピコン・ブランコ頂上までの172kmで、今年最後の山岳区間となる第20ステージを競い、アイルランドのエディ・ダンバー（チームジェイコ・アルウラー）が独走で逃げ切り、第11ステージに続いて今大会区間２勝目を上げた。
今年最後の山岳区間はアイルランドのダンバーが制し、今大会２勝目を上げた (photo :Unipublic /SprintCyclingAgency)
区間２位は７秒遅れでスペインのエンリク・マス（モビスターチーム）、３位は10秒遅れで総合リーダーのラ・ロハを着たスロベニアのプリモシュ・ログリッチ（レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ）だった。
総合首位はログリッチが守ったが、彼は今年のブエルタで初めてマスクを着用して表彰台に上がっていた… (photo :Unipublic /SprintCyclingAgency)
第20ステージは139選手が出走。この日はカテゴリーの付いた坂が７カ所あり、獲得標高が4730mというクイーンステージだった。序盤の逃げには山岳賞ジャージを着たスペインのマルク・ソレル（ＵＡＥチーム・エミレーツ）とオーストラリアのジェイ・ヴァイン（ＵＡＥチーム・エミレーツ）が加わり、チーム内で山岳賞を争う走りを見せた。２人の山岳賞ポイントは、５つ目の峠を越えた時点で同点になっていた。
メイン集団ではレッドブル・ボーラ・ハンスグローエのダニエル・マルティネスとパトリック・ガンパーがレースを棄権し、ニコ・デンツとアレクサンドル・ヴラソフが不調で大きく遅れ、チーム内で食中毒が発生したらしいという噂が囁かれ始めた。
集団はレッドブル・ボーラ・ハンスグローエではなくＴレックス・クイックステップがコントロールした (photo : Unipublic /Cxcling /Toni Baixauli)
先頭の逃げグループでは、最後から２番目の峠が始まる前に山岳賞ジャージのソレルが遅れてしまった。ヴァインを含めた残りの逃げグループも、この峠でラ・ロハの集団に吸収された。その後、ゴールまで残り30kmでパヴェル・シヴァコフ（ＵＡＥチーム・エミレーツ）がアタックし、ラ・ロハの集団に25秒差を付けて山頂を通過した。ヴァインは山頂を４位で通過して２ポイント獲得し、ソレルを抜いて山岳賞総合首位に返り咲いた。
ゴールまで残り7.9kmで、今年最後の坂だったピコン・ブランコが始まった時、シヴァコフはラ・ロハの集団に50秒差を付けていた。ラ・ロハを着たログリッチは自ら集団の先頭を引く場面もあり、食中毒の不安を払拭した。そこからゴールまで残り５kmでダンバーがアタックを決め、残り3.5kmで先頭のシヴァコフに追いついた後、単独で先頭に立ち、そのまま逃げ切って区間２勝目を勝ち取った。
今年のブエルタもいよいよ残り１ステージ。9月8日は首都マドリードで24.6kmの個人タイムトライアルが行われる。
ゴールでチームオーナーのライアン氏に祝福されたダンバー (photo :Unipublic /SprintCyclingAgency)
■第20ステージ結果
［9月7日／ビジャルカヨ～ピコン・ブランコ／172km］
1. E. DUNBAR (TEAM JAYCO ALULA / IRL) 04h 38′ 37”
2. E. MAS (MOVISTAR TEAM / ESP) + 00′ 07”
3. P. ROGLIC (RED BULL – BORA – HANSGROHE / SLO) + 00′ 10”
4. R. CARAPAZ (EF EDUCATION – EASYPOST / ECU) + 00′ 12”
5. U. BERRADE FERNANDEZ (EQUIPO KERN PHARMA / ESP) + 00′ 14”
6. B. O’CONNOR (DECATHLON AG2R LA MONDIALE TEAM / AUS) + 00′ 14”
7. D. GAUDU (GROUPAMA-FDJ / FRA) + 00′ 21”
8. M. LANDA (T-REX – Quick-Step / ESP) + 00′ 23”
9. F. LIPOWITZ (RED BULL – BORA – HANSGROHE / GER) + 00′ 37”
10. M. SKJELMOSE (LIDL-TREK / DEN) + 00′ 37”
■第20ステージ後の総合成績
1. P. ROGLIC (RED BULL – BORA – HANSGROHE / SLO) 81h 22′ 19”
2. B. O’CONNOR (DECATHLON AG2R LA MONDIALE TEAM / AUS) + 02′ 02”
3. E. MAS (MOVISTAR TEAM / ESP) + 02′ 11”
4. R. CARAPAZ (EF EDUCATION – EASYPOST / ECU) + 03′ 00”
5. D. GAUDU (GROUPAMA-FDJ / FRA) + 04′ 48”
6. M. SKJELMOSE (LIDL-TREK / DEN) + 05′ 18”
7. F. LIPOWITZ (RED BULL – BORA – HANSGROHE / GER) + 06′ 26”
8. M. LANDA (T-REX – Quick-Step / ESP) + 06′ 57”
9. P. SIVAKOV (UAE TEAM EMIRATES / FRA) + 08′ 50”
10. C. RODRIGUEZ (INEOS GRENADIERS / ESP) + 10′ 31”
［各賞］
■ポイント賞 : K. GROVES (ALPECIN-DECEUNINCK / AUS)
■山岳賞 : J. VINE (UAE TEAM EMIRATES / AUS)
■新人賞 : M. SKJELMOSE (LIDL-TREK / DEN)
■チーム成績 : UAE TEAM EMIRATES (UAE)
(photo : Unipublic /Cxcling /Toni Baixauli)
