女子Qリーグ、中学生Nリーグ2024-25 第8戦:大磯クリテリウム第2戦 結果
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サイクルロードレースの女子リーグ「クイーン・リーグ(Qリーグ)」、中学生リーグ「ニュー・エイジ・リーグ(Nリーグ)」2024-2025シーズン第8戦:大磯クリテリウム第2戦が11月17日(日)に開催された。
大磯プリンスホテル敷地内の特設コースで行うこの大会は株式会社ウォークライド主催で、開催12年目を迎える地元密着型の自転車クリテリウムレース。今年はコースとなるホテル駐車場の改装によりレイアウト一部変更で、途中箇所にあったクランク部分がなくなり、さらにスピードアップしたレース展開で盛り上がった。
今シーズンはQNリーグのシリーズ戦に今大会の第2戦、そして来年1月開催の第4戦、2月開催の第5戦が対象となり、Qリーグが女子スポーツ、Nリーグ中学生女子NWが中学生女子、そしてNリーグの中学生男子Nが中学生男子と、それぞれ対象の各クラスでポイント獲得を目指す。
朝方は雨が残っていたが、スケジュール最初におこなう恒例の「集団走行セミナー」が始まるころは止んできて、最初のレーススタート時間となる8時過ぎには晴れ間がのぞいた。
ブース出店も相変わらず盛況で、コンパクトな会場内でレースを見渡しながら地元グルメを味わい、自転車関連グッズをチェックできる。会場近くはヒルクライマーに評判が高いヤビツ峠などトレーニングやサイクリングに適したルートがあるせいか、仲間の出場を練習がてら応援にきたり、サイクリング途中に会場内の出店ブースで休憩して昼食をとるなど、レース会場へ気軽に立ち寄れる条件がそろっているのも、この大磯クリテリウムの特徴だ。
少子化の影響や高齢化しつつある他の自転車レース全般に比べて大磯クリテリウムは、参戦する選手の年齢層が全体的に若いのも特徴だろう。年齢別クラスにベテラン選手対象のマスターズはあるものの、際立ってエントリー人数が多いのは走力別のクラス、そしてキッズやジュニアのクラスだ。
走力別ではビギナークラスを3つに分けるほどのエントリー数であるし、スケジュールのトリにおこなわれるエキスパートとエリートはそれぞれ50人近く、その中には多くの中高校生や大学生もエントリーしている。
キッズやジュニアも未就学児のバンビーノから、Nリーグの対象クラスとなる中学生まで各クラス毎回10人から 20人のエントリーをコンスタントに集めていて、レースMCもよく実況内で紹介しているように「大磯クリテで育った選手が、さらに上の実力が参戦するレースで活躍している」という流れを見事に構築している。
「若いフレッシュな選手が多い」大会実現は、1周回が約1km弱というコンパクトで平坦なコースレイアウト故に初レース参戦でもハードルが低いことがキーポイントだ。レース参加のハードルが低いということはキッズなどの小さい子供も参戦しやすいことに繋がっている。
QNリーグ対象のマトリックス主催レース「しもふさクリテリウム」などが開催される下総運動公園も、大磯クリテリウムよりアップダウンがあるもののコース周回が短めで同じような特徴を持っている。会場内にレース以外でも楽しめるイベント、初心者向けのレクチャー付きレースも大事な特徴であろう。
そんな若さがあふれるレースは、正午近くになると自転車レースの未来を牽引するキッズ年齢別クラスがスタート。今回は小学校1年から3年のクラスは12人、4年から6年のクラスが11人、小学生チャンピオンは8人、未就学児のバンビーノは6人のエントリーを集めた。
そしてNリーグ中学生男子N対象の中学生男子クラスは20人エントリー、19人がスタートラインに並んだ。一方で懸念されるのが、Nリーグ中学生女子NW対象の中学生女子クラスにエントリーがなく、レースが今回は不成立だったことだ。これはQNリーグとしても対策を考慮し、次回はレースが成立するように尽力したい。
中学生男子クラスは⻄澤が優勝、バトルマリンジャージを守る
11時42分、かなり気温が上がり雨上がりの蒸し暑さもある中、中学生男子クラスがスタート。
ニュートラル走行の1周回を経て、出走19人は集団を形成し7周回のレースに突入。スタートから約200m地点にある平塚側コーナーを立ち上がったところのクランクがなくなったぶん、コーナー立ち上がり後に一列棒状でなった集団がハイスピードで通過。
わずかに膨らんだ勢いで観客への突っ込み防止用に設置していたパイロンに引っかかった選手に、Nリーグポイントリーダー奪還に気合を入れていたランキング3位のTeamFYTTEの柬理日楠詩が巻き込まれそうになったが、なんとか落車はせずうまく復帰。思わずヒヤリとしたが、この世代で活躍する選手たちのバイクコントロールの高さに改めて感服した。
クリテリウムはコーナリングの捌きも重要なので、参戦と対応トレーニングを重ねて、しっかりと技を磨いていることもあるのだろう。
2周目に入ると早々に現Nリーグポイントリーダー西澤崇介(Vite Jambe)、そしてランキング4位でリーダーの座を追う高橋祐樹(LINKVISION GIRASOLE CYCLING)の2人が集団から抜け出すが、ゴール手前200mの小田原側コーナーで集団に吸収。
3周目のコントロールラインを通過したときにはFYTTE柬理を頭に11人の集団に絞られる。
4周回目では、ランキング 2位の渡邉公太(ブラウ・ブリッツエン U15)、5位の茂木陽向(#1-PRIMERA-)、そしてVite Jambe西澤、FYTTE柬理が集団の前方を固めるなか、西澤が単独で飛び出すが再び集団に戻った。
5周目にはLINKVISION高橋が単独で飛び出すが、こちらもまもなく集団に吸収。なかなかアタックが決めづらいなかで最終周回へと入った。
集団は11人のまま、最終周回の平塚コーナーを越えたあたりで LINKVISION高橋が単独で集団から抜け出すが、この動きにすかさず集団全体が追いかけ小田原コーナーの手前で捕らえ、その後すぐにVite Jambe西澤がコーナー立ち上がりからアタック!このロングスプリントが非常に伸びて、そのままゴールに先着し、久しぶりの優勝を決めた。
続いて2位に入ったのはNリーグ登録でない吉田楓芽(フラムルージュ)となり、レース着順がリーグランキング順位に連動するため2位になったら獲得できる20ポイントが今レースではなしとなった。
そのため、西澤を僅差で追いかけてきたランキング2位のブラウ・ブリッツェン渡邉はレース4位で12ポイント、ランキング3位のFYTTE柬理はレース3位で15ポイントの獲得となってしまい、今回リーグ最高ポイント28を獲得した西澤とポイント差が開く悔しい結果となってしまった。
一方、今レースではNリーグのランキングTOP6が出そろう非常にマークが厳しいレースのなか、序盤から集団の前方に出て積極的なレースを展開していた西澤は「自分でレースを作っていこうと思っていったんですが、それがうまくいって良かったです」とホッとした表情で、授与式で答えてくれた。
攻撃が最大の防御になるような積極的なレース展開を作りつつ、最後の周回で集団のまま突入した後について、西澤は「(小田原コーナーの)立ち上がりで踏んで、そのまま行こうと思いました。そして前回(10月20日開催の大磯クリテリウム第1戦)と同じところからスプリントを仕掛けてうまくいきました」と作戦が成功した詳細も教えてくれた。
Nリーグ中学生男子Nスポンサーである武田レッグウェアーより副賞で授与された FITグローブを愛用している西澤は「フィット感があって、ダイレクトな感触でとても良いです!」と、R×Lソックスとともに最高の相棒を得て、今後のリーダー防衛も「そのまま勝ち切ってバトルマリンジャージを守りたいと思います!」と力強く宣言してくれた。
そんな言葉を裏付けるように、午後開催されたエキスパートクラスにも参戦し、こちらでも優勝を飾った。
女子スポーツレースでQリーグ・根本が健闘
中学生男子クラスの表彰式やNリーグポイントリーダー授与式、昼休憩を挟んで、午後1時33分のスタートはQリーグ対象の女子スポーツレース。今回は11人のエントリー全員がスタートし、1周回のニュートラル走行後から11周回のレースに11人の集団のまま入った。
2周回までは集団は1つのままであったが、3周目から古谷桜子(内房レーシングクラブ)を先頭に4人が抜け出し、その動きで集団がスピードアップ。
4周目でQリーグランキング5位の増輪心(Team一匹狼)が集団から遅れてしまい、5周目にはQリーグの2020、2021の2シーズンでポイントリーダーとなった廣瀬博子(Pedalist)も遅れてしまう。
5周目からは8人となった集団が周回ごとにジリジリと少しずつ早くなるなか、次に誰がアタックをするのか?とスリリングな展開に観客は大いに沸く。
いよいよ残り3周となったときに小野響子(teamZERO)と黒川真理子(AutoBahnGotemba)の2人が集団から抜け出し、これを内房レーシング古谷が素早く単独で追う。このタイミングで集団のスピードが一段と上がり、残り 2周回では昨シーズンのQリーグポイントリーダーで、現ランキング 4位の根本香織(Team一匹狼)が集団から落ちてしまう。
最終周回に入り、先ほどの集団スピードアップの要因を作った1人であるZERO小野が、今度は単独でアタックし集団からの抜け出しに成功。この動きに取り残された集団の5人が追いかけ、そこから内房レーシング古谷と山根菜穂(TEAM CSM)が逃げる小野に迫るが、ゴールラインに向かうホームストレートが追い風だったこともあり、小野のスピードが緩むことなく力強いペタリングでゴールラインまで踏み切ることに成功し、見事優勝を果たした。
2位はCSM山根、3位には終始積極的な動きを見せた内房レーシング古谷が入った。
なお、この女子スポーツのレース結果により、Qリーグのポイントリーダーは変わらず佐藤直美(Yahoo! JAPAN Cycle Racing team)となった。
各リーグポイントリーダー
今大会の年間総合ポイントリーダー授与式では、Bioracerより「アメジストジャージ」「バトルマリンジャージ」各リーダージャージが提供された。
また、Qリーグは株式会社隼より「アスリチューン Qリーグポイントリーダー賞」、Nリーグ中学生男子Nは武田レッグウェアー株式会社より「RxL Nリーグ中学生男子ポイントリーダー賞」、Nリーグ中学生女子NWはアイリス株式会社より「EXLUB Nリーグ中学生女子NWポイントリーダー賞」がそれぞれ賞品として提供された。
Qリーグポイントリーダー:アメジストジャージ
Nリーグポイントリーダー:バトルマリンジャージ
アスリチューン賞Qリーグ(高校生以上女子)
ポイントリーダー:佐藤 直美(Yahoo! JAPAN Cycle Racing team)・40p
ランキング2 位:岡本 彩那(ブラウ・ブリッツエン)・28p
ランキング3 位:小田 恵利花(ラバネロ)・27p
RxL賞N リーグ・N(中学生男子)
ポイントリーダー:⻄澤 崇介(Vite Jambe)・169p
ランキング2 位:渡邉 公太(ブラウ・ブリッツエンU15)・137p
ランキング3 位:柬理 日楠詩(Team FITTE)・133p
EXLUB 賞N リーグ・NW(中学生女子)
ポイントリーダー:岡田 愛裕來(ブラウ・ブリッツエンU15)・55p
ランキング2 位:小田島 寛奈(#1-PRIMERA-)・28p
<レポート概要>
写真撮影:k.kazuma、QNリーグ事務局
テキスト:須藤むつみ(QNリーグ事務局)
協力:株式会社ウォークライド
*大磯クリテリウム:公式ホームページ
https://walkride-cycling.info/oiso-c2024-25/
2024-2025Qリーグ・Nリーグ対象となる全11戦のレーススケジュールはこちら。
Qリーグ、Nリーグは残り3戦!ますます目が離せない展開の全11戦、引き続きポイントリーダー争いにご期待ください!
http://www.jbrain.or.jp/q-n-league/race-profile.html
次戦は年明け 2025年1月19日(日)の「大磯クリテリウム第4戦」となります。
https://walkride-cycling.info/oiso-c2024-25/
Qリーグ・Nリーグの登録はこちら。
各対象レース開催日の 3日前まで登録完了すればポイントランキングに反映。今後も女子とジュニア中学生が活躍するリーグにご声援のほどよろしくお願いします!
https://moshicom.com/102128/