ツール・ド・フランス2020 第6ステージはルツェンコが逃げ切って区間初優勝

第107回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、9月3日にル・テイユからモン・テグアルまでの191kmで丘越え区間の第6ステージを競い、カザフスタンチャンピオンのアレクセイ・ルツェンコ(アスタナプロチーム)が独走で逃げ切り、27歳で区間初優勝を果たした。

ツール・ド・フランス2020

ルツェンコは独走で逃げ切った(©Bettiniphoto)

総合上位に変動はなく、マイヨ・ジョーヌは英国のアダム・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)が守った。

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●第6ステージのコースプロフィール(MAP : ©A.S.O.)


ロッシュがファーストアタック

第6ステージは172選手が出走。アップヒルのスタートで最初にアタックしたのはアイルランドのニコラ・ロッシュ(チームサンウェブ)だった。ヘスス・エラダ(コフィディス)、グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(CCCチーム)、レミ・カヴァニャ(ドゥクーニンク・クイックステップ)が同行し、5km地点でニールソン・パウレス(EFプロサイクリング)とエドワルド・ボアッソンハーゲン(NTTプロサイクリング)が合流した。

さらに4km先でダニエル・オス(ボーラ・ハンスグローエ)とルツェンコが追いつき、先頭の逃げグループは8人になった。総合成績を脅かす選手はおらず、集団はこの逃げを容認し、タイム差はどんどん開いた。この日は最初の1時間の平均時速が51.8km/hにまでなっていた。

逃げは80km地点で6分半のタイム差を付けたが、それ以上になる事はなかった。125.5km地点の中間スプリントはボアッソンハーゲンが先頭で通過。逃げとのタイム差は6分を切っていた。

終盤の坂がスタートし、最初のカテゴリー3の山岳ポイントはロッシュが先頭で通過した。集団では上りに入って遅れる選手が出始めた。2つ目のカテゴリー3の丘もロッシュが先頭で通過し、この日、ブノワ・コスヌフロワ(AG2R・ラモンディアル)の山岳賞首位の座が脅かされる事はなくなった。

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第6ステージは8人が逃げた

カテゴリー1のリュゼット峠の登坂がスタートすると、オスとボアッソンハーゲンが遅れ始め、先頭は6人になった。山頂まで5kmでこの日が誕生日だったパウレスがアタックしたが、すぐにルツェンコが合流した。そして山頂まで残り4kmを切った所でルツェンコは独走を開始した。

カザフスタンチャンピオンを追走できたのはエラダだけだったが、山頂でタイム差はまだ23秒開いていた。ルツェンコは残り12kmも快調な走りを続け、モン・テグアル頂上のゴールに到着した時には、振り返って後方を走るチームカーに合図を送るゆとりさえあった。そこにはアレクサンドル・ヴィノクロフGMが同乗していた。

集団では、前日にペナルティタイムでマイヨ・ジョーヌを失ったジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)が予告通りゴール手前でアタックしたが、たった1秒しか差を付けられなかった。

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区間初優勝を果たしたカザフスタンチャンピオンのルツェンコ

■区間初優勝したルツェンコのコメント
「この勝利はボクにとってとても重要だ。これは世界で最も重要なレースである、ツール・ド・フランスだからだ。とても嬉しいよ。この勝利のために一生懸命働いた。全ての苦労が報われた。

今日はスタート前にバスで監督たち、ヴィノクロフGMと話をした。ボクはすでにタイムを大きく失っていたから、逃げるチャンスがあった。勝つために最後の上りはベストを尽くした。決して遅れることはなく、自分のペースを守った」

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マイヨ・ジョーヌはイェーツが守った

■第6ステージ結果[9月3日/ル・テイユ~モン・テグアル / 191km]
1. ALEXEY LUTSENKO (ASTANA PRO TEAM / KAZ) 4h 32′ 34”
2. JESUS HERRADA (COFIDIS / ESP) + 55”
3. GREG VAN AVERMAET (CCC TEAM / BEL) + 02′ 15”
4. NEILSON POWLESS (EF PRO CYCLING / USA) + 02′ 17”
5. JULIAN ALAPHILIPPE (DECEUNINCK – QUICK – STEP / FRA) + 02′ 52”
6. BAUKE MOLLEMA (TREK – SEGAFREDO / NED) + 02′ 53”
7. MICHAL KWIATKOWSKI (INEOS GRENADIERS / POL) + 02′ 53”
8. EGAN BERNAL (INEOS GRENADIERS / COL) + 02′ 53”
9. RICHARD CARAPAZ (INEOS GRENADIERS / ECU) + 02′ 53”
10. ADAM YATES (MITCHELTON – SCOTT / GBR) + 02′ 53”

■第6ステージまでの総合成績(マイヨ・ジョーヌ)
1. ADAM YATES (MITCHELTON – SCOTT / GBR) 27h 03’ 57’’
2. PRIMOŽ ROGLIC (TEAM JUMBO – VISMA / SLO) + 03’’
3. TADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO) + 7’’
4. GUILLAUME MARTIN (COFIDIS / FRA) + 9’’
5. EGAN BERNAL (INEOS GRENADIERS / COL) + 13’’
6. TOM DUMOULIN (TEAM JUMBO – VISMA / NED) + 13’’
7. ESTEBAN CHAVES (MITCHELTON – SCOTT / COL) + 13’’
8. NAIRO QUINTANA (TEAM ARKEA – SAMSIC / COL) + 13’’
9. ROMAIN BARDET (AG2R LA MONDIALE / FRA) + 13’’
10. MIGUEL ANGEL LOPEZ (ASTANA PRO TEAM / COL) + 13’’
16. JULIAN ALAPHILIPPE (DECEUNINCK – QUICK – STEP / FRA) + 15’’

[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):SAM BENNETT (DECEUNINCK – QUICK – STEP / IRL)
■山岳賞(マイヨ・アポワ):BENOIT COSNEFROY (AG2R LA MONDIALE / FRA)
■新人賞(マイヨ・ブラン):TADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO)
■チーム成績:EF PRO CYCLING (USA)
■敢闘賞: NICOLAS ROCHE (TEAM SUNWEB / IRL)

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父に並んだ10回目のツールを走っているロッシュが敢闘賞を獲得した

第7ステージは平坦区間

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●第7ステージのコースプロフィール(MAP : ©A.S.O.)

9月4日はミヨーからラボーまでの168kmで、平坦区間の第7ステージが行われる。平坦とは言っても、前半はいくつもの丘を越えなければならず、逃げには好都合のレイアウトだ。週末にはピレネー山岳ステージが控えているため、集団はつかの間の休息を取るだろう。

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