イル・ロンバルディア2020でフルサンが初優勝
第114回イル・ロンバルディア(UCIワールドツアー)が8月15日に北イタリアで開催され、デンマークのヤコブ・フルサン(アスタナプロチーム)が独走で逃げ切り、初優勝を果たした。彼は昨年のリエージュ〜バストーニュ〜リエージュ(UCIワールドツアー)でも優勝していて、これが2つ目のモニュメント制覇となった。
優勝候補の1人だったベルギーのレムコ・エヴェネプール(ドゥクーニンク・クイックステップ)は、ソルマーノ峠の下り坂で転倒して谷底へ落下し、救急車で病院に搬送されてレースを棄権した。
第114回大会は174選手が出走。ロンバルディアはイタリアの中でも特に新型コロナウイルス感染症の犠牲者が出た地域であるため、ベルガモのスタート前には1分間の黙祷が行われた。
勝敗を決する7人の精鋭グループが形成されたのは後半のソルマーノ峠だった。トレック・セガフレードはディフェンディングチャンピオンのバウケ・モレマ、ヴィンチェンツォ・ニバリ、ジューリオ・チッコーネの3人がここに加わっていた。
フグルサンはロシアチャンピオンのアレクサンドル・ヴラソフ(アスタナプロチーム)を従えていた。さらに3日前のグランピエモンテ(UCIプロシリーズ)で優勝したニュージーランドのジョージ・ベネット(チームユンボ・ヴィスマ)が入り、エヴェネプールも加わっていた。しかし、ソルマーノ峠の下りで最後尾を走っていたエヴェネプールは、石橋の壁に激突して谷底へ落下してしまった。
残り20kmのチビリオ峠はニバリが先頭を引き、3選手が残るトレック・セガフレードが有利かと思われた。しかし、フルサンのアタックに反応できたのはベネットだけだった。そして先行する2人に追いついたのはヴラソフだった。彼はフルサンの為に仕事を続けた。
最後のサン・フェルモ・デッラ・バッタリアの丘で最初に仕掛けたのはベネットだったが、フルサンは落ち着いていた。ベネットが2度アタックした後、今度はフルサンが反撃に出たが、ベネットには付いていく力がもう残ってはいなかった。
残り5kmの頂上でベネットに18秒差を付けることに成功したフルサンは、そのままコモのゴールまで逃げ切り、2つ目のモニュメントを手中に収めた。2位にはベネットが入り、3位はフルサンをアシストしたヴラソフが入った。
■2つ目のモニュメント・レースで優勝したフルサンのコメント
「暑い一日で、エンジン全開で走った。調子が良いと感じていたが、ベネットも好調なのは知っていた。特に水曜日にグランピエモンテで優勝した後だったからだ。幸運にもヴラソフが居てくれて、とても助けてくれた。今日彼はチャンピオンみたいに走ったよ。チビリオの後で、ベネットとスプリントをすることになるだろうと思ったから、サン・フェルモで試してみたんだ。そうしたら独りになったから、そのままゴールまで全力で走り続けた」
第114回イル・ロンバルディア結果