ジロ・デ・イタリア2025 コース発表

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5月に開催される第108回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)のコース発表会が、1月13日にイタリアの首都ローマで開催された。
 

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イタリアの首都ローマで今年のジロのコース発表会が行われた (photo : LaPresse)

 
バルカン半島のアルバニアで開幕

今年のジロはバルカン半島南東部の小国アルバニアで開幕する。アドリア海を挟んだ隣国であるアルバニアをジロが訪れるのは初めての事だ。ジロがイタリア国外からスタートするのは15回目で、アルバニアは12カ国目となる。国外からスタートするため、今年のジロは例年よりも1日早い5月9日の金曜日に開幕し、6月1日に首都ローマで閉幕する。

アルバニアでは3ステージが競われ、初日はアドリア海の港町ドゥラスから首都ティラーナまでの164kmで、中級山岳ステージが競われる。第2ステージはティラーナ市街地で13.7kmの個人タイムトライアル、第3ステージは南部の港町ヴローラがスタートとゴールで、後半にカテゴリー2の峠を越える中級山岳ステージが行われ、アルバニアでマリア・ローザを獲得するのは誰なのかが注目だ。5月12日の月曜日は休養日となり、イタリア南部プーリア州へと移動する。
 

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ローマで行われたジロのコース発表会に出席したアルバニアのエディ・ラマ首相(左から3人目)は壇上で流暢なイタリア語を披露した (photo : LaPresse)

 
イタリアでのステージは、世界遺産の村アルベルベーロからスタートし、やっとスプリンターたちに活躍の場が与えられる。長靴型の半島のかかとから北上し、第7ステージは中部アブルッツォ州にある標高1425mのタリアコッツォにゴールする今年最初の頂上ゴール区間となる。コース発表会に出席していたイタリアのヴィンチェンツォ・ニバリは、このステージが前半で重要だと言っていた。そして1週目は、後半に未舗装路のストラーデ・ビアンケを走りシエナにゴールする“バルタリ区間”の第9ステージで締めくくられる。
 

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●第7ステージのコースプロフィール (MAP : RCS Sport)

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●第9ステージのコースプロフィール (MAP : RCS Sport)

 
2度目の休養日の後、2週目はルッカからピーザまでの28.6kmで個人タイムトライアルで始まり、翌日の第11ステージは、25年ぶりにアッペンニーノ山脈のアルペ・サン・ペッレグリーノ(標高1623m)を通過する。その後、ヴェネト州を通過した後、2週目の土曜日には隣国スロベニアへと越境し、ノヴァ・ゴリツァで国境をまたぐローカルサーキットがゴールの第14ステージを競う。

3度目の休養日の後、最終週は4つの峠を越えた後、標高1315mでカテゴリー1のサン・ヴァレンティーノ頂上にゴールする第16ステージで幕を開ける。最終週は厳しい山岳ステージが集中し、第17ステージは標高1854mのモルティローロ峠を通過する。そして首都ローマへと戻る前の2日間が、総合争いの鍵となる。
 

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●第16ステージのコースプロフィール (MAP : RCS Sport)

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●第17ステージのコースプロフィール (MAP : RCS Sport)

 
イタリア北西部ヴァッレ・ダオスタ州で競われる第19ステージは、全長166kmと短く頂上ゴールではないが、5つの峠を越え、累積標高は5000m近くになる。そして標高2033mのセストリエーレ頂上にゴールする最終日前日の第20ステージは、終盤に標高2178mで今大会のチマ・コッピ(最高峰)となるフィネストレ峠を通過する。
 

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●第19ステージのコースプロフィール (MAP : RCS Sport)

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●第20ステージのコースプロフィール (MAP : RCS Sport)

 
今年も最終目的地の“グランデ・アッリーヴォ”は首都ローマで、最終日は3年連続でローマ市街地のサーキットでスプリント・ステージを競う。ローマで閉幕するのはこれで7度目となる。

21ステージの総距離は3413.3km、ステージの平均距離は162.5km。頂上ゴールは3ステージしかないが、累積標高は52500mで昨年よりも10000m以上多い。ステージの内訳は個人タイムトライアルが2、スプリンター向きのステージが6、中級山岳ステージが8、山岳ステージが5で、そのうち3ステージが頂上ゴールになっている。
 

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●第108回ジロ・デ・イタリア全行程 (MAP : RCS Sport)

 
■マウロ・ベンニ(コースディレクター)のコメント
「2025年のジロ・デ・イタリアのコースは、全ての選手たちにより大きな挑戦を与える。昨年の大会と比較して累積標高が10000mも増えたことで、我々はジロの難易度を新たなレベルへと引き上げ、このレースを非常にユニークなものにしている特徴をリニューアルする事を望んだ。

このジロはスタートから厳しく、アルバニアで既に優勝候補たちの間に差が生まれる可能性がある。グラベルの道からヴァッレ・ダオスタとフィネストレ峠の最終決戦まで、コースには全体に多くの挑戦が散りばめられている。我々はファンがこのスペクタクルなショーを楽しんでくれるだろうと確信し、スタートにはトップクラスの選手たちが勢揃いする事を期待している」
 

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●第108回ジロ・デ・イタリアのコースマップ (MAP : RCS Sport)


ジロ・デ・イタリア 2025 全日程

5月9日(金) 第1ステージ[ドゥラス(アルバニア)~ティラーナ(アルバニア)]164 km(中級山岳) ★★★

5月10日(土) 第2ステージ[ティラーナ(アルバニア)~ティラーナ(アルバニア)]13.7 km(個人TT) ★★★

5月11日(日) 第3ステージ[ヴローラ(アルバニア)~ヴローラ(アルバニア)]160 km(中級山岳) ★★★

5月12日(月) 休養日

5月13日(火) 第4ステージ[アルベルベッロ(ピエトラマードレ)~レッチェ]187 km(スプリント) ★

5月14日(水) 第5ステージ[チェリエ・メッサーピカ~マテーラ]144 km(スプリント) ★★

5月15日(木) 第6ステージ[ポテンツァ~ナポリ]226 km(平坦) ★★

5月16日(金) 第7ステージ[カステル・ディ・サングロ~タリアコッツォ]168 km(山岳▲) ★★★★

5月17日(土) 第8ステージ[ジュリアノーヴァ~カステルライモンド]197 km(中級山岳) ★★★

5月18日(日) 第9ステージ[グッビオ~シエナ]181 km(中級山岳) ★★★

5月19日(月) 休養日

5月20日(火) 第10ステージ[ルッカ~ピーザ]28.6 km(個人TT) ★★★★

5月21日(水) 第11ステージ[ヴィアレッジョ~カステルノーヴォ・ネ・モンティ]185 km(中級山岳) ★★★

5月22日(木) 第12ステージ[モデナ~ヴィアダーナ(オイヨ・ポー)]172 km(スプリント) ★★

5月23日(金) 第13ステージ[ロヴィーゴ~ヴィチェンツァ]180 km(中級山岳) ★★

5月24日(土) 第14ステージ[トレヴィーゾ~ノヴァ・ゴリツァ(スロベニア)/ゴリツィア]186 km(中級山岳) ★★

5月25日(日) 第15ステージ[フィウーメ・ヴェーネト~アジアーゴ]214 km(山岳) ★★★★

5月26日(月) 休養日

5月27日(火) 第16ステージ[ピアッツォーラ・スル・ブレンタ~サン・ヴァレンティーノ(ブレントーニコ)]199 km(山岳▲) ★★★★★

5月28日(水) 第17ステージ[サン・ミケーレ・アッラディジェ(エドムンド・マッハ財団)~ボルミオ]154 km(中級山岳) ★★★

5月29日(木) 第18ステージ[モルベーニョ~チェザーノ・マデルノ]144 km(スプリント) ★★

5月30日(金) 第19ステージ[ビエッラ~シャンポルッツ]166 km(山岳) ★★★★★

5月31日(土) 第20ステージ[ヴェレス~セストリエーレ(ヴィアラッテア)]203 km(山岳▲) ★★★★★

6月1日(日) 第21ステージ[ローマ~ローマ]141 km(スプリント) ★
 

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(photo : LaPresse)

ジロ・デ・イタリア公式サイト