2024ダウンヒルシリーズ第6戦・富士見パノラマリゾートは井本はじめが優勝

9月の長野県とは思えないほど気温が上がった9月7日(土)〜8日(日)、DOWNHILL SERIES 第6戦 富士見パノラマリゾート大会が開催された。

ここ数年のDOWNHILL SERIES 富士見パノラマリゾート大会では、DOWNHILL SERIESスタッフの新沢タケオがコースセッターを務めており、今年も昨年と同様ゴンドラから見える中間池をスタートに設定。大会1週間前から現地入りし、現在は作業道として使用されている旧Aコースをトレースしつつ、高速区間を抜け、第4リフト終点からは旧Bコース下部へ。急斜面な入り口の木の根セクション、ゲレンデに出る手前には数年前の公式戦(Coupe Du Japon)でも使用された「川越えジャンプ」を復活させ、全長3.1km、標高差450mの最後まで気の抜けないレイアウトのコースを設定した。エントリーは193人。

2024ダウンヒルシリーズ第6戦・富士見パノラマリゾート

© Hiroyuki NAKAGAWA/DOWNHILL SERIES

 

暑い日差しが照りつけた土曜日。予選は幾田悠雅(輪娯館/vittoria)が3分29.773秒でトップタイム。前戦での優勝インタビューで語ってくれた「富士見も勝ちます」という言葉通りの走りを見せた。

日曜日。朝イチは晴れていたものの、お昼頃からの天気予報には雨マークがついていた。どうなることかとみんなが懸念していたものの、結局雨は降らず。乾いたレーストラックに全日本選手権に並ぶ錚々たるトップライダーたちが揃う緊張感に包まれるなか、今年の全日本選手権覇者である井本はじめ(Santacruz)が3分24.132秒で優勝。

2位は3分24.676で幾田悠雅、3位は3分24.855秒で土屋聖眞(カトーサイクル)となり、1位から3位までのタイムが0.7秒しかないという大接戦に。4位には3分26.221秒で清水一輝(BLAZE A TRAIL)、5位には3分26.344秒で田中航太(myX/trailadventure)という、ベテランと若手が入り乱れる表彰台となった。

2024ダウンヒルシリーズ第6戦・富士見パノラマリゾート

優勝した井本は「ちょっと体が疲れていて、それもあってスタート前めっちゃ緊張していました。今の若い子たちはめちゃくちゃ速いし、みんなガチでブチ込んでるから、めちゃくちゃ飛ばさないと勝てない。すごい接戦になるだろうなと思っていて。どうしよう、これもうあかんわと思って、ちょっとユルく行こうと思ったら意外とうまくいきました。最初めっちゃミスしたんですけど、頑張って頑張って、もはや限界を超えてたかもしれないです。自分も若い頃そうだったけど、勝ってないとナメられる。ナメられたくないから頑張る。それが今のモチベーションです。」と笑って話してくれた。

今、井本は新たに「HAJIME BIKE CLUB」というマウンテンバイクスクールを始めようとしている。「コロナの前くらいって若い子たち全然いなくて、この業界はどうなるんやろうと思っていました。今は若い子が出てきていて、そんな若い子たちにレースで負けたら悔しいけど、そうあるべきっていうか、もっと若い子に出てきてほしいと思っています。新しく始めるクラブではまずはビギナーを受け入れていこうと思っていますが、いつかクラブでワールドカップに行けたりしたらめっちゃ最高だなと思います。今、(九島)勇気が一人で世界に挑戦してる感じになってるから、そういうのに続く人が出てきたらいいなと。」と言葉を続けた。

富士見パノラマリゾートは関東圏からのアクセスも良いことから、ファンライダーからベテランレーサーまでたくさんのマウンテンバイクライダーが集う、まさに日本マウンテンバイク界の聖地。ここで勝つということは、ひとつの大きな名誉のようなもの。32才、ベテランと呼ばれる域に入ってきた井本はじめがさすがとしか言えない勝利を掴んだ。

惜しくも2位となった幾田は「スタートで漕ぎ出す時にペダルが外れて、つまずいちゃったんですよね。力みすぎみました次は勝ちます。」と次戦を見据えた笑顔を見せてくれた。

 

2024ダウンヒルシリーズ第6戦・富士見パノラマリゾート

エリート女子は藤森美空(Transition Bikes/AST FOREST)が今季出場している4戦で4連勝。

今回は、8才〜64才までの193人がエントリー。そのうち10代が93人、20代が28人、30代は19人、40代が25人、50代が26人、60代が2人という内訳だった。

大会としては今回より「DHSフレンドクラブ」を本格始動させた。キッズクラスを創設して4年、キッズライダーへ向けて門戸を大きく広げてきたが、ここで一度、キッズクラスの競技力向上とレース全体の安全を両立するための施策として、DHSキッズクラスに参加を希望する小学生はDHS実行委員会と意思合意したDHSフレンドクラブの推薦を受けることをエントリーの条件とすることになった。

特に今会場はエントリー時に「他の会場以上に距離・スピード・セクションの繋ぎなど、いずれも難易度の高い設定となる予定」であることを告知しており、大人子供関係なく、それらを理解したうえでしっかりとコースに対応できるライダーのみを参加対象としていることもあったが、各地で推薦を受けた高いレベルのキッズたちが28人も集まってくれたことはとても大きな一歩となった。

DHSフレンドクラブについて詳しくはこちら
https://dhseries.jp/kids-class/

次戦は11月9日(土)〜10日(日)、トレイルアドベンチャー吉野ヶ里(佐賀県)にて第7戦が開催される。エントリーは10月8日(火)ごろ開始予定。初開催の会場となるのでお楽しみに。
https://dhseries.jp/

 

DOWNHILL SERIES 2024 #6 富士見パノラマリゾート(長野県)

開催日:2024年9月7日(土)〜8日(日)

エリート男子
1. 井本はじめ(Santacruz)3:24.132
2. 幾田悠雅(輪娯館/vittoria)+0.544
3. 土屋聖眞(カトーサイクル)+0.723

エリート女子
1. 藤森 美空(Transition Bikes/AST FOREST)4:01.325
2. 渡邊 美里(Wander Vogel/gennoji)+14.130
3. 篠原 彩緒(morinekiよろづやレーシング) +50.445

全リザルト

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