ブエルタ・ア・エスパーニャ2025のコース発表

2024.12.21
レース

photo UNIPUBLIC / SPRINT CYCLING AGENCY

スペインのウニプブリクが12月19日にマドリードで、来年8月23日に開幕する第80回ブエルタ・ア・エスパーニャ（ＵＣＩワールドツアー）のコース発表会を行った。

スペインの首都マドリードで、90周年を迎える来年のブエルタのコース発表会が行われた (photo : UNIPUBLIC / SPRINT CYCLING AGENCY)

90周年記念大会はイタリアで開幕

1935年に創始し、来年90周年を迎えるブエルタは、記念すべき節目の大会を北イタリアのトリノで開幕する。スペインのグランツールであるブエルタが外国からスタートするのは、1997年と2024年のリスボン（ポルトガル）、2009年のアッセン（オランダ）、2017年のニーム（フランス）、2022年のユトレヒト（オランダ）に続いて６回目で、イタリアが開幕地になるのは初めてだ。

イタリアでは３ステージが行われ、8月23日の第１ステージはトリノ郊外のヴェナリア・レアーレにあるヴェナリア宮殿をスタートし、途中カテゴリー３のビエンカ・トマリーノ峠を越え、ノヴァーラにゴールする183kmの平坦ステージが競われる。

第2ステージは早くも頂上ゴールとなり、標高1381mでカテゴリー２のリモーネ山がゴールになっている。さらに翌日はサンマウリツィオ・カヴァネーゼからチェレスまでの139kmで、途中カテゴリー２のイッシリオ峠を通過する中級山岳の第3ステージが競われる。

第4ステージはフランス国境に近いスーザがスタートになり、アルプスのカテゴリー3と2の峠を3カ所越えてフランスに入り、ヴォアロンでゴールする。その後、ブエルタ一行は空路でスペイン北東部カタルーニャ州へと移動し、第5ステージはフィゲレスで20kmのチームタイムトライアルが競われる。

10区間が頂上ゴール

90周年記念大会のコース発表会には、14人の総合優勝者が顔を揃えた (photo : UNIPUBLIC / SPRINT CYCLING AGENCY)

来年のブエルタはスペインの北部が舞台となり、南部は訪れない。カタルーニャ州からピレネー山脈を巡った後は、バスク地方、アストゥリア州、ガリシア州と北部を東から西へと移動し、9月14日に中部の首都マドリードで閉幕する。全21ステージ中、実に10ステージがカテゴリー2以上の頂上ゴールになっており、ヨーロッパの主要メディアは口を揃えて「ポガチャルのために作られたコース」と、評している。

注目すべき山岳区間は、アストリア州カンタブリア山脈のアングリル（標高1550m）にゴールする第13ステージと、その翌日に控えたカテゴリー1のファラポナ山（標高1701m）にゴールする第14ステージ、そして最終日前日に設定されたグアダラマ山脈のボラ・デル・ムンド（標高2258m）にゴールする第20ステージだ。最終週にはバリャドリードで26kmの個人タイムトライアルを競う第18ステージも設定されている。

スロベニアのタデイ・ポガチャル（ＵＡＥチーム・エミレーツ）にとっては、まだ総合優勝した事がないブエルタを優勝リストに加える絶好のチャンスになりそうだ。しかし、現時点でまだ来年のジロ・デ・イタリア（ＵＣＩワールドツアー）のコースが発表されていないため、７月のツール・ド・フランス（ＵＣＩワールドツアー）には確実に参加するポガチャルが、ジロとブエルタのどちらを選ぶかは、ジロのコースが明らかになってからになるだろう。遅れているジロのコース発表は、来年1月13日に行われる予定だ。