フルームが来季イスラエル・スタートアップネーションへ移籍
ツール・ド・フランスで4回優勝している英国のクリストファー・フルームが、今シーズン限りで英国のチームイネオス(UCIワールドチーム)を離れ、イスラエルのイスラエル・スタートアップネーション(UCIワールドチーム)へ移籍することになった。
35歳のフルームが現在所属するチームイネオスは7月9日に、今シーズンの終わりで終了するフルームとの契約を更新しないと発表した。デービッド・ブライスフォードGMはチームリリースの中で「フルームの現在の契約は12月で終了し、我々は今、その契約を更新しない事を決定した。この一件に関しての昨今の憶測を終わらせ、チームが今後のシーズンに集中できるようにするため、我々はこの発表を通常よりも早く行う」と、説明している。
チームイネオスの発表から1時間後に、イスラエル・スタートアップネーションは「特別な発表」と銘打ち、フルームが来シーズンからチームを率いると公表した。彼は8月1日に長期契約に署名し、引退まで同チームで走ることになると言う。契約年数は発表されていない。
イスラエル・スタートアップネーションは、昨シーズンまでセカンド・ディビジョンのUCIプロコンチネンタルチームだったが、チームカチューシャ・アルペシンのワールドツアー・ライセンスを引き継ぎ、今シーズンからUCIワールドチームに昇格している。
チームの共同オーナーであるシルバン・アダムズ氏は「これはISN(イスラエル・スタートアップネーション)、イスラエル、イスラエルのスポーツ、世界中の我々の多くのファンにとって、そしてもちろん、個人的に私にとって歴史的な瞬間であり、非常に誇らしい瞬間だ。フルームは彼の世代で最高の選手であり、ツール・ド・フランスとグランツールでチームを率いるだろう。我々は彼がツールとグランツールでさらなる勝利を追い求め、史上最高の自転車選手とみなされる事になるような成績を一緒に築いて行きたいと思う」と、語っている。
フルームはチームイネオスの前身であるチームスカイが活動を開始した2010年からのメンバーで、2012年にはチームにツール・ド・フランス総合初優勝をもらたした英国のブラッドリー・ウィギンスのアシストを務めて総合2位になった。翌2013年にはツール・ド・フランスで初めて総合優勝し、2015年、2016年、2017年と勝利を重ねてきた。
しかし、5勝目を目指していた2018年のツールは、チームメートのゲラント・トーマスが総合優勝し、フルームは総合3位でレースを終えた。そして昨年は怪我で欠場している間に、コロンビアのエガン・ベルナルがツールで総合初優勝し、フルームはチームイネオスにとって絶対的なリーダーではなくなってしまっていた。
Cyclingnews.comによれば、今シーズンの終わりにチームイネオスとの契約が終了するフルームは、悲願である5度目のツール総合優勝のために、当初シーズン半ばでの移籍を望み、イスラエル・スタートアップネーションだけでなく、バーレーン・マクラーレンなどとも交渉をしていた。しかし、シーズン中の移籍は実現しなかった。
Team INEOS confirms we will not be renewing @chrisfroome’s contract – so after 10 great years this season will be Chris’s last with the team.
— INEOS Grenadiers (@INEOSGrenadiers) July 9, 2020
https://twitter.com/YallaIsraelSUN/status/1281166358710038528?s=20