女子Qリーグ、中学生Nリーグ2024-2025シーズン最終戦:しもふさクリテリウム結果
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サイクルロードレースの女子リーグ「クイーン・リーグ(Qリーグ)」、中学生リーグ「ニュー・エイジ・リーグ(Nリーグ)」2024-2025シーズン最終戦「しもふさクリテリウム 3月」が3月1日(土)、季節を先取りするような春の暖かさの中、千葉県成田市・下総運動公園内にて開催された。

レディースクラス、ゴールスプリントを制し見事優勝したブラウ・ブリッツェン岡田(Photo:gg_kasai)
この大会はサイクルロードレース協会東日本(MATRIX)主催で、今シーズンの開幕戦「しもふさクリテリウム 5月」と同じく会場内にある1周回・約1.5kmの常設サイクリングコースで行われた。
今回もトップクラスはもちろん、ジュニアやキッズ、女子も人気が高く、多くの参加者が集まった。今シーズンもリーグ最終戦として対象レースをQリーグとNリーグ中学生女子NWはレディースクラス、Nリーグ中学生男子Nは中学生クラスに設定し、それぞれのレースで年間総合ポイントリーダーが決まる熱い闘いが繰り広げられた。
朝から風の穏やかな天候の中、大会ホストチームで Jプロツアーを中心に活躍するチーム MATRIX POWERTAGの所属選手達が、第 1レースとなる120分エンデューロで参戦ライダーをエスコートしながら大会を温める。
そして各レース前試走の時間帯で実施されるサイクルクリニックは、今回もハムスタースピン代表・福田昌弘氏が担当。集まった顔ぶれに合わせて安全走行のコツを指導してから、コース試走へと送り出していた。
8時過ぎからスタートした120分エンデューロから個人タイムトライアル、キッズの各年齢別レースとスケジュールが進み、いよいよ昼過ぎの12時15分にQリーグとNリーグ中学生女子NWが対象となるレディースクラスが、小学生チャンピオンクラスに時差1分の混走でスタートした。
レディースクラスは岡田愛裕來が優勝、NW年間総合ポイントリーダーの座を獲得
レディースクラスのエントリーは8人で、その中には現在Qリーグのポイントリーダーを守る佐藤直美(Yahoo! JAPAN)、そしてNリーグに登録するも今シーズンはリーグシリーズ戦出場の機会が少なかった小田島寛奈(#1-PRIMERA)の名前もあったが、残念ながら両名ともに不参加に。
そのため当日、無事に出走できた6人の選手全員に優勝の可能性が格段に上がったこともあり、コース 5周=7.5kmとなる短期決戦はスタートから虎視眈々とお互いを探り合う展開となった。

レディースのレーススタートを待つ、バトルマリンジャージ姿も板についたブラウ岡田(Photo:gg_kasai)

先行する内房レーシング安藤を懸命に追う根本(写真左)とブラウ岡田(写真中央)(Photo:gg_kasai)
スタートからしばらくして、ローリング解除から集団の先頭から飛び出し最初にアタックしたのは安藤雅子(内房レーシングクラブ)。その5秒ほど後ろに集団を従えた状況で 2周回目へ入る。
次周回でも集団から3秒ほど差を付けて安藤がリードしたままレースが進んだが、3周目に安藤が集団に吸収されてからは一気にレース展開はスローに。1周のタイムが残り2周目で2分 32秒、残り1周に入ったときが2分45秒まで落ちていく。
その隙を狙いすまして切り裂いたのが、Nリーグ中学生女子のポイントリーダーであるブラウ・ブリッツェンU15の岡田愛裕來。昨シーズンのシリーズ最終戦で優勝を狙うも同レース3位の悔しさ、その後しもふさクリテでの優勝から遠ざかっていたこともあって、ゴールスプリントに雪崩れ込んだ4人の中で唯一しっかりとハンドルを投げ、念願の優勝を手に入れた。
2位には市村愛(セマスR新松.)、3位には根本香織(Team一匹狼)が入り、この結果によりNリーグ中学生女子NWの年間総合ポイントリーダーには2年連続でブラウ岡田が獲得。そしてQリーグは最終戦による5ポイントのボーナス加点もあって一匹狼の根本が大逆転し、年間総合ポイントリーダーの座を手に入れた。

先行していた選手が戻り、再び集団が1 つとなった選手達をチェックするブラウ岡田(右)(Photo:gg_kasai)

肩周辺が一回り大きくなった岡田は、しっかりハンドルを投げて優勝を決めた(中央)(Photo:gg_kasai)

レディース表彰式、左よりプレゼンターのチーム MATRIX POWERTAG橋本昂哉、2位セマス R市村、優勝ブラウ岡田、3位 Team一匹狼・根本、チーム MATRIX岡崎一輝(Photo:gg_kasai)
最後の最後でアメジストジャージを獲得した根本。今シーズンは苦戦が続いていて年間総合ポイントリーダー授与式でも、その点について「今シーズンは昨シーズンと変わってレースの順位が、そのままリーグ順位となって獲得ポイントとランキングが決まるので勝負で難しいところがあったんです」と苦しい胸の内を明かしてくれた。しかし「最後に奪還できてうれしいです!」とハッピーエンドとなった結果に笑顔でコメント。

Qリーグの冠協賛である株式会社隼様よりアスリチューンの特製詰め合わせのほか、今期に新発売された腸内環境を整えるBio&ファイバーも特別プレゼント!アスリチューン製品でパワーアップして益々の活躍を(Photo:gg_kasai)

年間総合特別賞として株式会社ジゴスペックから、好きなAirflyサングラス1本とともに、Qリーグリーダーには特製バスタオルも!(Photo:gg_kasai)
2年連続の年間総合ポイントリーダーとなり長年、走りでQリーグを盛り上げている根本に来シーズンの抱負を聞くと「今シーズンは参戦できなかったレースもいくつかあったのですが、来シーズンはスケジュールを空けて毎レースチャレンジしていきたいと思いますので、皆さんよろしくお願いします!」と今後への気合いを語ってくれた。

最終戦で3位入賞、年間総合ポイントリーダーも獲得し最高の笑顔がこぼれる根本(Photo:gg_kasai)
Nリーグ中学生女子NWの年間総合ポイントリーダー授与式に開幕戦から守り通したバトルマリンジャージ姿で登場した岡田は、最終戦を力強い積極的な走りで優勝を決めたこともあり「最近、結果を出せていなかったので、最終戦で優勝できて良かったです!」と自信にあふれた表情でコメントした。

Nリーグ中学生女子NW冠協賛のアイリス株式会社よりEXLUB特製キャップを贈られ、さっそく着用し笑顔を見せるブラウ岡田(Photo:gg_kasai)

2年連続のバトルマリンジャージ獲得で一層自信をつけた岡田。今後の活躍も注目したい(Photo:gg_kasai)
昨シーズンは中学1年生、そして今シーズンは2年生での連続Nリーグ年間総合ポイントリーダー防衛に成功した岡田は、来シーズンは高校受験を控えて「受験勉強も自転車も頑張りたいと思います」とますます忙しくなる学校生活への抱負も教えてくれた。
来シーズンはリーグシリーズ戦を中心に、四日市ジュニアロードレースなど全国大会レベルでの活躍にも期待したい。

年間総合ポイントリーダー授与式、笑顔で声援に応えていたブラウ岡田(Photo:gg_kasai)

ジュニア強化レースでは、今回もチーム MATRIX POWERTAG安原昌弘監督から貴重な講評とともに敢闘賞が贈られた。Nリーグ登録選手たちも敢闘賞に選ばれる素晴らしい走りを見せた(QNリーグ事務局)

今大会最速ラップを出す展開で盛り上げたジュニア強化レース敢闘賞受賞選手(QNリーグ事務局)
中学生クラスはNリーグ・ポイントリーダー西澤崇介が僅差で2位
その後、恒例となったジュニア強化レースや、実力別クラスレースが続き、午後2時26分からNリーグ中学生男子Nの対象レースとなる中学生クラスのスタート。コース 6周=9.0kmで決まる決戦に、今回は27人がエントリーしており、この中には前回2月の大磯クリテリウム第5戦で活躍していた選手の名前もあった。
スタートしてローリング解除の後、リアルスタートから直ぐに集団から動きがあり、最初の周回を終えて髙橋琉登(Komami.Racing)が単独で飛び出し、後続集団に 5秒ほどの差をつける。しかし 2周回目を終えたときには、すぐ後ろに集団が迫る状況で、間もなく集団はひとつに。

スタートを待ちわびる中学生クラスの参戦選手たち(Photo:gg_kasai)

MCノゾミ氏からの選手紹介にバトルマリンジャージ姿 vite Jambe西澤が堂々と応える(Photo:gg_kasai)

リアルスタートの合図を待ち、スロー走行で進むスタート直後の中学生クラス集団(Photo:gg_kasai)

中盤から活性化し Nリーグ選手を中心に動く。集団先頭を引く西澤(写真中央)(Photo:gg_kasai)
3周目では集団の頭を今シーズンのNリーグを大いに盛り上げた現ポイントリーダー西澤崇介(viteJambe)、ポイントランキング2位の柬理日楠詩(Team FITTE)、3位の渡邉公太(ブラウ・ブリッツェン U15)、4位の高橋祐樹(LINKVISION)、そして途中からリーグ登録したもののランキングを6位まで上げた平山智也(BMレーシング)の5人が固め、レース全体の動きをコントロールしている。

集団の頭を固めるN リーグ選手達は、積極的な動きでレース展開を作る(Photo:gg_kasai)
しかし毎戦、Nリーグ登録の選手達が活躍している状況を黙って見ているわけではない。残り2周に入り小林拓海(#1-PRIMERA-)が集団の先頭を引き始めると集団のペースが上がり、17人にまで人数が絞られる。更に残り1周では集団から8人が飛び出して、最終的には6人でゴールスプリントへ。

ゴールに向かう最後の駆け上がり、一気に雪崩れ込んでくる先頭集団(Photo:gg_kasai)

西澤(左)と吉田(中央)の一騎打ちとなったスプリントは、僅差で吉田に軍配が上がる(Photo:gg_kasai)
先頭を切ってゴールに入ったのはポイントリーダー西澤、そして吉田楓芽(フラムルージュ)の2人。お互いに鋭くハンドルを投げ、タイヤ差で軍配は吉田に上がった。惜しくもシリーズ戦の連勝が続いていた西澤が2位に、そして最後まで粘ったブラウ渡邉が3位となり表彰台圏内に入った。
中学生クラスの表彰式の後に行われたNリーグ中学生男子Nの年間総合ポイントリーダー授与式において、前回シリーズ戦でコメントしていた「最終戦での優勝」を、あとわずかで逃しての2位について質問を投げた。するとバトルマリンジャージの西澤は、少し沈黙があってから絞り出すように「悔しいです」と重く一言をコメントするのが精一杯。
しかしシリーズ全11戦の参戦を通じて「友達も増えたし、自分も強くなれたし、成長したなあ、と思いました」と実り多い貴重な経験になった、とコメントしてくれた。そんな西澤選手の活躍を見届けたリーグ戦ファンの皆さんも、1年にわたり一緒に成長をご覧いただけたと思う。

中学生クラスの表彰式、左よりプレゼンターのチーム MATRIX POWERTAG植益和行、2位の西澤、優勝フラムルージュ吉田、3位ブラウ渡邉の各入賞選手(Photo:gg_kasai)

Nリーグ中学生男子N冠協賛の武田レッグウェアー株式会社から年間総合特別賞として R×L公式オンラインショップで使える1万ポイントも追加プレゼントされた(Photo:gg_kasai)
今年4月から高校生になる西澤、このシーズンでNリーグ卒業なので来シーズンに続くNリーグポイントリーダーを目指す中学生選手たちへのコメントをお願いすると、「皆で切磋琢磨してレースを動かしてください!」と語った。自分が積極的にレースを動かしで成長したことを、今後に続くNリーグ選手たちへの熱いエールとして贈った。

今期、急成長を見せオールラウンダーな走りでランキング2位となった FITTE柬理(Photo:gg_kasai)

中盤まで好調を見せるも年末の怪我に泣いたランキング 3位の渡邉、しかし最終戦では表彰台をゲット(Photo:gg_kasai)
さらに、Nリーグ中学生男子Nのバトルマリンジャージを巡る熱い闘いを盛り上げた年間ポイントランキング2位の柬理、3位の渡邉にもポイントリーダージャージ協賛ビオレーサーより特別賞が授与された。
授与式に登場したランキング3位の渡邉は「高校受験なので勉強も自転車も頑張りたいです!」、2位の柬理は「来年は(渡邉)公太に負けないように1年過ごして頑張りたいです!」とコメント。中学3年生で高校受験を控える2人に、ポイントリーダー西澤からは「頑張ってください!!」と笑顔でエール。3人揃って爆笑となり、この1年を通して最高の仲間になった姿を見せてくれた。

ポイントリーダーを⻁視眈々と狙い続けた最高のライバルたち、見事なコメントで爆笑!(Photo:gg_kasai)
年間総合ポイントリーダーが決定

<写真左より、Qリーグ根本、Nリーグ⻄澤、NW岡田の各年間総合ポイントリーダー>
今大会の年間総合ポイントリーダー授与式では、ビオレーサーより「アメジストジャージ」「バトルマリンジャージ」各リーダージャージの提供と年間総合特別賞とともに、Nリーグ中学生男子Nのランキング上位3人には特別賞が追加で提供された。
また、Qリーグは株式会社隼より「アスリチューンQリーグポイントリーダー賞」、Nリーグ中学生男子Nは武田レッグウェアー株式会社より「RxL Nリーグ中学生男子 Nポイントリーダー賞」、Nリーグ中学生女子NWはアイリス株式会社より「EXLUB Nリーグ中学生女子 NWポイントリーダー賞」が、それぞれ年間総合の特別賞品として提供された。
また最終戦において、各リーグ年間総合ポイントリーダーへ株式会社ジゴスペックよりAirflyのサングラスが提供された。
Qリーグポイントリーダー:アメジストジャージ
Nリーグポイントリーダー:バトルマリンジャージ
提供:Bioracer
アスリチューン賞 Qリーグ(高校生以上女子)
年間総合ポイントリーダー:根本 香織(Team 一匹狼)・47p
ランキング2位:佐藤 直美(Yahoo! JAPAN Cycle Racing team)・40p
ランキング3位:岡本 彩那(ブラウ・ブリッエン)・28pp
R×L賞 Nリーグ・N(中学生男子)
年間総合ポイントリーダー:⻄澤 崇介(Vite Jambe)・250p
ランキング2位:柬理 日楠詩(Team FITTE)・159p
ランキング3位:渡邉 公太(ブラウ・ブリッツエンU15)・157p
EXLUB賞 Nリーグ・NW(中学生女子)
ポイントリーダー:岡田 愛裕來(ブラウ・ブリッツエンU15)・116p
ランキング2位:小田島 寛奈(#1-PRIMERA-)・28p
年間総合ポイントリーダー特別賞:Airfly(株式会社ジゴスペック)
※ランキングにおいて同点者が出た場合、最新のレース着順が優位の選手を上位とする。
※最終戦終了時において、同点者が出た場合は、最終戦直前のランキングで優位の選手を上位とする。
※最終戦については、ポイントテーブルに5 点ずつ加算した点数を付与する(最終戦ボーナス)。

ポイントリーダージャージ協賛、Bioracer特製コーヒーカップを贈られるQリーグ根本(Photo:gg_kasai)

Nリーグを通じて中学生男女選手達の成長を見守る協賛各社に感謝する選手達(Photo:QNリーグ事務局)

自転車は日本を元気にする!今後も Qリーグ・Nリーグ選手の活躍にご注目ください! Photo:QNリーグ事務局)
<レポート概要>
写真撮影:gg_kasai、QNリーグ事務局
テキスト:須藤むつみ(QNリーグ事務局)
協力:サイクルロードレース協会東日本(MATRIX)
*しもふさクリテリウム 3月:公式レース結果
https://crra.powertag.jp/result/east/2024/shimofusa3.html
2024-2025Qリーグ・Nリーグ対象となる全 11戦のレーススケジュールはこちら。今シーズンもご声援いただき誠にありがとうございました!
http://www.jbrain.or.jp/q-n-league/race-profile.html
3月中旬には来シーズン 2025-2026要項の発表を予定しています。6期目となるリーグに皆様の登録をお待ち申し上げております。皆でアメジストジャージ、バトルマリンジャージを目指しましょう!
http://www.jbrain.or.jp/q-n-league/
*これからも日本国内の女子やジュニア選手達の活躍の場を広げるためQNリーグ運営を行なっていきます。引き続きご注目とご声援のほど、よろしくお願いいたします。

Nリーグ年間総合ポイントランキング TOP3表彰で声援に応える授与選手たち(Photo:gg_kasai)

レーススタート前に笑顔を見せるブラウ岡田(左)と一匹狼・根本(右)(Photo:gg_kasai)