UCIが新型コロナウイルス感染拡大地域でのレース中止を要求
世界規模での新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染拡大が続くなか、国際自転車競技連合(UCI)は3月15日に、自転車競技イベントに関わる全ての人々の健康を最大限に保護することを目的とした措置を発表した。
アスリートたちの安全を最優先事項とし、UCIはWHO(世界保健機関)によって新型コロナウイルス感染拡大の危険にさらされていると特定された地域では、UCI国際カレンダーのいかなるサイクリングイベントも中止にするよう主催者に要求した。
UCI国際カレンダーの全てのイベントについて、3月15日からさらなる通告があるまで、あるいは少なくとも4月3日まで、全ての成績は中断する。指定された機関のポイントが凍結されることで、UCIはアスリートたちのスポーツ上の平等を維持している。
東京2020オリンピックとパラリンピックの代表選考が続いているMTB、BMXレース、BMXフリースタイル、パラサイクリングロードについては、3月3日にさかのぼって選考期間を停止するようIOC(国際オリンピック委員会)とIPC(国際パラリンピック委員会)に依頼している。
欧州では3月後半のほとんどのレースがすでに中止か延期
3月4日の時点では、UCIは現段階ではいかなるイベントの中止も進めないとし、それを各地域の保険当局の手に委ねたため、主催者はそれぞれの開催国の新型コロナウイルス対策に従って、レース開催や中止を個々に決定していた。そのため、UCIがやっと新型コロナウイルス対策を発表した時には、すでにヨーロッパでは3月後半に開催を予定していたロードレースがほとんど中止または延期を発表していた。UCIにはすでに1000件以上の延期と中止のリクエストが届いているそうだ。
3月14日にフランスでUCIワールドツアーのパリ〜ニースが予定よりも1日早く終了したあと、3月15日時点でUCI国際カレンダーにまだ掲載されている3月のレースは、南米チリのクラス2.2のレースと、日本のツール・ド・とちぎ(アジアツアー2.2/3月20〜22日)、スロベニアのGP・アドリア・モビリ(ヨーロッパツアー1.2/3月29日)、フランスのショレ・ペイド・ロワール(ヨーロッパツアー1.1/3月29日)だけだった。
ツール・ド・とちぎはスタート・フィニッシュ会場への観客の入場を禁止するなどの対策を取って開催する方針だったが、今回のUCIの決定で中止が濃厚になった。
主要レースの多くはUCIに国際カレンダー上での新しい日程の割り当てを要請しているが、UCIはいかなる保証もできないが、後の段階で新しい日程の可能な再配置を発表するとしている。UCIはスイス本部で働く120人のスタッフを、3月17日から在宅勤務とする事業継続計画も発表した。
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